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2023年12月の記事一覧

米国NASAで導入が進む政府からのアプローチ アンカーテナンシーとは?

宇宙開発技術を発展させる手段として、アメリカ航空宇宙局(NASA)が導入した「アンカーテナンシー」。アンカーテナンシーとは、「政府が民間企業の開発した製品およびサービスを継続発注および調達という形で購入する契約」のことを指します。 主に宇宙ビジネスで使用され、日本ではあまり浸透していない概念です。本記事では、アンカーテナンシーの特徴とその効用、実例について解説します。 アンカーテナンシーとは? アンカーテナンシーとは、政府と民間企業との間で交わされる「企業が開発した製品・

人員削減や港湾の渋滞緩和…日本郵船に聞く海運業界の課題とニーズ〜宇宙は社会課題を解決するのか#1〜

気候変動や自然災害、少子高齢化……。 私たちが直面している社会課題の解決策のひとつとして「宇宙空間」の活用が注目されています。 このシリーズでは、グローバルに活躍する様々な業界・業種の皆さんとNECの独立シンクタンク・国際社会経済研究所(IISE)の理事を務める野口聡一さん、NECフェローの三好弘晃さんとの対談を通じて、宇宙利用の可能性を探っていきます。 第1弾となる今回は、洋上からロケットを打ち上げる事業構想を立ち上げた、日本郵船 株式会社 イノベーション推進グルー

【図解コラム】通信における「電波」と「光」の違いは? それぞれの長所と短所

民間企業による人工衛星の打ち上げが急増し、これから10、20年で市場が爆発的に広がると期待されている宇宙産業。現在、人工衛星の通信には主に「電波」が使われていますが、近い将来「光」も多くの通信で用いられるようになると、さらなる高速・大容量・低遅延の通信が実現すると言われています。 私たちは普段、音声や画像、映像などさまざまなデータをスマホやPCで送り合っていますが、この通信にも電波や光が使われています。光回線、光ファイバーといった単語には聞き馴染みがあっても、なぜ光のほうが

「宇宙開発に対して、市民が意見を持たなければいけない」意見の持ち方と、その議論のプロセスとは

各国政府や民間企業が強く推進した結果、宇宙開発事業——いわゆる「宇宙ビジネス」が盛り上がりを見せています。 斬新なビジネスを展開するベンチャー企業の登場や世界のビリオネアがプレイヤーとして参入、大きなムーブメントが生まれつつある……ものの、その「新たな動き」を感じている人はごく一部。「いち市民」の目線に立つと、宇宙開発の話題やそれによってもたらされる変化を身近なものとして感じられないケースがほとんどでは無いでしょうか。 そんな、宇宙開発とは縁遠い人々と専門家との間にあるギ

技術の社会実装には“目標の革新”が必要だ〜宇宙は社会課題を解決するのか〜

気候変動や自然災害、少子高齢化……。 私たちが直面している社会課題を解決策のひとつとして「宇宙技術」が注目されています。 このシリーズでは、NECの独立シンクタンク・国際社会経済研究所(IISE)の理事を務める野口聡一さんとNECフェローの三好弘晃さんと、グローバルに活躍する様々な業界・業種の皆さんとの対談を通じて、宇宙利用の可能性を探っていきます。 今回は第0弾として、野口さんと三好さんに、IISEとNECが宇宙ビジネスに注目している理由や対談企業に聞いてみたいことなど