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クリープハイプとの思い出




クリープハイプとの思い出を書ける機会が与えられた。
とても嬉しい。
ありがとうございます。


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クリープハイプとの出会い

私がクリープハイプに出会ったのは2019年3月、大学1年が終わる春休み。
  
  大学が春休みに突入するタイミングで、1年間授業が同じだった男子から急に遊びに誘われた。話したこともなかったのに。
  私はとても嬉しくて、ばっちりお洒落をして出かけた。彼は遠くから車で迎えにきてくれて、大人な感じがしてとてもドキドキしたのを覚えている。
  車の中では色んな曲を流してくれた。彼はバンドが好きで、色々なバンドを教えてくれた。当時私は全く違うジャンルの音楽を聴いていたので新しい世界が広がって嬉しかった。
  一回遊んで好きになってしまい、それから週に2、3回のペースで会った。
  何回か遊んだ日の帰り際、夜の駐車場。私は帰りたくなかった。しかし、そんな事も言えずに「帰ろっか」と強がった。
  
  そしたら彼が一言、「ねえ聞いて。」
私はドキッとしたが冷静を装い「なに?」と言った。すると彼が曲を流し始めた。私は「誰の曲?」と聞くと「クリープハイプだよ。」と教えてくれた。
  そして彼が、私の顔を覗き込んで「はいこれ。」と言ってスマホの画面をこちらに見せてきた。
  そこにはApple Musicの歌詞画面。今流れている所の歌詞が浮かび上がる。その時に車のスピーカーから聴こえてきたのは、
 
「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」

  私は嬉しさと驚きで顔が熱くなり、心臓がぎゅっとなった。
  しかし私は本当に情けなかった。「いい曲だね。」と誤魔化してしまったのだ。

  その後、彼とは何も無く、春休みが終わる前に終わってしまった。
  私はそれから彼との思い出を思い出すように「栞」を何度も何度も聴いた。
  今では彼との思い出というよりも、”大好きなクリープの曲”という印象が強い。でも今またnoteを書きながら思い出した。
  クリープハイプに出会わせてくれてありがとう。


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大学時代、卒業、無職

  大学時代は、あの彼の影響で色々なバンドの曲を聴いた。フェスやライブにも足を運ぶようになった。聴いていた曲の中にはもちろんクリープハイプの曲もあった。特にお気に入りだったのは「二十九、三十」。でもその頃はまだ、今ほど熱狂的なファンではなかった。
  
  私は大学に入ってからバイトを始めた。私は本当にポンコツで全く仕事ができなかった。虫けらみたいに。   どのバイト先でも嫌われて、すぐやめた。4年間で9つのバイト先をやめた。
  なので大学を卒業して就職するのが本当に怖かった。
  
  就活。当然一つも通らない。「就職やばい」と言いながら内定を獲得していく彼氏や友達。どんどん周りと差が開いていった。彼氏、友達、社会、全てが敵に見えた。もうどうでもいいやと卒業間近で正社員の道を諦めた。
  そして新卒の契約社員として入社した。すぐに耐えられなくなって3ヶ月で退職。ニートになった。


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クリープハイプとの再会

  ニートになって毎日ふらふらしていた。暇で暇で辛かった。
  一緒に就活をした彼氏に「就活上手くいって、働けていいな。」と言ったら「いや、俺は毎日大変だよ。忙しすぎる。」と言われ、大泣きした日もあった。スーツで歩く爽やかな人間を見る度に舌打ちして目を逸らした。

  その日は本屋をふらふらしていた。やることが無さすぎる、今日という日も早く終われ、と思いながら歩いていた。
  その時、ある文字の並びが視界に入ってきた。

『泣きたくなるほど嬉しい日々に』尾崎世界観

  私はこの時、このタイトルのアルバムがあることや「泣き笑い」という曲を知らなかった。ただ、この言葉がその時の私に奥まで刺さり、なぜかその場で涙が出た。私はすぐにレジに持って行き、この本を買った。
  まず「やる事をくれてありがとう。尾崎世界観。」と思った。そして読みながらたくさん泣いた。心に残った言葉をたくさん手帳に書いた。
  この時に、「尾崎さんの書く文章って無意識のうちに感じてる感情まで言語化されていて面白い。」と思い、それから尾崎さんの書いた本を毎日読み漁った。やる事だけでなく、本を読む習慣がなかった私に、本を読む習慣まで与えてくれた。『苦渋200%』では尾崎さんの「やることがあるのはこのうえない幸せ」という文章に救われた。私は”忙しい”よりも、”やる事がない”の方が圧倒的に辛かったから。当時付き合ってた彼氏はわかってくれなかったことも尾崎さんはわかってくれた。


                  
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フェスで初めてクリープハイプを見る

  尾崎さんの本を読み始めて1ヶ月ほど経った頃、クリープハイプも来るフェスに行った。(treasure)私は初めて生で見るクリープハイプはどんな感じなのだろうと胸を躍らせて会場に行った。
  ステージに4人が登場し、会場が熱気に包まれた。私は「私を救ってくれた尾崎さんが目の前にいる。」と思った瞬間に涙が出た。本を読んで尾崎さんの過去を少しだけ知ったから、今こうやってステージで歌っている姿が本当にかっこよくて眩しかった。
  そして、私もまだ間に合う。何か始めよう。と生きる希望が持てた。帰りの電車で太客倶楽部に入会した。

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それから

  それからの毎日はクリープハイプに支えられて生きている。ちょっと弾いては飽きてを繰り返していたギターもちゃんと始めて、本もたくさん読むようになった。私はすっかり元気になった。クリープハイプがいなかったら私はまだ憂鬱から抜け出せていなかった。
  何かやらなきゃと思ってYouTubeを始めた。そのことをクリープハイプのラジオで読んでもらえた。その時にカオナシさんが「すごい」と言ってくださった事が本当に嬉しかった。
  今年に入ってからはライブハウスツアー「感情なんかぶっ飛ばして」@Zepp Nagoya、アリーナツアー「本当なんてぶっ飛ばしてよ」に行く事ができた。ライブに行く度に頑張ろうと思わせてくれる。クリープハイプを好きになれて本当に良かった。


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  本当にありがとうございます。4人のおかげで自分のペースで頑張って生きられるようになりました。
  今年のクリープハイプの日、私が住んでる名古屋で開催される事がとても嬉しいです。
  これからもずっと大好きです。

#だからそれはクリープハイプ

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