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夏日
温かいを越して暑い。道を歩いているご婦人は日傘をさしている。日焼けが心配になるほどじりじりとしたいいお天気の日。
今日は母の住民票の転移の手続きや何やらで慌ただしい。午前中に住んでいる地域の役所へ行き、午後は電車を乗り継いで母の入所した施設のある役所へと行かなければならない。
転出届の手続きをしていた時、決定的な失敗を発見した。委任状!委任状が1枚しかなかった。慌ててネットで委任状の画像を探してコンビニのコピー機で印刷した。仕事を終えた主人と合流して昼食を簡単にとり、母の施設に電話して母のサインを委任状に貰って欲しいとお願いする。
昨日来たばかりの施設の玄関で何枚かの紙を渡して・・・取りに来るのは明日かな?と思っていたら介護の担当の方はすぐに母のサインをもらって帰ってきてくれた。有難い。
昨日入所したばかりの母はやはりまだまだ落ち着かないらしく、人の目があると大人しくしているらしいが、部屋に帰り一人になると「家に帰らせてもらう」と荷物を持って出て行こうとするらしい。もうここが母の家になるのに。
母らしい。人の目を気にして、それでいて世話をしてくれる人にはわがままをぶつけてくる。介護士さんは「どなたも同じような感じになるので大丈夫ですよ」と笑ってくれた。本当に有難い。
今は本当に本当に母の顔を見たくない。会いたくない。なので介護士さんの言葉が嬉しい。こんなことを考える自分を母はきっと「冷たい娘」とけなすんだろう。でも、冷たい娘でいい。母とはもう暮らせない。時間に怯えて母の顔色を伺って暮らすのはもうたくさんだ。
私達は一緒に居たら不幸になる親子だったんだ・・・そんな気が今はする。母にはきっとこんな気持ちは理解できないんだろうけれど。
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