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「あんたもこの歳になったらわかるよ」

よく母から聞かされた言葉。

母の母、つまり私の母方の祖母は母が20代の時に亡くなった。

朝から頭が痛いと言っていた祖母の言葉をきき、映画の予定を中止しようとした母を祖母は行っておいでと見送ったらしい。

帰ってきたら祖母は亡くなっていた。

私は一目も会ったことがないので人柄を知る由もないが、気の強いタイプの人だったらしい。

末っ子で甘やかされて育った母は突然の祖母の死で大変苦労したらしく、自身が辛い時によく上記のセリフを私に聞かせた。

本来ならば母親から教えてもらうようなことも自分で何とかしなければならなかったという苦労は理解できる。

でも年端も行かない子どもに言っても仕方ないだろうに・・・と思う。

最近は認知症が進んできてパジャマのボタンを掛け違えても気が付かなくなった母。

親の介護をせずに歳を老い、子どもに介護されている。

『それじゃあ、お母さんは私の気持ちわかるの?』と聞きたくなる。

苦労は買ってでもしろというけれど、苦労の押しつけは部活の嫌な習慣を『自分もされたから』と何の疑問もなく下級生にやってしまう人と同じじゃないの?と。自分が体験した嫌な思いを押し付けるのは間違ってない?と。

確かに50代になり体力の衰えを感じ少しなりとも母の気持ちは分かった。

でも自分が聞かされて嫌だった言葉を子どもに使わないようにしている。

苦労や嫌な思い出の押しつけは止めた方がいい。


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