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yokominami
遠距離恋愛
遠距離恋愛をする奴の気が知れないという友人に曖昧な返事を返しながら、遠距離恋愛しかしたことのない僕はふと窓の外をに目をやる。
いつもそこにある海はたおやかで、港から出たばかりのフェリーと、その後の予定が何もないといった風情の見送りの人たちがノロノロと歩くのが見えた。
あの時僕を見送った彼女も当て所なく歩いたのだろうか、それともさっぱりとした気持ちで家路についたのだろうか。
友人の話題は、新人の女の子が垢抜けないとか、でも素直すぎるのはどうかと思うとかいう話に移っていたので、「でもかわいいよね」とだけ言っておいた。多分彼らは付き合うことになるんだろう。
近くにいても限りなく遠いこともあるし、限りなく遠くても近くにいるってことがある事実は、優しくて悲しい。
結局のところ、そうやって過去の自分と遠距離恋愛をしながら、僕は終わりが来るのを待っている。
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