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占い

朝刊の占いをついつい読んでしまう。

『夢や希望に手が届きそう。子供の頃の夢を思い出して吉。』

・・・子供の頃の夢。絵を描く仕事がしたかった。漫画家とかイラストレーターとか。

一年ダブった高校を卒業する前、美大に行きたいと思っていた。

私の在籍していた学校は大型校だったのでクラスが15もあり、美術の先生は2人以上はいたと思う。その中の1人の先生が私の描くものをとても評価してくれた。

その先生が受け持ってくれた一年生の美術の成績は一年通して10段階評価で10だった。

保護者会か何かの折に母に「美術の勉強をさせてあげてください」と言ってくれるほど評価してくれていた。

嬉しかった。『自分の絵を認めてもらえる人がいる』と。

でも二年生になると違う美術教師になった。丁度、両親の離婚もこの時期だった。テーブル越しに座った父が面と向かって「子どもはいらん!」と言い放ち兄が泣いていたのもこの頃。

10だった評価が9や8になり『あれ?』と、戸惑いが出た。

一年時の美術教師の先生は美術部に入ることも勧めてくれたが、顧問は二年時の先生で絶賛不登校気味だった私には途中入部する気力も勇気もなかった。

結局、私はそのままエスカレーター式に短大に進み、また一年ダブって卒業した。グダグダの極み。学校に通いながらカウンセリングを受けるべきだと思い返せるくらい精神面がグダグダの極み。ずっと通っていた学校が嫌いで、違う場所・違う道に行きたくて仕方がなかった。


でも推薦してもらえると聞いていた美大は京都にあった。

もし気力を振り絞って受験し、奇跡的に受かっていたとしてもはたして通えていたのか疑問。気力はもちろん体力的にも疑問。

それほどエネルギーがあれば登校拒否も克服できていただろうし。


子供の頃の夢は叶えられたかもしれないが、私は心も体も弱すぎた。


《やり直せるとしたらやり直したいか?》

嫌だ。もうあの頃には帰りたくない。人生は一回きりのチャンスで時間は戻らない。ゲームじゃないから後悔もするけれど、苦い想い出を反省点にして次のステップで間違えないように進めばいいと思っているから。

違う道で自分の居場所をみつけたから、今は戻りたいと思わない。

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