4ヶ月休職したよ

今の会社に転職してまる4年が経った。
ずっと忙しくて7月下旬にとうとうダメになってしまい、今まで4ヶ月とちょっと休職していた。

すっかり元気になったので、12月から復帰します。この機会にちょっと振り返っておこうかなーっていう記事です。

大変だった自慢みたいなのをするつもりは全くなくて、自分の復帰に向けた気持ちの整理と。
それから、皆それぞれ大変だと思うので、こんな感じで休んでたよ―というのがいつか役立つ人もいたりするかなと思ってる。

原因

私の場合は、残業が多すぎ!とかそういうことはなくて、精神的負荷が一番の原因だったかなと思う。
夜遅くなる日もあったけど、前職の経験で無理すると無理になることはわかっていたので、ある程度のところで諦めて帰るようにしていた。

責任範囲がとにかく幅広く、終わる見込みのない山積みの業務に毎日向き合っていた。終わったー!という感覚を、もうしばらく味わっていない。

私は今の会社がまあまあ好きだし、仕事も嫌いなわけじゃないし、やりがいもあると思っている。
責任が大きいことも承知の上で、むしろそういう環境を好んで入社している。

でもその重圧は年々膨らむばかりで、ここ1~2年はもう仕事が楽しくなくなっていた。
朝ベッドを出るときに気持ちがどんよりするようになっていたし、文句ばっかり言っていたし、転職も考えていた。

どうすればよかったのかが今でもイマイチよくわからない。
一概に会社のせいとも思ってないし、かといって私もいっぱいいっぱいだったんだよなー。うーん。

細かいことを言えば他にももちろんいろいろいろいろいろいろ・・・・・あるけど、大きな原因でいうと ”精神的負荷” がいちばんかな。

涙が止まらなくなった日

年々同僚に愚痴をこぼす頻度が高くなっていき、ダメになる直前なんて週1くらいの頻度で怒涛の吐き出しタイムがあったように思う。
で、その度に涙がでるようになっていた。

7月下旬の月曜日、在宅でPCの電源を入れて仕事モードに気持ちを切り替えたとたん、何もないのに涙がドバドバ出てきてとまらなくなった。

社内のWebMTGまでになんとか気持ちを落ち着けて、URLを開こうとした途端またボロ泣き。
さすがにMTGは無理そうだったので、MTG予定だった同僚に体調が悪いと連絡し、ソファにうずくまって泣いた。
その日は急遽有給にした。

翌日も気持ちがどんよりしたままで、声を出したら泣いてしまいそうだった。
同じチームのメンバーにだけ状況を連絡してMTGはすべて欠席にしたいと言ったら、「絶対に休んだ方がいいからMTGだけじゃなく今日は休んでください!むしろ気づかなくてすみません!」と言ってくれた。
同僚はいい人ばかりで、こういうとき本当に救われる。

すぐに社長の耳にも入り、落ち着いてから面談をして、結局今週は全部休んだほうがいいということになった。

自分ではそこまでではないと思っていたので動揺した。
だけどすでに迷惑をかけてしまっている状況なので、ここで無理をしても更に迷惑をかけるだけだと思い直し、お言葉に甘えることにした。

最初の一週間

突然休むことになった一週間。
業務の最大の繁忙期だったので、特にチームメンバーに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

私の場合は(あくまで私の場合は)どんなに落ち込んでいようが疲れていようが「食べる」「寝る」ができなくなることはないし、仕事さえしていなければ元気でいられる。
なので、こんなに元気なのに休んでいいんだろうか?という不安感があった。

だけどこの一週間を振り返ると、今思えばやっぱり変だったなーと思う。

どう変だったかというと、まずテレビを見ることができなかった。
とにかく気持ちが疲れ切っていて、テレビから流れてくるどうでもいいことばかり話しているワイドショーも、ガヤガヤうるさいバラエティも、摂取する気になれなかった。

休むことへの申し訳なさと不安もあって心がざわざわしていたので、以前から好きな落ち着いたVlogのYouTubeチャンネルだけ永遠にみていた。

ほっとする音楽と生活音、日常を大切にする過ごし方。
ぼーっと眺めていると気持ちが落ち着いた。

暗い部屋で、たまに泣きながら、一週間本当にずーーーーっとこのチャンネルだけ流していた。
tokaさん、あのときは大変お世話になりました。

休みながら、一週間休んでも職場の状況は変わらないのに、このまま働いて私は大丈夫なんだろうか?と考えていた。
また同じことを繰り返してしまいそう・・・。

実は2~3年前にも限界がきて一週間ほどお休みさせてもらった背景もあり、それの更に根深いやつがきた感じだったので、色々考えているうちに今回は一週間じゃ難しいかもしれないなと思った。

会社でも同じように考えていたようで、週明け再度面談をしたら「今回は2~3ヶ月休んだほうがいいと思う」と言われた。
それで、まあいろいろ話し合って休むことになった。

言われていたのは、「とりあえず2ヶ月は休みましょう、あとは様子をみながら決めればいいから、2ヶ月後に復帰しなきゃいけないと思わずに、まずは全部忘れて休んで」ということだった。

休職1ヶ月目(8月)

疲労回復

こんなに長く仕事を休むなんて、社会人になってから初めての経験だった。

それに、やっぱり「仕事さえしていなければ元気」だと思っていたので(既述のように今思えば全然元気じゃなかったのだけど)、そんなに長期で休むということ自体がとにかく不安で、怖かった。

真夏だったせいもあるかもしれないけど、最初の2週間くらいは全く動く気になれなくて、酷い生活を送っていた。
毎日昼まで寝て起きたらご飯を食べて夕方に昼寝をして、夕飯を食べてシャワーを浴びて就寝。
本当に食べて寝てるだけだった…よくあんなに寝れたなあ…

とにかく自分の外からの刺激をシャットアウトしていたような感覚。
疲れてたんだと思う、今思えば。

傷病手当金について

休むと当然給与が発生しないけど、何ヶ月も無給というのはさすがに安心して休んでられない。

社会保険の被保険者であれば健保から傷病手当金が支給される。
※支給には条件あり

支払われるはずだった額面(※手取りではなく額面)の2/3程度が支給されるので、例えば分かりやすく額面30万円の人であれば20万円程度を受け取ることができる。
ただし、健保料や住民税その他、本来給与から差し引かれるものが会社負担となっているので、別途精算する必要がある。(私の場合は復帰後の給与で精算になった)

傷病手当金を申請するためには会社と主治医の証明が必要なので、最低月1回、適切な医療機関へ通院することになる。
今回のような精神的なものの場合は、メンタルクリニックや精神内科。
※傷病手当金の支給は医療機関の初診日以降にしか適用されないので、休職が決まって未受診の場合は一度早めに受診した方が良い。

再三言っているように、私は自分では元気だと思っていたので、クリニックへの通院なんて全く考えていなかった。
だけど、こういうわけで人生で初めてメンタルクリニックに行くことになり、これもドキドキだった。

うつ病や適応障害などに偏見はもっていないつもりだったのだけど、いざ自分がそういった類のクリニックに行くとなるとなんとなく心がざわつく感覚があり、私も少しの偏見の気持ちがあったのかな・・・とか思ってそんな自分にもちょっと落ち込んだ。

診断「軽いうつ病」

通院の目的は「傷病手当の証明をもらう」ことでしかなくて、治療は特に望んでいなかったので、家から行きやすい近所のメンタルクリニックを選んだ。
これがなんというか…おじいちゃん先生で、診察もかなり適当、診断書もこちらと相談しながら言われた通りに書く、という感じ。

今回の私にはそれで十分だったのだけど、本当に相談したくて困っている場合、医者選びが超大事だな・・・と思った。

まあでも初回はよく話を聞いてくれた。
「適応障害かうつ病か微妙なところだけど…1~2年おきに繰り返してるし、わかりやすいから軽いうつ病にしとくね、いい?」と言われた。
なんでもよかったのでそれにしてもらった。

ちなみに、
・適応障害→原因が明確であり、それを取り除くことで改善される。
・うつ病→原因がわからなかったり、原因と思われるものを取り除いても症状が持続する。

というような違いがあるみたいです。
それならやっぱりうつ病ではなかったんじゃない?って思うけど、まあいいや。

傷病手当金の申請には専用の申請書への証明のみでOKで、医療機関から個別に発行される診断書(相場3000~5000円/枚。高いよねー!)は不要。
私の場合は会社に提出する必要があったので診断書も書いてもらった。

ひとりで出かけられるようになった

不安と戦いながらぐうたらしていたら、8月後半、徐々に動く気力が出てきた。
近所に外食をしにいったり、映画館や美術館に行った。
テレビも見れるようになった。

ただ、人と会う気が起きなくて、もともと一人行動も好きなので、ほぼ全部一人行動。
8月はあまり言葉を発していなかったと思う。笑

一人で箱根にいこうと思って、月末に温泉宿を予約した。
2年ぶりに北海道の実家に帰る気になって、翌月の飛行機も予約した。
(休職中に遊ぶな!って思う人もいそうだけど、私にとっては好きなことをたくさん浴びるのが一番心が元気になる方法なので)

休職2ヶ月目(9月)

8月よりも明らかに元気になった!

より積極的に外出できるようになって、生活に対して少しやる気が出てきた。
「先月は意外と元気なかったんだな・・・」と思った。

好きなところにたくさん行くようにした。
ライブ、美術館、動物園、映画館、温泉、舞台。
金銭面の不安はあったけど無視した。今は心の健康が大事だ。

NHKプラスを契約して、いつか見ようと思っていた「おかえりモネ」全104話を3日間くらいで一気見した。(達成感すごかった)

友達にも会いたいなって気持ちが出てきて、自分から誘うこともできた。
これが私にとっては8月とのかなり大きな違いだった。
寝る時間も8月ほど酷くはなかったと思う。

帰省時、母を連れて北海道の温泉にも行った!
しばらく帰省すらできていなかったので、母はとてもうれしそうだった。
帰らなきゃな―とずっと思っていたのがスッキリした。

それから、8月に感じていた「休むことへの不安」が薄らいで、リラックスして毎日過ごすことができるようになっていた。

復帰時期の検討

様子を見て早ければ2ヶ月で復帰かなと思っていたので、この時期には復帰できるかどうかを考えていた。
「元気になってきた」と感じていたので、仕事ができなくはないと思った。

ただ、やはりいちばんの不安は「復帰しても状況は改善されていない」という点なので、それに耐えられそうか、という想像を何度もした。
想像すればするほど不安でいっぱいになり、復帰を考えると気持ちがどんよりするような心理状態。
会社との面談でこれはまだ早いねということになった。

このとき考えていたのは、「働きたい」と思えるようになるまで待ったほうがいいのでは、ということだった。

休職3ヶ月目(10月)

9月よりもさらに元気になった!

9月にも「8月より元気」と思っていたけど、また同じことを思った。
明らかに積極的に出かけたいと思える活力が湧いてきていた。

さらに、推しのイベントに次から次へと自力で当選し、心がすごくほくほくしてきた!
やっぱり好きなものは偉大だ。
元気だしてーって言ってくれてたのかも。

10月は、久しぶりの友達が会おうと連絡をくれたり、推しのおかげで新しく仲良しの友達もできたり、9月までと比にならないくらい積極的に人に会えた!

ライブにもいくつか行って、以前から気になっていたサウナに行ったり、夜の動物園に一人で出かけてみたり。わくわくするイベントも入れられた。
かなり久しぶりに美容室にも行けた。

これまでずっと元気だと思っていたけど、10月になってみると8・9月は本当にまだまだ元気じゃなかったとわかった。
かなり活力が湧いてきたのを感じたので、11月から復帰でもいいなと思った。

復帰時期の決め手

会社との面談で、11月からでもいけると思うと話したけれど、正直11月が最大の繁忙期なのはわかっていたので、そこへの不安感があった。
会社からも、11月復帰はやめたほうがいい、早くても12月、なんなら年始からでもいいと思ってるよ、と言われた。

年始、と言われたとき、それはないと思った。
年始となると、計5ヶ月も休むことになる。ほぼ半年じゃん。
そんなに休んだら社会復帰できない気がする。

復帰しないまま年を越す方が不安になる。
それに、自分の好きなことをするにも、一生懸命働いて「このために働いてる!」と思えるご褒美のような感覚があった方が楽しいんだよなあと痛いほど感じていた。

「働きたい!」とまではいかなくても、働くことを想像してどんよりする、という感覚はほとんどなくなっていたので、ここからは12月復帰のつもりで一ヶ月かけて気持ちを整えようと決めた。

気持ちをつくるために、チームメンバーとの面談の時間を組んでもらった。
これがすごくよくて、今の状況を同僚の口から聞くことで、ようやくリアルに「復帰する」ということへのイメージが湧いたし、何も見えなかった状況よりも不安が和らいだ。

休職4ヶ月目(11月)

元気いっぱい!本当に更に元気になった!
たぶんこの4ヶ月でいちばん外出したし、いちばん人に会ったと思う。

好きなことを全力で楽しめるようになった。
料理も楽しくなった。元々好きなはずなのに、休職初期は自炊をしていてもあまり楽しくなかったのが改善された。

やっぱり、いくら好きなことでもそれを楽しめるかどうかは自分のメンタルが強く影響する。

やっていたこと

長期で休んで社会復帰するには、気持ちと生活リズムの準備が必要になる。
元気になったので、11月は下記のようなことを意識していた。

・用事を一日に詰め込むのではなくなるべくわけて、外出の頻度を増やすようにする
・なるべく昼まで寝ないようにする
・徒歩40分以内の距離の移動ならなるべく歩く
・たまにnoteを書く(PCに向かう仕事なので、PCへの抵抗を感じないよう慣らしの意味と、ブラインドタッチの感覚の呼び戻し)
・復帰の想像をしてみる

私の場合は、特にnoteで文章を書いてみたのがすごくよかった。
休んでいる間はあまり頭を使うということがなくて、趣味も基本的にインプットばかりなので、久しぶりにアウトプットに脳を働かせた。

体を動かす疲労とは異なる疲労感が気持ち良かったし、考えを整理して手を動かして文章化するという作業はなんだかストレス発散にもなった。

なので、リハビリも兼ねて、復帰前にこれを書いてみています。

さいごに

思ったこと。

何度も言ったけれど、精神的に限界がきているとき、自分ではどのくらいやばい状態なのかというのが判断できない。
でも、きっと何かしら「元気なとき」の状態とは違う部分がある。

私の場合は、「愚痴が増える」「涙がでる頻度が高くなる」「好きなことが以前ほど楽しめない」という感じ。
これが食欲や睡眠に出る人もいるだろうし、明らかに顔に出る人もいると思う。

「なんかやばいかも」って自分で思ったときはきっと思ってるよりかなりやばいので、休めるなら少しでも休んだ方がいい。
たとえば一週間とか、それも無理なら土日と繋げて3~4日とか。

私は会社が優しくて積極的に休ませてくれたけど、それが難しいならまずは有給を使って休んでみてほしい。
いつもより少し長く仕事から離れることで、冷静に状況を把握できることもある。

これができないままずるずると耐えていった結果が、うつ病とかなのだと思う。
つらいの延長線上にある。だれもがなる可能性がある。
職場に迷惑をかけることだってよくわかってるけど、私は自分を犠牲にしてまで働きたいわけではない。

それから、本当に自分のことを想ってくれる人を見極めて、その人につらい気持ちを話した方がいい。
自分で休んだ方がいいと判断できないときに、率直なアドバイスをくれるから。

親身になってくれない友達とかを選んでしまうと、結局「自分はこの人より大変じゃないのに大変と口にしているダメなヤツ」と思わされることがある。

私は今回休職に入った直後、ある長年の友人に「私の方がつらい」という趣旨の話をされた上に「最近気軽に休職する人多いよねって同僚と話してた」と言われ、大ダメージをくらった。
もう友人と思ってないです。

人それぞれつらいと感じるものは違うし、キャパも違うし、ましてや職場が違うなら本当の状況のつらさなんて想像できるわけもない。
だれかがつらいと話してくれたときに、そのまま受け止めてあげられる心の余裕をもっていたい。

そのためにも、自分が限界を超えてしまうのは良くない。
人への優しさは、自分の余裕から生まれると思う。
自分を大切にすることは、自分の周りの人を大切にすることに繋がると思うから、みんな自分を大切にしてほしいと思う。

12月はスロースタートでの復帰になるので、また潰れないように頑張りすぎずいい塩梅でやっていきたいと思います。

おわり。

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