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#光害

人工衛星の「光害」は、社会に何をもたらすか 国立天文台・平松正顕さんインタビュー

米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を筆頭に、民間企業による人工衛星の打ち上げが加速度的に増している今、天文学者の間で「光害(ひかりがい)」に懸念の声が高まっている。人工衛星に太陽光が反射して天体望遠鏡に写り込むなどして、天文観測に大きな支障をもたらしかねないとするものだ。 「影響は天文学だけではありません。2030年頃には10万機ぐらいの人工衛星が飛ぶ世界になるでしょう。そうなると私たちが見ている星空が、これまでとは質が違うものになってしまう可能性がある」

「宇宙開発に対して、市民が意見を持たなければいけない」意見の持ち方と、その議論のプロセスとは

各国政府や民間企業が強く推進した結果、宇宙開発事業——いわゆる「宇宙ビジネス」が盛り上がりを見せています。 斬新なビジネスを展開するベンチャー企業の登場や世界のビリオネアがプレイヤーとして参入、大きなムーブメントが生まれつつある……ものの、その「新たな動き」を感じている人はごく一部。「いち市民」の目線に立つと、宇宙開発の話題やそれによってもたらされる変化を身近なものとして感じられないケースがほとんどでは無いでしょうか。 そんな、宇宙開発とは縁遠い人々と専門家との間にあるギ

人工衛星による「光害(ひかりがい)」、天文観測へ深刻な影響 夜空の文化遺産を守るためには

地球から高度200km~1000kmほどの低軌道上に、何百機、何千機もの人工衛星を打ち上げて一体的なサービスを展開する「衛星コンステレーション」ビジネスが、近年盛り上がっています(※参考記事)。世界に大きな市場をもたらすと期待が寄せられる一方で、衛星による「光害(ひかりがい)」を懸念する声も天文学者の間で年々高まっています。 天体観測が阻害されるだけでなく、人類が築いてきた“夜空における文化遺産”が失われるとも指摘される、衛星コンステレーションの「光害」。世界で交わされてい