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【鉄道ネタ】成田空港アクセスをめぐるJRと京成の戦い

日本の世界への玄関口といえば成田空港です。
しかし、東京から成田空港までは距離が離れていて、それなりに時間がかかります。

私が自宅から成田空港へ向かう場合は高速バス一択ですが、
一般に東京から鉄道で成田空港へ向かう場合は、
JR東日本の成田エクスプレスか京成のスカイライナーの2つが挙げられるかと思います。
今回の記事はその2つの特急の比較を行いたいと思います。


1.成田エクスプレスの概要

JR東日本HPより

成田エクスプレスはJR東日本により運行され、
成田空港を出発後、
まず、JR成田駅から成田線・総武線本線、千葉駅から総武快速線を経由して東京駅、品川駅へと至ります。
そこからはルートが分かれて、渋谷・新宿へ向かうルートと横浜・大船へ向かうものの2パターンとなります。

レイルラボHPより。
かつては八王子まで運行していましたが、
2024年3月のダイヤ改正で新宿止まりとなりました。

成田エクスプレスのルートは京成スカイライナーと比べて線形がよくなく、総武線を経由してぐるっとまわる形ですが、
首都圏の複数の主要駅まで一本で行けるのが特徴です。

また、成田エクスプレスは外国人向けのフリー切符「ジャパンレールパス」があれば利用できるため、
訪日外国人の利用が多いように思われます。

2.京成スカイライナーの概要

Wikipediaより
京成電鉄HPより

対して、スカイライナーは京成電鉄により運行される特急で、
その特徴はなんといっても都心(日暮里)から成田空港までルートが一直線の線形の良さと、
高規格路線による在来線特急では日本最速の160km/hで走る高速性。
(在来線区間の山形新幹線・秋田新幹線よりも速い。)

私的には使う用事はありませんが、
一回乗ってみたいと思っている特急でございます。

3.成田エクスプレスと京成スカイライナーの比較

3.1 価格面

まず、成田エクスプレスは成田空港~東京間の運賃は通常料金3,470円からで、
対してスカイライナーは成田空港~京成上野で通常料金2,557円から。

両者ともそこからの割引サービスもありますが、
ここでの数字を見る限り、価格面ではスカイライナーに軍配が上がります。

3.2 速達性

成田エクスプレスの場合、成田空港~東京の所要時間は約1時間。
対してスカイライナーは成田空港~京成上野で最速36分。
先に述べた理由により、ここでの数字を見る限りでは
速達性ではスカイライナーの圧勝です。

3.3 広域カバー面

価格面と速達性だけを単純に見ると
両方ともスカイライナーの方が優れており、
都心~成田空港の鉄道アクセスはスカイライナー一択のように思われるかもしれません。

しかし、成田エクスプレスにあってスカイライナーにないもの、
それは先ほど述べた通り、広域カバー性。
成田空港ならば、東京駅、品川、新宿、渋谷、横浜等、
首都圏の主要駅まで乗り換えなしで1本で行けます。
以前の北陸新幹線や踊り子号の記事でも触れましたが、
乗り換えなしで1本で行けるのは心理的に楽です。

対して、スカイライナーの場合は日暮里駅までは約30分で行けますが、
首都圏の各地へ行くには日暮里駅からの乗り換えが必要となります。
乗り換え時間と在来線での移動時間等を加えると、
実は成田エクスプレスとそこまで差がないかもしれません。

3.4 1時間あたりの運行本数

1時間あたりの運行本数については、
両者とも1時間に3本程度といったところ。
本数による利便性では特に差はないといえます。

4. 成田エクスプレスとスカイライナー、結局どっちがいいか?

以上より成田空港へ鉄道で向かうには成田エクスプレスとスカイライナー
どっちを使えばよいのか?
結論からいえば都心側の目的地によるでしょう。
東京駅、品川、渋谷、新宿、横浜へ行きたい場合(そこから乗る場合も含める)は成田エクスプレス、
日暮里周辺や日暮里よりも北へ向かう(そこから乗る)場合はスカイライナー、といった感じになるでしょうか。

また、スカイライナーの場合は最高時速160km/hでの走行。
最高時速160km/hで走行する在来線特急は
北越急行の特急はくたか号亡き今はスカイライナーのみ。
在来線での160km/h走行を味わいたい、
という方はスカイライナーを選んでもよいでしょう。

5.鉄道での成田空港アクセスの将来について

ここからは筆者の妄想も多く含まれますが。

5.1 JR羽田空港アクセス線

https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230404_ho03.pdf

最近の鉄道界隈で上がっている話題としては
まず、こちら。
JR東日本のプレスを見る限り、
目的としては羽田空港とJR東日本各路線(東海道線・東北本線・高崎線・常磐線等)の利便性向上がメインで、
配線の予定をみても成田空港アクセスとはあまり関係ないように見えます。
しかし、羽田空港アクセス線と成田エクスプレスがつながれば、
成田空港~羽田空港のアクセスを開拓できるように思います。

成田空港~羽田空港のアクセスについては、
京成電鉄が都営浅草線・京急線を経由する
アクセス特急を運行していますが、
都営浅草線区間がどうしてもボトルネックとなります。
JRの羽田空港アクセス線と成田エクスプレスがつながれば、
そこでの需要を奪うことができるでしょう。

5.2 都心直結線(都営浅草線短絡新線)

一方、スカイライナーについても、
現在の運行区間は成田空港~京成上野のみですが、
線路は都営浅草線・京急線とつながっていて、
羽田空港や横浜・三浦方面へ行くことが一応可能です。
しかし、先に述べたとおり、現状では都営浅草線区間がボトルネックとなり、
当該区間の高速化は望めず、スカイライナーがそっちの方面へ
乗り入れることはないでしょう。

そんな現状に光を射すのが、都営浅草線のバイパス線の計画。
現在は計画が凍結状態ですが、
仮にもしこのバイパス線が実現すれば、
現在の押上~泉岳寺の高速化が可能となる。
そこへスカイライナーがそこへ乗り入れれば、
京成でも成田から東京駅まで1本で行けるようになり、
成田空港~羽田空港のアクセスも高速化し、
成田から横浜方面の乗客を成田エクスプレスから奪うことも可能でしょう。


現在の世の中は少子化での人口減、更にはコロナショックもあり、
鉄道業界の現在と未来は苦しいと思われます。
道路網の発達による高速バス等の台頭もあります。
なので、数ある新線計画を実現には躊躇う要素が山積みで
なかなか進まないことが予想されます。
しかし、それを上手くやれば新しいシーズを切り開くことができますし、
実現しなくても、自分の頭の中で妄想するのも楽しいです。

でも、私が成田(羽田)空港に行く場合使うのは、
やっぱり高速バス一択かと。

それでは。

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