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ストーリープレイングとは?

 先日、現在までに公表されているストーリープレイングを観測できる範囲で一覧にしてまとめた記事を出してみたのですが、その後からこのようなツイートが流れてくるようになりました。

【一覧記事はこちら】

ストーリープレイングってなに?
マダミスとは違うの?
なんか難しそう……

 こちらの記事では、これらの質問に筆者がネタバレ等をせず答えられる範囲で答えてみようかなと思います。ただ、まだまだ新しく生まれたばかりのジャンルなので「今後どうなっていくかはわからない」という前提を添えておきます。


Q1.ストーリープレイングってなに?

 まず、そもそもストーリープレイングとはなんぞやというところを説明しようかと思います。
 ジャンルの成立は最初にしゃみずいさんという方が『銀の瞳の君を求めて』を創られたところからとなるのですが、そうした経緯を全て説明すると長くなってしまい読むのも大変かと思いますので今回は省略させていただきます。(ご興味のある方はぜひtwitterなどで検索してみてください)

 ストーリープレイングとは、基本的にはTRPGやマーダーミステリーなどと同じ「体験型アナログコンテンツ」の1つになります。多くの場合は決められた人数に対して1人1人キャラクターが割り当てられ、その記憶を読み込んでなりきりながら物語の世界へ入り込んでいく形をとります。

 筆者はこれを言い表す際「物語に沿ってみんなで行動しながら読み進めていく小説」という定義を用いますが、現在多くの作品はこの定義からそれほど外れたものではないように思います。

 メインとなるのはおそらくシーントーク

 シーン(場面)にあったトーク(会話)を楽しむことがこのジャンルの最も根幹となる部分なのかなぁと考えております。その内容は日常会話だったり謎や問いに対する解答を導き出すためのものだったりと様々ですが、そうしたシーンとトークの連続体を進めていくことで「まるで小説の登場人物となって物語を追体験したような感覚」を楽しむことができるのが、現状存在する多くのストーリープレイングの価値となっているようです。


Q2.マダミスとは違うの?

 さて、次は似た分野である「マーダーミステリーとの具体的な違い」についてです。
 両ジャンルともに現在の日本では完全な定型化がされていないように感じるため個人の意見となりますが「マーダーミステリーから正体隠匿系ゲーム特有の対立構造や犯人当てを排し、より純粋な物語体験による価値を追求したもの」がストーリープレイングなのではないかなと思います。

 実際のところ「対立構造や犯人当てがなければマーダーミステリーではない」と言い切るのは難しいのですが、全体のメインがゲーム的なものよりは物語体験としての部分である場合が多いことは間違いないように思われます。(極めてストーリープレイング的な構造であったとしても体験感全体を向上させるために敢えてマーダーミステリーとジャンル表記をしている作品もあります)

 また、ストーリープレイングはマーダーミステリーに比べてキャラクターや話している相手への感情移入などの"共感"にリソースを割ける場合が多いのが特徴に思います。そのため、物語体験はどちらかといえば"思考"よりも"共感"に楽しみを覚えるよという方が、ストーリープレイングは楽しみやすい分野であるかもしれません。


Q3.難しくないの?

 これはストーリープレイングの特徴にも関わってくることなのですが、他の分野に比べて比較的システム的な難しさは少ないように思います。

 何故なら、ストーリープレイングの楽しみはシーン(場面)に合ったトーク(会話)をすることやキャラクターや話している相手に"共感"すること、それらを含めた物語体験に重きを置いていることが多いので、それに伴い体験感を阻害しないために複雑なシステムは組まず可能な限り「読み進めてみればわかる」ようになっています。

 ぜひ小説を読み始めるのと同じような感覚で遊んでいただければ幸いです。

 ただし、遊び始める前に1つだけお願いしたいことがあります。ストーリープレイングではキャラクターの言葉に乗せて自身の価値観などを伝える場合があります。特に1対1で自身の価値観を伝えるというのは、信頼のおける間柄でなければなかなか難しいことのように思います。そして、それが困難な場合はストーリープレイングの楽しみを感じることなく終わってしまいます。

価値観を伝えたり、それについて話し合うことが苦ではない程度に親しい相手を選ぶこと

 この条件はプレイヤーが2人きりで遊ぶ作品に限った話ではありますが、ぜひこれを意識して親しい相手と共に作品を手に取ってみてください。


Q4.オススメ作品はありますか?

 自分の作品を一旦外した上で、
 現在1番推したい作品を挙げておきます。

 作者:夏目美緒 様(@Natsume_mystery)
誰が為に来る明日』(たがためにきたるあす)

【画像に触れるとboothに進みます】

 こちらは記事を書いている5/29現在はまだ販売を開始していないのですが、その構成やデザインの丁寧さから今年真っ先に名前を挙げられるような作品になるのではないかなと感じております。

 筆者も先日友人と2人で作者様GMのテストプレイに参加したのですが、2.5時間ほどの中で友人と互いの価値観をぶつけ合うような濃い対話を楽しむことが出来ました。(ちなみに、この作品ではキャラクターやその関係性を自由に決められます)

 作者様が作品を創る上で2人の人間が話し合うことについて深く考え、1つ1つテストしながら積み上げていったのではないかなと感じられるとても丁寧で素晴らしい作品です。販売が開始されましたら是非ご友人と共に遊んでみてください。


【ストーリープレイング作品一覧】

 また、ストーリープレイングについての疑問があれば可能な限り回答致しますので、その際は筆者のtwitterアカウント(@tomoyan2610 )へDMやリプライなどでご連絡いただければ幸いです。

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