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長毛の猫になれたらまた会いにいくね

現世はもう諦めた
人の形のまま会いに行くのも諦めた

もうどこが好きかもわからないくせに
自分でも異常だと思うほどの執着だった

彼が悲しんでいても役立たずな自分が本当に嫌だった
何かの役に立てるんじゃないかとオロオロと彼のまわりをまわっているだけの情けなくて卑しい私

スパイスカレーも一緒に行ってあげられない
彼女の住む駅に電車が止まるときに挙動不審になる彼を励ますこともできない
泣いている彼を笑わせてあげることもできない
他の女の子達に会ってしまう彼を止めることもできない

でも、今日した私の行動は、
彼から離れられたことは
きっと彼の役に立つ
…と信じたい

猫になれたらきっともっと役に立てるけど

あなたが現世でしあわせになれることを祈ってる

さよならまたいつか

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