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2024年5月の記事一覧

【図解コラム】私たちはデジタル情報をどのように電波や光で送っているか

民間企業による人工衛星を使ったビジネスによって、今後10、20年で市場が爆発的に広がると期待されている宇宙産業。さらに人工衛星の通信における媒体が「電波」から「光」へと変わると、地球上ではさらなる高速・大容量・低遅延の通信が実現すると言われています。 以前、IISE noteのコラム記事では「情報通信において電波と光にはそれぞれどんなメリットがあるのか」を紹介しました(記事リンク)。そもそも、私たちは普段スマホやPCで文字や音声、画像に映像と、さまざまなデータを送り合って

スペースXの背景にある米の支援構造 日本社会は宇宙ビジネスをどう支えるか?【『宇宙ベンチャーの時代』著者インタビュー】

世界で宇宙開発競争が激化するなか、2023年に日本政府はJAXAに10年で1兆円規模の「宇宙戦略基金」を設置することを発表した。民間企業や大学に宇宙開発のための資金を支援するもので、国内の宇宙ビジネスの活性化に期待がかかる一方、国内事業者からは「“補助金”で宇宙ビジネス市場が育つのだろうか」と懐疑的な声もあがっている。 宇宙産業においてベンチャー企業がビジネスの軌道に乗るまでには大きなリスクがあり、イーロン・マスク氏率いるスペースXが成長を遂げたのは、NASAによる新しい

OneWeb、Project Kuiper、中国政府……スターリンク以外の衛星コンステレーションの動向

急拡大する宇宙ビジネスの中で特に注目されている「衛星コンステレーション」。一定の軌道上に多数の人工衛星を打ち上げて、一体的に機能させるシステムを指しますが、中でも近年は米Space Xの「Starlink(スターリンク)」を筆頭に、高度200km~2000kmの軌道上に何百、何千、何万機と衛星を打ち上げて連携させる"低軌道・大規模”の衛星コンステレーションを各企業や政府が計画しており、関心が寄せられています。 Starlinkはすでに高度550kmの低軌道に5250機以上

なぜルクセンブルクは世界有数の宇宙ビジネス国家になりえたか

世界最大級の衛星通信企業であるSESが本社を構え、欧州最大規模の宇宙ビジネスカンファレンス「NewSpace Europe」を毎年開催するなど、世界の宇宙ビジネスにおいて大きな存在感を発揮しているルクセンブルク。 世界から宇宙分野の民間企業が70社以上集まっており、NASAから月への貨物輸送を委託されている日本の宇宙ベンチャー・ispaceも、2017年よりヨーロッパの事業開発拠点として同国にオフィスを構えています。 国土面積は神奈川県ほどという小国にもかかわらず、ルクセ

「必要なのは、衛星データが前提の社会デザイン」新しいルール構築に向けた、城戸彩乃さんの仲間づくり

宇宙ビジネスに取り組む企業の増加や衛星データ利活用の推進によって、宇宙産業は今後 より大きな発展が予想されています。そんな中で、将来的に宇宙ビジネスをより大きく育てていくため、携わる企業や人にとってはどういった取り組みが必要になるのでしょうか。 自身を「技術の翻訳者兼プレイヤー」とし、企業と連携した宇宙テクノロジーの社会実装に取り組んでいるのが、株式会社sorano me代表の城戸彩乃さん。同社は主に宇宙産業に関する業務支援やコンサルティングを行い、宇宙技術の利活用を考える