メタ発言ってなに?
ひと口に「メタ発言」と言っても、
作品やジャンルごとにその内容は様々です。
しかし共通する点もあります。
それは「メタ発言によりそのゲームが想定する楽しみを損なってしまう(可能性が高い)」ということです。
逆に言えば「そのゲームが想定する楽しみ方」をある程度理解しておけば、自分がメタ発言をしてしまう可能性を減らすこともできるように思います。
人狼ゲームとマーダーミステリーを例に挙げながらそのゲームが想定する楽しみ方を見ていきましょう。
フェアであるかどうか。
メタ発言の線引きに「フェアであるかどうか」
は1つ重要な要素かもしれません。
人狼ゲームの例を挙げます。
AさんとBさんが騎士と名乗ったとします。
(騎士は人狼の襲撃から誰かを守る役職のこと)
しかし、配役の内訳上騎士は1人しかおらず、
このうちどちらかは必ず偽物となります。
Aさん「私は騎士だ。毎晩1人を守ることができるが連続して同じ人は守れない」
Bさん「私の役職カードには『あなたは騎士です。毎晩1人を選び人狼の襲撃から守ることができます。連続して護衛することはできません』と書いてあった!」
さて、どちらが本物でしょうか?
おそらく誰もが「Bさんかなぁ......」と思うでしょう。
そしてAさんを処刑してめでたしめでたし......
ではありません。
おそらくAさんは納得しないでしょう。
何故なら、これはAさんとBさんの発言を聞いてどちらにどれだけ納得したかではなく、役職カードの書き方についての話にすり替わっているからです。
これはマーダーミステリーでも同様です。
人狼ゲームやマーダーミステリーにおける役職カードやハンドアウトはあくまでプレイヤーやキャラクターの記憶や能力を描写・可視化したものに過ぎません。それらは本来存在しないものであり、その表記の問題について言及するのは果たしてフェアでしょうか?
これも注意が必要なのですが、書かれた内容について言及したことがメタ発言なのではなく、「書かれていた」と言ってしまったことがメタ発言となります。
書いてある内容はあくまで本人にとっての記憶や能力なので、それについて言及するのは至極当然のことです。
この言い方1つでメタかどうか、
フェアかどうかが変わってしまうという点も、
ぜひ頭の片隅で覚えておいてください。
◤POINT◢
本来存在しないもの(記憶など)について言及する場合は言い方を工夫しよう!(他のプレイヤーに見えないように配られたりしているものは特に注意)
推理する内容の違い。
人狼ゲームとマーダーミステリーには違いもあります。
その違いからメタ発言にも差が生まれます。
最も差が現れるのは個人的に「配役上の数字に関する言及」だと考えています。これは「14人中人狼3人と狂人が1人いるのだから、ランダムで処刑しても2/7で人狼陣営を落とすことができる」など、配役の内訳を数字で捉え、ゲームの進行や攻略を目指す発言を指します。
人狼ゲームではシステムや配役上の数字に関する言及が基本的にゆるされています。(むしろそれを前提として議論を進ませることがほとんどに思います)
人狼ゲームの世界では物理法則が曖昧です。
襲撃もあくまでシステムによって行われます。
次の朝になって「被害者は何時頃に襲われていてその時間にアリバイがあるのは3人。それにこれだけ死体が貪られるように食べられているんだ。犯人の口や服には返り血がベッタリと付いていて然るべきだ! もしかするとどこかに血塗れの服が捨ててあるかもしれない!」という議論にはなりません。
人狼たちがやったのは夜時間にGMによって起こされて襲撃したい人を指し示した、ただそれだけです。
そのため、人狼が誰であるかを探るには配役の内訳とその数字に対して言及することが必要なのです。
しかし、マーダーミステリーに必要な推理はそれが現実であれファンタジーであれ「その世界の物理法則を参照」しています。人を殺せば必ず証拠が残り、アリバイには歪みが生じます。これらを無視して話を進めるとゲームの本筋から離れてしまい、混乱する可能性が高まります。そのリスクを減らすためにも、用意された世界の外側から要素を持ち出さない方が良いでしょう。
また、マーダーミステリーには「その作品の登場人物として世界観を楽しむ」という側面もあります。
こうした楽しみを損ねないためにも、可能な限り世界観に合わせた発言を心掛けてみましょう。
◤POINT◢
世界観に合わせた発言をしたいときはその作品内で登場した言葉を引用するのがわかりやすい!
まずは2点、メタ発言について述べてみました。
もし「この辺りはどうなってるの?」と気になることがあればDMやリプライにて教えてください。
少しずつ追記していきます。では!
メタ関連の質問
Q.調査に行ったら”必ず何かしらの情報を持ち帰っている”、”情報カードを公開していない”ことが可視化できている、これもメタに含まれますか?
A.個人的に「〇〇さん情報を持って帰って来てるなぁ〜、何か隠しているなぁ〜」などの考察はOKだと思います。しかし、これを議論に出す際には注意が必要です。
プレイヤーがカードを引くのは、マーダーミステリーという仮想"殺人現場"の中で自分たちが行う調査の代替行為であることを忘れてはいけません。
つまり、現実なら実際に現場に行き、物に触れ、それをポケットやカバンの中にしまっているのです。
なので「伏せているカードを見せて」とそのまま言ってしまうより、「あなたは先ほど現場を調べていただろう。そして、そこで何かを拾っていた。その膨らんだポケットの中身、見せてもらうことはできるかな?」とあくまでマーダーミステリーの世界の中でキャラクター同士がそう話しているのだと思えるように工夫するとスマートかなと感じます。
Q.何回か一緒にやるメンバーだと
「彼は普段こういうプレーをするから今回は〇〇だ〜」みたいなメタの餌食に良くあいます…(笑
A.これは人間である以上逃れられない......
けど実はあんまり良くないかなぁと思います。
繰り返しできるゲームでコミュニケーションを楽しむ場では良いかもしれませんが、一度きりしかできなかったり、ゲームとして楽しみたい場合には「普段は〇〇だから今回は〜」みたいな理由でその人が不利になるようなアクションは控えた方がお互いに気持ちよく遊べるかなぁと思います。
しかし、ポーカーや麻雀のようなゲームならOKとされる場合もあります。これはポーカーや麻雀が現実的側面の強いゲーム(仮想〇〇ではない)であることなども関わってくるかなと思います。野球や将棋でするのと同じように対戦相手を研究することがほとんどです。
ぜひゲームの特性・位置付けを考え、
そのゲームに合ったメタの線引きをしてみてください。
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