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非常勤の徒然:必要な人にその必要性が響いたのかどうか(更新講習のお話し)

 Twitterを眺めていたら,教員免許状更新講習についての内容を見かけたので,今日はそれについてつらつら綴ります.

 わたしも免許状更新講習の担当を仰せつかったことがあります.学期中の業務も(先生によっては課外活動のいろいろで夏休み中も)忙しいのに,有給まで使って何ともご苦労なことだ…と気の毒に思うこともありました…

 でも,いくら公的な更新講習を義務化しようとも,先生方向けの自主的な勉強会が開催されようとも,必要ない人にはそもそも必要ないし,必要として欲しい・勉強して欲しい人にはそれが全く届かないんだろうなと,何年か担当した末に思うようになりました.

 実際,更新講習でも成績評価のために簡単な試験を課すわけですけれども,それを採点してみると「講習は義務だししょうがないから受講するけど,適当にお茶を濁そうかな…」という気持ちが見え隠れするような答案を出す先生が毎回1%弱はいたんですよね…典型的には「理論的な文章が筋道を立てて書けない」「問題の内容を良く読まずに勝手なことを羅列してる」あー,こういう先生には習いたくないなあ…っていうか,自分の子供の担任だったら嫌だなあって思うような答案ってどうなのよ…(って,あれ?…ひょっとして今の大学生と同じじゃん…試験だからコピペこそないけれど,大学生ならきっとコピペ決めるタイプの人間だろうなあ…)

 更新講習会の後,教師として問題ありとされた方は果たしてどれくらいいたのでしょうか,あるいはそういう方は免許の更新を受け付けて貰えていたのでしょうか?わたしは試験答案が不十分と判断とした先生については,とくにしがらみもないので普通に「不合格を付ける」で終了です(不合格とする理由書の添付は要求されますけれど).そうやって一部でも不合格の成績がつけられた教師について,どこぞかのレベルアップには繋がっていたのかどうか…その成果はわたしにはわかりません(文科省とかの全体の検討・検証資料があるかどうかも調べてもいません,あしからず).

 結局のところ,受動的・能動的問わず,どんな機会でも受講・勉強する過程で先生Lv.がアップする,それを肥やしにできる誠実な教師が大多数なのだろうと思います.けれども,残り数%のダメ教師のために,9割9分以上(※個人的推測)の誠実な先生が大きな負担を強いられ犠牲になる,わたしが対応した更新講習とは,そういうものには思えなかったです(あくまでわたしが関与していたところでの印象に過ぎませんが).

 残念だけれど強制で受動的な講習会を受けさせただけでは,何かが足りてない教師に自力でそれを改善できる力はないのではないか.教師全体に必修化する類の講習会を作り,その受講を目的化するのではなく,成果をきっちり検証してフォローしない限り意味がない…残り数%のダメ教師はどうにかしないといけないとは当然ながら思いますが,それを実施する方法は,誠実な先生に負担を大きくしない形の,何か別の方法を考えて下さい,誰か偉い人…

 こういうのって,科研費受給等で不正を働くほんの一部の不届き者に対応するために,無用な煩雑な事務作業が強いられている研究者・先生方も同じ構図なのかもなあ…と思ったところで本日の作業(次回の講義の準備とか)を終わることにします.

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