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階段の音に怯えなくなったよ

こちらに足を踏み入れるのは随分久しぶりです。
実母と同居していた時は愚痴を書き、毒抜きの意味で日記を書いていたのが嘘のような穏やかな日々を過ごしています。
階段を下りてくる母の足音にびくびくして『今日は機嫌悪いかな?怒っていないかな?』と身構えることもなくなった。
以前不具合が出ていた耳にはまだ耳鳴りが残っているけれど。

毎日の食事作りが気楽になった。
母が嫌いな食材を使っても大丈夫。
母の好き嫌いを考慮したメニューを別に作る必要も無し。
体調が悪かったり作る気持ちが萎えた日には簡単な献立で済ませてしまっても「美味しいよ」と家族は許してくれる。
外出して遅くなっても母の機嫌が悪くなっていないかと心配しなくてもいい。
こんな何気ない平和がとても嬉しい。

現在は母は高齢者介護施設に入所し、衣食住に問題ない環境で暮らしています。入所当時は介護施設からの電話が鳴る度に心臓がギュッとする気持ちでしたが、最近は連絡があってもまだ気持ちに余裕が持てるようになりました。
今でも外に出て母くらいの年齢の方が歩いている様子を見ると『ああ・・・あんな風に元気にしてくれていたらなぁ』とか『本当に良かったのかな・・・』とチクチクした気持ちになることもありますが。
その度に今の決断で良かったんだ。もうあれ以上の我慢は私の心がもたなかった。そんな風に思って区切りをつけるようにしています。

先日、ようやく介護施設から❝予約なしでの面会OK❞の書面が届き母に会ってきました。誕生日が近いので好きなお菓子と洋服を持って。
予想以上に穏やかな雰囲気でちょっと安心しました。
家に居た時は部屋に籠っててあまり活躍しなかった手押し車も施設では大活躍している様子。
帰り際には「また来てね」との言葉も・・・。

私と母は近くで暮らすべきではなかったなんだなと思う。
そんな親子もあるんだな、と。

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