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ミスミ製アルミフレームでの端面接続方法はどれを選ぶべきか

■ジョイントの種類

端面接続としてミスミのアルミフレームで選べるのは以下の6種類。
[1] タッピングジョイント
[2] スクリュージョイント
[3] シンプルジョイント(6シリーズのみ)
[4] センタージョイント(先入れ/後入れ)
[5] シングルジョイント
[6] ダブルジョイント(先入/後入れ)

■選ぶべきは3つ

総合的に考えて、ミスミの8シリーズにおいては次の3種類の使い分けになると結論づけた。

※タッピングジョイントの取付けがあまりに大変だったため候補から外し、4から3に変更

・接続する位置を固定したくないのであれば、[1] 後入れダブルジョイントで、より強度が必要ならば、[2](先入れ)センタージョイント+直角接続ブラケット
・接続する位置を固定できるのであれば(枠組みの角など)、[3] シングルジョイント
・もちろん位置を固定できる場合にも、後入れダブルジョイント/センタージョイントは有用

端面接続の使用でポイントとなるのは、1. 接続位置を固定できるか否か、2. 接続強度、3. 直角接続ブラケットと併用か否か、4. 価格。

端面接続せずに直角接続ブラケットのみを使用すれば、比較的安価にかつ強度を高くできる場合も多い。しかしながら、接続するフレーム同士に隙間の生じないことが端面接続にする最大のメリット。タッピングジョイントを除けば、側面からの固定よりも角度が簡単に決まることで作業性の向上も期待できる。

※実際に試したところ、センタージョイントでは遊びが大きく影響して、簡単に角度が決まることはなかった

なお、シンプルジョイントが使えるのは6シリーズのみなので、8シリーズについて検討する今回は除外した。また、フレームサイズ、溝の数、接続するフレーム同士の向き、などによって選べないジョイントがある。

■用途別の選択肢

◆後入れ、自由位置
センタージョイント(後入れセンターポスト)と後入れダブルジョイントが候補。ポストがフレーム両端に位置するダブルジョイントでは、フレーム間の角度が決まりやすい。追加工するのは片方のフレームのみなので、接続位置を後から変更することができる。

センタージョイントでは、後入れセンターポストの10mm幅での固定になり、同じ10mm幅でも2本を端寄りに配置するダブルジョイントの方が接続強度が高い。ただし、後入れダブルジョイントでは併用できる直角接続ブラケットの種類が限られる。単独使用であれば、後入れダブルジョイント、直角接続ブラケットとの併用であれば、後述の先入れセンタージョイントが選択肢として幅広い。後入れダブルジョイントがセンタージョイントより23円高い(4040同士の接続で下記参照)。

◆先入れ、自由位置
センタージョイント(先入れセンターポスト)と先入れダブルジョイントが候補。ポストがフレーム両端に位置するダブルジョイントでは、フレーム間の角度が決まりやすい。追加工するのは片方のフレームのみなので、接続位置を後から変更することができる。

センタージョイントでは17mm幅のセンターポストで1本固定、ダブルジョイントでは17mm幅のナットで2本固定、とダブルジョイントの方が接続強度が高い。ただし、先入れダブルジョイントではほぼ直角接続ブラケットを併用できない。先入れダブルジョイントが130円高い(4040同士の接続で下記参照)ため、同じ2本固定の23円高い後入れダブルジョイントを選択するのも手だろう。強度重視であれば、センタージョイントに直角接続ブラケットを併用する。

◆先入れ、固定位置
5種類全てが候補。

タッピングジョイント、スクリュージョイント、シングルジョイントの3つは、締付けのための工具差込み穴(レンチ穴)が必要なため、フレーム同士の接続位置が固定される。

価格的にはタッピングジョイントが圧倒的に安いが、アルミ母材へのタッピング固定なので、ネジ締めの繰返しや荷重に対して強度が若干低い点と、完全に締め付けるまで角度を固定できないことが欠点。取り外しが少なく、直角接続ブラケットとの併用前提にすればそれも許容できる。

※実際にタッピングジョイントを使用した結果、アルミ母材の強度云々よりも、タッピングジョイントそのものでねじ切りしながら締め込むことの難易度が高く、ネジか母材の山を潰してしまう危険性こそ無視できないと感じた

スクリュージョイントもアルミ母材へ締付けという点では変わらず、さらに価格的なメリットもない。

より強度が期待できるのはシングルジョイント(1本でもプレートサイズが18x38mmと大きい)。さらに強度が必要ならば、直角接続ブラケットを併用する。83円高くなるが、スクリュージョイントとの併用であれば、側面に穴(D穴)が開かない。

■価格比較

参考として、8シリーズ4040フレーム同士を接続する場合の違いを価格順に並べると以下の通り。

◆タッピングジョイント
178円 = 120円(レンチ穴) + 58円(タッピングネジ)
◆シングルジョイント
410円 = 120円(レンチ穴) + 120円(D穴) + 170円(シングルジョイント)
※ただし、ステンレスにすると540円
◆スクリュージョイント
493円 = 120円(レンチ穴) + 200円(タップ穴) + 173円(スクリュージョイント)
◆センタージョイント
550円 = 120円(M穴) + 430円(センタージョイント)
◆後入れダブルジョイント
573円 = 120円(M穴) + 453円(後入れダブルジョイント)
◆先入ダブルジョイント
680円 = 390円(S穴) + 290円(先入ダブルジョイント)

該当する商品ページは以下。

■補足


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