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Travis Japanの海外留学に寄せて


コロナがなければ、2020年、おそらく光の王の後、五輪が終わったあたりにトラジャは留学予定だったのだろう。

ある程度のファンはいても一般層には今ほどの知名度もなく、20代前半〜半ばという時期。実にピッタリの時期だったはずだ。

今思えば、欧米の感染状況とアジア人への風当たりの強さが厳しい時に強引に出さないでくれてよかったと思う。

2021年、+81dance studioプロジェクトが始動し始めたのは3月ごろ。日本では鎮火傾向にあったものの、米国は今より更に、かなりのダメージで先行きが見えなかった。

そんな中、代わりにというわけではないにしろこれからを見据えて始まったプロジェクトは、様々なジャンルの曲を様々なジャンルのダンスで踊る、トラジャのダンス力の基礎力補強の意味合いは強かっただろうし、情熱の行き場がなくなってしまうのを防ぐ意味だってあったのではないか。

前の記事にも書いた事があるが、おそらくプロジェクトの中身自体はトラジャが適任であっても、トラジャじゃなくてはならないわけでも難易度の高い振付けでも良かったのだと思う。


だから今回の留学については、TravisJapanのメンバーからしてみれば、満を持してのタイミングがやっと来た、そういうイメージではないだろうか。

想定外だったのは、ファンの増加と熱量がここ2年程度で爆発的だった、というだけで。

TravisJapanというグループは自他共に認めるダンススキルを武器にするグループだ。メンバーのダンスへの想いも強く、向上心も強ければ、グループの結成から世界を目指すという意識は心のどこかには必ずあっただろう。


そして10年スパンの長期的な視野に立って考えた時、順当に行けばデビューし、活躍を続けて、30代半ばになったTravisJapanのメンバーは何を考えるだろうか。

おそらく、というよりほぼ間違いなく1人や2人は、自費で構わないから仕事を休んででも海外でスキルを磨きたいと言うだろうことは想像に難くない。

その年齢でその決断をする時、辞める、という選択肢が頭に浮か場ないわけはない。

特に、本気で上を目指して、自分の限界までやってみたいと思ったら。

その時辞めないという選択肢を選んだとしても、契約上の日数である2年を迎えた時、同じ選択をするかどうかなんて本人にだってわからない。その頃には40代に近いのだから。

そしてその決断を迫られるのが、複数人であってもおかしくないくらいに、トラジャはみんなパフォーマンスへの意欲が高い事は周知。

バラけてしまわないなんて、言えるわけもない。


今ここで世界を見てくるというのは、TravisJapanが TravisJapanという形を最も長く維持できる可能性が高い選択肢だと、私は思う。

TravisJapanのメンバー自身も「これが自分の力」というより「ファンの愛と行動に結果が今の立ち位置」と考えている様子が窺えるし、ファンの愛と行動に何を返せるか考えてくれているように思う。

ファン内にライトユーザーが少ない今だからこそ、物理的な距離が離れていても出来るだけ密にコンテンツを届ける事で、最小限の離反で済むならと思われたのなら、ファンにとっては淋しく苦しくとも、信頼の証だ。


さらに、だ。

「家を用意してもらって」「ぬいぐるみを連れていくかは、事務所にも相談して」という言葉を聞く限り、渡航費用や最低限の居住地、おそらくダンスやボーカルトレーニングのレッスン代やコンテスト出場費用など、ある程度の費用が事務所持ちだと想像できる。

稼ぎのある日本での仕事を優先することもないのに、IslandTVやJrチャンネル、ブログを続けるということはタレントとしての契約自体は変わらない状態ということで、どう考えても破格の待遇だ。しかも2、3年になるかもしれないという滝沢副社長のコメントは、少なくともその間の契約まで保証している。

他のグループも力を付けている中、留学期間の分からないTravisJapanのために、そのグループにあったデビュー時期を延期する事はない(あったらそれこそ問題)だろうが、会社勤めをしている身としては、こんなに手厚くて良いのかと思ってしまうぐらいだ。

どう考えたって資金は持ち出しにしかならないのに、忙しい副社長自らが時々チェックしにいくとまで言わせるのはなんだろう。

それは、ジャニーズとしての夢だと思う。

ワーナー・ブラザースとの契約まで漕ぎ着け3ヶ月の期間だったところを延長したもののプロモーションフィルムも吹き込みが叶わなかった初代ジャニーズ、デビュー前の約4年間、3か月に1度ほどのペースで海外に渡り、本場のエンターテイメントを学ばせ、ジャニー喜多川元社長に最高傑作と呼ばれた少年隊。


それでも世界中に名前が知られるというところまではあとほんの一歩、手が届かなかった。

世界に通用するエンターテイメントを、というのはTravisJapanの夢でも、滝沢副社長の夢でもなく、ジャニーズ喜多川氏から引き継がれたジャニーズというところに集うものの夢ではないのだろうか。


時々、嵐の二宮和也くん、Hey!Say!JUMPの山田涼介くんらは、そこまで個人的な交流は多くなかったにも関わらず、TravisJapanを応援すると言ってくれるのは、もしかしたらトラビスならば、と期待してくれているのではないかと感じてしまう。

その道は、果てしなく険しく、狭き門だろうが、狭き門より入るほかない。

それをファンからの愛情と声援を受け、目を輝かせて進むとTravis Japanが評価されたのなら、Travis Japanもそのファンも私は誇りに思う。

ジャニーズの夢が「いつか」ではなく、「ちょっと前トラジャがやってたヤツ」と言われる日が来るのを私は今から心待ちにしている。





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