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不思議な店

今日行ったお店、病院の玄関前という一等地なのに、人気がなくて、寂れている。ただ鰻焼きたて、鍋焼きうどんというのが気になってて、のぞいてみたら本当におばちゃんが焼いているのが見えたので、入ってみた。昼時なのに客がいない。鰻を頼んでふと気がつくと、おばちゃんがいない。さっきまで焼いていた鰻もなくなっている。ただ、二回からはどんどんがらがらという大きな音に続いて、ぶーんという掃除機の音、なんで客が来ているのに掃除を始めるのか訳がわかんない。調理場にはさばきかけの鰻の骨が放置されているだけ、米を炊いている気配もない。心配になったので、店の中をうろうろしてみたが、奥のテレビから大音量で流れる笑っていいともの馬鹿笑いだけが響く。仕方がないので、席に戻って雑誌を読んでいる。ふと気配を感じて顔を上げると目の前には鰻重を持ったおばちゃんが立っている。どこで作ってきたのかは全くわからないけれども、作りたてである。食べてみたらあんがいうまい。ただ、付け合わせがキムチ。釈然としないままお金を払って店を出たら夜になっていた。

2009.11.10 mixi 日記より



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