【遊戯王OCG】2024年7月版・粛声の基本展開や小テクなどの調べたことまとめ
0.YMDの粛声に興味を持って本記事を閲覧する人へ
※8/29 本セクション追記
粛声についてはより読みやすい記事があるので、本記事よりもそちらを参照してほしい。
こちらの記事についてはボカロやネットミームのネタを楽しく交えつつもグラフィカルな図示が成されており、本記事よりもより初学者に向くだろう。もちろん、初学者向けだからといって内容が不足しているというわけでもない。
こちらの記事はマスターデュエルにおいて成立したアナコンダ+烙印融合入りの粛声に関する記事。自分も愛用している。
ヴェルデ・アナコンダは紙の環境では禁止されていることもあり、「粛声に興味はあるがYMDは全然やったことないorこれを期に復帰する」という人にとってはこちらの記事がより適切だろう。
1.対象読者・前提
・粛声を使ってみたいが何から学んでいいかわからない人上記に該当する人は前述した記事を参照してほしい。
・実績を残した人のnoteや記事を読む前に粛声への理解を深めておきたい人
以下の記事は既読者が再度参照するため・もしくは上記記事でもまだ足りず、読み物として別作者からの粛声の解説を見たいという人のためにアーカイブとして残しておく。
本記事においてはマッチアップやサイドプランについては基本的に記載しないものとする。というか僕が知りたい。
また、カード個別の画像は貼らないので遊戯王公式のデータベースやニューロンなどを活用の上、適宜正しいテキストを参照しながら読み進めてほしい。
本記事の大半の内容は𝐈𝐍𝐅𝐈𝐍𝐈𝐓𝐄 𝐅𝐎𝐑𝐁𝐈𝐃𝐃𝐄𝐍発売前、4月ごろに書かれているが、𝐈𝐍𝐅𝐈𝐍𝐈𝐓𝐄 𝐅𝐎𝐑𝐁𝐈𝐃𝐃𝐄𝐍の新規カードである《粛声のガーディアン》は採用されないのがメジャーであり、他カードも採用されるのが一般的ではないこと、2024/7改定は粛声にとってはほとんど影響のない改定であったことから、展開ルートや個々のカードの役割については2024/7においても変化はないものと思われる。
しかしながら汎用の枚数や内訳の選択、環境上の要請によるプレイングの変化については十分にありうるので、本記事はあくまで粛声の基本を抑えることと割り切っていただいて、最新の情報については各自キャッチアップを行って欲しい。
2.筆者実績
ない。友達と遊ぶ程度。よって、以下記事は客観的な信憑性という意味ではほとんどないものとしてよい。
内容を大きく間違えていることはないとは思うが、細かい部分では誤りや勘違いが含まれる可能性が大いにありうる。
あくまで基本的な事項の確認やベースの知識として扱っていただいて、より細かい部分については各自の研究や実績を残した人間の記事を参考にしてほしい。
3.サンプルリスト
天底の使徒やオッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴンなど、採用の別れるカードについては詳細には解説しない。
初学者が扱いきれる内容ではないということもあるし、特に天底の使徒についてはミラーが増えることが予想される24/04環境では採用が難しいと考えていることもある。
(2024/7/8 追記)
今月頭にS:Pリトルナイトが制限になっていたのでこれを1枚にする必要がある。
超融合+ドロゴン+ガルーラを取るとか、転生炎獣アルミラージを入れるとか、いっそ別に好きなカードを適当に入れておくなり14枚で遊ぶのもいいだろう。
粛声の構築の部分にとって大きな影響のある変更ではないため動きを覚える・遊び始める段階では個人的な肌感覚で言えばどうでもいいが、完成度の高い75枚のコピーから始めたいという各位のために(俺もそうなので)直近の7月改定環境における入賞リストを紹介する。
ガルーラも再録で安くなったことだし、細かい差分を自力で調整できるようになるまで・もしくは調整する気がないのであればこちらのコピーを使うのもよいだろう。(余談だけど別に大会出たり上手になったりするだけがTCGじゃないのでこういうリストを完コピで遊ぶ楽しみ方も十分に素敵なものだと思っています。ガーディアンかっこいいからちょっと組んでみたいとか、あるよね)
今筆者はストレージからレッド・リブートを探しています。最後に使ったのいつだっけなあ!
3.デッキ解説
最終盤面として《粛声の祈り手ロー》+《粛声なる守護者ローガーディアン》+《粛声なる結界》を目指し、対象耐性を持ったローガーディアンによる万能無効1回を構える先行向けのデッキである。
これだけだとさほど強くなさそうであるが、墓地に《粛声なる祈り》を置いておくことにより事実上の破壊耐性が付いたり、カードの引きによって《粛声なる祝福》や《粛声なる威光》、《古聖戴サウラヴィス》が盤面に追加されたりする。
デッキに入っているカードのうち、展開に関係するカードはそのまま盤面強度を高める結果に繋がりやすく、そうでないカードは手札誘発で固まっているので結局のところ妨害としてカウントできることになりやすい。
手札を妨害数に変換することが極めて効率的に行えるデッキと捉えるとデッキの強みがわかりやすい……かも?
《粛声の祈り手ロー》+《粛声なる守護者ローガーディアン》+《粛声なる結界》だけならなんとでもなるが、「手札誘発を潜り抜けながら」「破壊耐性もあり」「祝福や威光まである」という状態を突破するのは難しく、最終盤面の見た目の貧弱からは想像しにくい要求値の盤面を作り出すことができるのが魅力。
5.展開ルートなど解説
通常は個別のカードの解説が先にあるべきであるが、粛声に限っては組み合わせ初動が複雑なこと、盤面に置くと妨害になるカードが多様なことから、なんとなく最終盤面をイメージしながら引いたカードで誘発の踏み方や展開を都度考えるほうが有効であるように感じる。
そのため大雑把に妨害となりうるカードを先に全て説明することで、各カードの個別の機能を理解する助けとなることを期待する。
■最終盤面
《粛声の祈り手ロー》+《粛声なる守護者ローガーディアン》が最優先。ここまでで万能無効1発。
他優先度が高い状況として
・《粛声なる結界》を盤面に追加(対象耐性)
・墓地に《粛声なる祈り》を置く(疑似的な破壊耐性)
ここまでは自然に達成しやすい。引き次第で
・《粛声なる祝福》を追加(追加の儀式権)
・《粛声なる威光》を追加(サウラヴィスのSS or フリーチェーンのカード破壊)
・場に《古聖戴サウラヴィス》を追加(チェーンに乗らない特殊召喚の無効化)
を盤面に追加する。
■基本の動き
上述の通り、各種カードの関連が深く、初手に存在するカードによってデッキのカードに非常に触りやすい構成な他、組み合わせそのものが膨大なので展開ルートをルート単位で丸暗記するのはあまり現実的ではない。
よって、「誘発に脆い1枚初動」「誘発に耐性が付く組み合わせ初動」の中から特に代表的な動きを紹介することで、展開ルートを考える助けになることを期待する。
・ロー1枚初動
ロー以外本当に何もないときに選択。
1.《粛声の祈り手ロー》を通常召喚、効果で《粛声なる結界》をサーチ
2.《粛声なる結界》で《粛声の竜賢姫サフィラ》をサーチ
3.《粛声の竜賢姫サフィラ》の手札の効果で《粛声なる守護者ローガーディアン》をサーチ
4.《粛声の竜賢姫サフィラ》の墓地の効果で《粛声なる守護者ローガーディアン》を儀式召喚
4番でフィールドのローをコストにするとDDクロウやビーステッドへの耐性と引き換えにローが自己蘇生するので儀式のリリース素材をほかに用意する必要がなくなる。
また、このルートは最終的に《粛声なる守護者ローガーディアン》のサーチが余る……が、モンスターしか持ってこれないため、ここから伸ばすには追加のリソースが相当量必要。
・先にローガーディアンを儀式召喚する組み合わせ初動パターン
ローがないけどそれ以外全部あるときに選択。
初手への要求値はガーディアン+儀式可能なカード+儀式のコスト。
1.儀式召喚可能なカードで《粛声なる守護者ローガーディアン》を儀式召喚
2.《粛声なる守護者ローガーディアン》の効果で《粛声の祈り手ロー》をサーチ
3.《粛声の祈り手ロー》を通常召喚
これでも揃う。1.のタイミングで儀式召喚のコストを捻出する必要があることに留意。
《粛声の祈り手ロー》のサーチが余る。魔法罠が置けるので《粛声なる結界》未使用ならここを経由してモンスターサーチにもすり替えられる。
ローガーディアンにヴェーラー・無限が当たると最悪の場合妨害がなくなってしまうが、代わりに《DDクロウ》などを避けられる。
・先にロー出して誘発とかいろいろケアするルート
最終的な要求値はロー+結界+ガーディアン+儀式可能なカード+リリースコストだが、ローの効果が通ればリリースコスト以外は全部ハンドに加わるので見た目よりは要求値は低い。
1.場に《粛声の祈り手ロー》と《粛声なる結界》を揃える
2.《粛声なる守護者ローガーディアン》を場のローを使わずに儀式召喚。このローガーディアンの特殊召喚成功時効果に対して無効が飛んできてもローガーディアンの無効効果が使用可能。
これ単体では上記とあまり差分がないが、何かの事情でローを既に握っている場合はローやローガーディアンへ無効系の手札誘発が当たる状況へのケアが可能。
6.採用カード解説
誘発や壺などは語ることがあまりにもないため割愛。壺を引いて撃たないことはまずないし、誘発はデッキ内の事情よりも相手のデッキの止めどころの理解をするほうが大切なはず。
・《粛声の祈り手ロー》
乙女の機知担当。
最終盤面に置く必要がある他、儀式のリリースコストを(自己蘇生と合わせて実質的に)代替する効果を持つ。
NSの効果が通れば結界経由で全てが揃うが、この効果へ泡やヴェーラーが刺さると止まるのがネック。
逆に言えば結界か、結界で持ってくる先を既に持っているなら泡とヴェーラーが刺さっても問題ないので強気にNSできる。
サーチ効果そのものは引きによっては力点たりえないものの、場に置くためのNSの権利が一回しかないことは展開ルートの選択上重い制約であり、それをサーチの権利に割くのは危険であることには留意したい。
一見すると先に場に置いてリリースコストにして……という動きをしたくなるが、墓地を経由すると各種墓地対策が刺さるため基本はカードが足りない場合のルートと割り切って、リリースコストは別で確保したほうが特にサイドボード後のゲームではよいと思われる。
現行の「粛声」ネームの中では唯一モンスター側から永続魔法・永続罠を探すことができる。そのため永続側が足りていない場合は慎重に通す努力をしたい。
例えばガーディアンを先に儀式召喚し、手札からNSするルートではローへの妨害はガーディアンの無効効果でキックできるため多少は安全にカードを持ってこれる。
・《粛声なる守護者ローガーディアン》
騎士の奮戦担当。最終盤面に置く必要がある。
こちらのサーチ効果を使ってローを持ってきてNSでも最終盤面は一緒、というのがこのデッキの誘発耐性(およびルートの複雑化)に寄与している。
サーチ範囲が妙に渋く、モンスターしか引っ張れない。
粛声の原則として魔法罠はモンスターに触れるがその逆はローのNS・SS時のみ。さらに、モンスターは手札に単体でいてもほとんど妨害の追加にならない。
例外は《古聖戴サウラヴィス》だがローガーディアン+ロー+結界が揃っていると結界効果が既に適用されているためまともに妨害として機能することはまずない。
よって、サーチが余った場合は《粛声の竜賢姫サフィラ》を探し、次のターンに備えるのが基本となる。何らかの事情でサフィラが要らない時にのみ考えるようにするほうが楽だろう。
余談だが4100になるほうの効果はローが墓地にいてもよい。ローの蘇生に妨害を貰ってしまった場合稀に発生するが、単にローがいると打点が倍と覚えているとすっぽ抜けるので注意したい(1敗)
・《粛声の竜賢姫サフィラ》
だいたい《儀式の下準備》。このカードに限らないが、粛声のカードの大半は効果が通ると1枚が2枚になるカードばかりである。
場に出ることはなく、レベル6のため単体で儀式コストも満たせないことから、モンスターであることを活用することはほぼない……が、「サフィラ2枚」「祈りを素引き」「場にヴェーラーを食らった《宣告者の神巫》」などでリリースする機会がゼロではない。とはいえ重箱の隅の話ではある。
サーチも重要だが、墓地に《粛声なる祈り》を落とす貴重な手段である。これ以外では素引きで打つか、よほどサーチが余った場合に結界で持ってくるくらいしかない。
また、これ自身を墓地に落とせないと儀式に繋がらない。どちらも誘発ケアを考える上では重要なファクターである。
ほかに祈りを落とすアテがない時はうららを食らわないように他のサーチを先撃ちする・サイド後にドロールをケアする場合は逆にこちらを先撃ちすることで手札に居座って撃ち損ねる状況を防ぐと、細かいサーチ順の差で大きな損失を生まないようにしたい。
儀式効果についてはあまり注意することはないが、強いて言うならサフィラの効果は光属性がコストでなくてもよい。(というか、祈りだけ素材も光を指定していて厳しい)
非常に稀だが余った手札誘発などをリリースする際は《粛声なる祈り》のほうではダメなのだけは忘れないでおきたい。
・《粛声の竜賢聖サウラヴィス》
レベル7の光なので単体で儀式素材。場に出ることは稀。
一見してSSは容易なように見えるが、墓地の《粛声なる祈り》は1枚は置いておきたいこと、テーマ内の魔法は永続のみのため通常魔法はテーマ外のカードを戻す必要があることの2点から先手番で場に出ることは多くない。
どちらかと言えばロングゲームになったときに墓地に《粛声なる祈り》を2枚置いてしまったせいで《粛声の竜賢姫サフィラ》が使えなくて困った場合や、先手の展開で「サフィラは使った」「それはそれとして引いていた儀式を手打ちした」場合などで墓地に2枚の儀式がある場合に回収目的で出すイメージ。
もしくはローで置いた威光から特殊召喚しておくイメージ。
大抵持ってくるのは《古聖戴サウラヴィス》である。あちらもこちらも効果の発動時は手札に帰ってくるため、《粛声なる祝福》などで相手ターン中に戻ってきた《古聖戴サウラヴィス》の再儀式召喚を狙うことができるのは忘れないようにしたい。
・《古聖戴サウラヴィス》
レベル7の光なので単体で儀式素材。
泡・ヴェーラーに対する対処札としての仕事が大きいため、サーチが余った時は持ってきておくと多少安心。
ただ、余程リソースが余らなければ場に出ることはない。これを出すために展開ルートを大きく歪めてGやうらら、クロウなどで展開が止まるのはあまりにもナンセンスなため場に出さない前提くらいでいったん考えてもよいはず。
出たらさすがに強い。
・《宣告者の神巫》+《トリアス・ヒエラルキア》
遠目に見てロー。トリアス・ヒエラルキアは単体で儀式素材。
《宣告者の神巫》はレベル上昇効果で儀式素材になりそうに見えるが、ヒエラルキアを落とした場合はヒエラルキアでリリースされるため使わず、《虹光の宣告者》を落とした場合はレベル6なので1足りない。
《宣告者の神巫》NS→《トリアス・ヒエラルキア》を墓地へ→《トリアス・ヒエラルキア》を《宣告者の神巫》をコストにSS→《宣告者の神巫》の効果でローをリクルート、の手順で実質的にNSからローを場に出せる。
ただしこのルートは誘発が全面的に重い。とはいえ貴重な追加の初動なので……。
上記ルートの場合、《トリアス・ヒエラルキア》はどうせ余るので儀式のコストにしてしまうのが後腐れがない。
儀式を素引きしているなどの理由で《トリアス・ヒエラルキア》を落としてレベルの上昇したディヴァイナーを直接リリースできる場合はこの限りではないこともある。
「実質的にロー」という部分以外は先手展開についてはあまり語ることはないが、以下の小テクは覚えておきたい。
①《宣告者の神巫》でヌトスを落とす
わざわざ書くまでもないことではあるがヌトスを落とせば除去。これそのものが通ることはまずないが、これがチラつくと相手も無効を切らざるを得ない……という状況を利用できそうなら狙っていきたい。
②《宣告者の神巫》で《虹光の宣告者》を落とす
わざわざ書くまでもないことではあるがヒエラルキアを素で引いてしまってもローガーディアンは持ってこれる。
③《トリアス・ヒエラルキア》で泡やヴェーラーを避ける
SS効果はクイックエフェクト可なので素引きしていると泡やヴェーラーに対応してリリースすることで避けられる。リリースは天使ならなんでもいいのでローでも同じことができる。
④《トリアス・ヒエラルキア》の2枚リリースで相手の盤面を割る
本当に泥仕合になったときくらいしか発生しないが100戦に1回くらいは使うだろう。
・《粛声なる結界》
最終盤面に置く必要がある。
「粛声」全てに触ることができるサーチなので最強のワイルドカードである他、返しのターンまで残れば追加のリソースも兼ねる。
あえて書くほどのことではないが、とにかくこれが一番強いワイルドカードなのでこれで持ってくる先は一番足りないカードにしたい。特に永続に触れるのはこれとローだけ。
・《粛声なる祝福》
特殊だが儀式札。
稀だが、ガーディアン+祝福+儀式コスト+NS可能な生物の手札の時に祝福を置いてNSするとガーディアンが儀式召喚できる。
また、結界+ローガーディアンを別途用意する前提ではあるが、
1.ローNS 祝福を置いてリンクリボ―に変換
2.祝福でローを回収
3.リンクリボ―をセキュア・ガードナーに変換
4.祝福の効果でガーディアンを儀式召喚+ロー蘇生
の手順を踏むことでうらら・ドロールを完全に回避することができる。儀式素材がロー以外にあればセキュアガードナーを出さない(ローを回収しない)ルートもありうる。
回収効果は先行の展開過程で展開を伸ばすための行動として見ると余らせがちになるが、先行1ターン目でもサフィラを手札に戻して次のターンに備える、2ターン目なら使い切った《粛声なる威光》の回収、効果を使用して追放された《粛声なる祈り》の回収など、維持することによるリソースの確保が非常に強力。
またこれを先行展開で置いておき、更に手札に《古聖戴サウラヴィス》+儀式素材があれば相手の召喚をトリガーとして《古聖戴サウラヴィス》が儀式召喚できる。頻発するため覚えておきたい。
また何らかの事情で先行展開に失敗した場合でも、相手ターン中に粛声経由でローガーディアンを儀式召喚できればローの蘇生から結局盤面を作れるなど、相手ターン中の儀式召喚は思ったより異様なことが起きがちなので見落とさない・諦めないようにしたい。
戦闘耐性付与も無視できない。ミラーで撲殺されなくなるのは当然として、祝福経由のモンスターは守備で出しておけば戦闘ダメージを大きく減らすことができる。
相手ターン中に儀式召喚という挙動は使ってる側も使われている側もわかりにくいカードなので最大限悪用したい。
・《粛声なる威光》
追加の妨害札。
展開中に使うにはローで置く必要がある上、SS効果を活用するためには墓地に儀式モンスターか儀式魔法が必要。
儀式魔法は墓地に置いておきたいので実質的には儀式素材を儀式モンスターで賄った時かつローのリクルート効果が余った時にだけ追加で《粛声の竜賢聖サウラヴィス》≒相手ターン中《古聖戴サウラヴィス》がSSできる効果と認識しておいて大差ない。
破壊効果は利便性が高いものの、失ってしまうと《粛声なる祝福》の回収をここに使う必要があるため若干以後の動きが窮屈になる。
・《粛声なる祈り》
儀式魔法だが主な仕事は墓地効果をチラつかせること。
落とす手段は素キャストとサフィラのみであるわりに墓地にいてほしい頻度が高い(威光やサウラヴィスのコストになるため)。
しかし2枚目に触る手段が実質的に《儀式の下準備》のみ……と、1枚はサフィラで触れるが2枚目に触りたいときやサフィラが止まった時に苦しくなりがちなカード。
そのため儀式魔法の割に素引きした場合は(多くは誘発を踏むリスクと引き換えだが)展開を伸ばす大きなチャンスでもあり、そこそこ嬉しい。
祈りに限らず、ヒエラルキアのような一見要らなそうなカードを素引きしても案外仕事があるのでそこを上手に悪用できると展開ルートが伸びたり何かをケアしたりできる。
なお、素キャストに関しては地味にリリース元に光属性を要求している。サイドから投入したビーステッドや余り散らかした誘発+ディヴァイナーを素材にしたいパターンで困りうるので覚えておきたい。
・《儀式の下準備》
おおむねサフィラ。サフィラと違いうららを踏むと完全に虚無だが、サフィラとの引き被りで祈り本体を持ってこれることが嬉しいパターンがあり一応は相互互換。
6.5 エクストラのカード解説(04/24追記)
役割とか使い方とかの小ネタなど。なお、粛声のエクストラはエクストラに依存しないくせに枠争いが非常に激しい。
というのも壺で飛ぶので優先度が高いカードは複数枚積みたく、エクストラを普段使わないということは逆にエクストラに触るときは何か特定の状況やデッキに対して強く出られるカードであってほしいということなので、雑に入れることが許されず厳選しなければならない。
このことから現状の構築におけるエクストラは必ずしも最適解ではないと思われるため、各自調整でいい感じにして欲しい。
・《厄災の星ティ・フォン》
雑な捲り札として。また、粛声テーマ内では除去に乏しいため、除去が必要な時の選択肢として。
返しのターンが貧弱すぎるのであまり出すべきではないが、相手がリソースを使い切ったタイミングで出すかもしれないので一応採用している。
・《旧神ヌトス》
《宣告者の神巫》用。使うことは基本的にないが、天底型のミラー相手が先手で《教導の大神祇官》をパなして来た時に裏目を踏ませる手段がないとムカつくので採用している。
・《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》
《宣告者の神巫》→《トリアス・ヒエラルキア》を落として特殊召喚→《粛声の祈り手ロー》をリクルート、とするとロー+ヒエラルキアで出せる。
たまに罪宝スネークアイがこれを突破できなくて困ってくれたりする他、貴重な魔法罠に触る手段。
というか粛声側が全然除去に触れないので、エクストラのほとんどは除去に使う枠である。
・《虹光の宣告者》
《宣告者の神巫》用。今からでも攻撃力1500になりませんかね。
《トリアス・ヒエラルキア》を素引きしているシーン以外で落とすことはないので別に2でなくともよいが、1にしたら壺で飛んで困ったのでムカついて2にしている。
稀にだがロー+うららで4シンクロで出すこともある。諸々の誘発が重いが一考の余地はある。
・《リンクリボー》+《セキュア・ガードナー》
7の小ネタの中で細かく紹介している。ローをリンクリボーにして祝福でローを拾ってセキュア・ガードナーにして祝福で儀式召喚する用。
・《サクリファイス・アニマ》
せっかくローがレベル1なので。
リンクマーカーが正面を向いているタイプの相手には狙っていきたい。
・《S:Pリトルナイト》
稀に相手の墓地の咎姫をどうしても飛ばしたいなどの要求がある時に出すことがあるのと、除去した後に盤面に残しても一応妨害という観点から厚めに取っている。2024/7改定で制限になった。0にする理由も見当たらないので1枚は入り続けるだろう。除去で妨害だし。
・《大儺主水》
儀式モンスターなんて誰も真面目に使えなかっただけで、使えるなら効果そのものは破格ではある。後手捲りでは出すことが多い。
出した後ロー+ガーディアンに戻った上でローが永続を貼るので強いように思えるが、墓地を経由するのは様々なメタカードを食らいがちなので除去が必要ないときに追加の展開として出すことはまずない。
テキストの読み上げになってしまうが、SS成功時の除去効果は自分の墓地の儀式モンスターをコストとして要求するのを慣れないうちは見落とす。
「だいたいリトルナイト効果でリリースすると儀式+ローが返ってくる」という雑な覚え方をすると蘇生したいはずの儀式モンスターをデッキに戻す羽目になるので蘇生先以外に儀式モンスターが墓地に落ちていることをしっかり確認してから出したい。
・《照耀の光霊使いライナ》
ミラーで相手のローやローガーディアンを窃盗すると気持ちよくなれるので採用している。強いかは……強いかな……多分強いと思う。
どうでもいいがローは守備力は2050あるためライナからサーチできない。
・《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》
ペンデュラムグラフから出せる中でまともっぽいオッドアイズ。なお、ペンデュラムグラフは儀式召喚以外でSS不可な上メテオバースト自身もタイミングを逃すため、①のテキストは存在しないものとして扱ってよい。
《覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン》でも別に構わないが、あちらもどうせ相手ターン中はバニラなので天盃龍を見れる気がしないこともないメテオバーストを優先している。
バトルフェイズ中の効果無効がどうでもいいならウィングドラゴンのほうが諸々強いので、ペンデュラムグラフからたまに出るだけのカードに2000円強を払えるのであればそちらでもいいだろう。
筆者はサイド後かつ先手の時にしかペンデュラムグラフを採用しないのでどうでもいいなと思って安い方にしている。
7.書ききらなかった小ネタなど
■誘発の踏み方
基本的に素引きのローを手札に残し、最後にNSすることでほとんどの誘発を避けられる。
蘇生はGを重く受けること・環境上粛声が強く見られている場合にはメインからでさえDDクロウ、サイドからはビーステッドが飛んでくることからあくまで下振れを受けるための効果だと割り切り、極力ローを手札に残す。
また、(壺は使用順序を選べないので例外的ではあるが)うららを貰っても困らないカードから先に使うことでうららを安く受けられないかを検討する。
分かりやすい例で言えば《宣告者の神巫》へのうららはたいていの場合かなり悲惨なことになるため後回しにしてほかのカードで釣りだすほうがよい。
他には、サフィラ+ロー+誘発3枚の手札の場合、サフィラが止まった場合はロー→結界→ガーディアンサーチ→墓地のサフィラを除外して展開 とするしかないため墓地に儀式が置けないが、結界が止まった場合はサフィラで墓地に儀式を置きながらガーディアンをサーチ→展開となるため、墓地の儀式分得。
相手視点は結界でサフィラを持ってこられるとそれをうららで止めても除外からの儀式効果は使われてしまうため結界を止める動機が強いので誘発を持たれていれば釣りだしやすいだろう。
逆に、祈り+ロー+ガーディアン+サフィラ+リリースコストであれば、サフィラは比較的どうでもいいのでサフィラから使用するなど。
《宣告者の神巫》の場合でもヒエラルキア素引きの場合はうららを貰ってもさほど問題ではないため先出し可能、非常にレアケースだがサフィラ複数引きで《宣告者の神巫》を儀式素材としてリリース可能な場合などでも先出しが効きうる。
カード全ての組み合わせを丸暗記するのはあまり現実的ではないため、誘発を踏むために「何が止まると困るか」「何が止まっても困らないか」を都度考えるほうがよい。
とはいえ、毎回長考するのは(粛声そのものがロングゲームを行うデッキでもあることから)制限時間の都合であまり利口ではないし、カジュアルな場であっても対戦相手を過度に待たせないほうがよいだろう。
そこで幾つか筆者が気づいた考え方のキーを紹介することで読者が展開ルートを考える際の発想の助けとなることを期待する。
■《宣告者の神巫》関係
《宣告者の神巫》が止まる=棒立ちの《宣告者の神巫》が完全な欠損になる、ということでできればこれが止まらないような立ち回りを心掛けたい。
が、泡・ヴェーラーをほかのカードで受けるためには先にフィールドにモンスターを置く必要があり、このデッキにおいて場にモンスターを置く手段は基本的に儀式か通常召喚を経由する必要がある。
これは儀式のための条件を揃えることと真っ向から矛盾しており、基本的に受け入れるしかない。
例外的にヒエラルキアの素引き・他カードと合わせて儀式のコストにするパターンで受かることもあるので、確率は低いがそうなった時に見落とさないようにしたい。特にヒエラルキア素引き。
逆にうららは先にほかのカードでいくらでも受けることができる。一見サフィラや下準備にうららを当てさせた場合は2枚になるカードに当たっているため大損をしているように思えるが、《宣告者の神巫》を棒立ちにすると本当に他に用途がないので「相手のヴェーラーを受ける」「こちらの《宣告者の神巫》を生かす」で結局2枚分の働きにはなっている。手札で負債を抱えないためにも極力引いてしまった際は通す努力をしたい。
なお、稀だが棒立ち状態でもリンク素材として処分できることもある。リリース時のリクルート効果が使えないため損なためほとんどやらないが、駄々を捏ねるためにやらざるを得ない場合もあるだろう。
■《粛声の祈り手ロー》関係
泡・ヴェーラーで無効になると単独で儀式素材になる効果も失われるため、それが困るパターンでは手札からリリースして蘇生するほうがDDクロウを食らう以外は安全。
さらに、手札からリリースして蘇生した場合はSS時の効果使用時にはガーディアンがいるため結界がなくとも止められることはまずなく、後の展開でかなり有利。
特にメインボードではクロウやビーステッドの遭遇率は高いとは考えにくいため、手札から最後にNSするパターンを取れない状況では次点としてこの動きを狙いたい。
通常召喚スタートはそれしかない場合の妥協ルートか、儀式素材を別に調達できている場合に限るほうが考えるのも楽だし安全だろう。
■《古聖戴サウラヴィス》関係
余った儀式で儀式召喚・粛声サウラヴィス経由のどちらか。後者の場合は基本的に威光経由。
粛声サウラヴィスを出せる=墓地に2枚儀式がある=そもそも2回儀式をしている=《古聖戴サウラヴィス》を出している、なので先手の展開で粛声サウラヴィスを自身の効果でSSするルートはあまり考えなくてよい。
強いて言えば「サフィラ+下準備+粛声サウラヴィス+誘発2枚」の場合で、
サフィラでガーディアンサーチ→下準備でガーディアンと祈りサーチ→祈りでガーディアンをコストにガーディアンを儀式召喚→ローサーチしてNS
とした場合くらいだろうか。この場合でさえ誘発2枚の代わりにどちらかが儀式素材の場合は下準備かサフィラのサーチの片方を《古聖戴サウラヴィス》にすれば余ったサフィラの墓地の起動効果で儀式召喚できる。
威光→粛声サウラヴィスを経由する場合は条件はやや緩い。ローガーディアンの儀式召喚時のコストに儀式モンスターを使った場合で、ローのサーチが余った(結界は最優先なので、つまり結界を素で引いていた)場合が該当する。
この場合は粛声サウラヴィスをデッキから引っ張れるため若干のアドバンテージに繋がる。
■祝福関連
結界を素引きしてローのサーチが余った時に威光を置くか祝福を置くかの択になることが多い。
サフィラを回収して次に備える祝福、破壊効果の威光の択なので、次につながるリソース(つまり大抵は引き被ったサフィラか下準備)が手札にない場合は祝福、そうでない場合は威光とすると丸い……と思う。
他、ローが墓地を経由する・一瞬ローがフィールドから消えるためガーディアンの無効効果がディアクティベートされるというリスクこそあるものの、《古聖戴サウラヴィス》が手札に余った場合は祝福にしておくと相手のアクションに合わせてローをリリースし儀式召喚することで盤面にサウラヴィスを追加しつつローの自己蘇生+蘇生時のリクルートで威光を貼る、とこのデッキにおける最大値を生み出すことができる。
相手のアーキタイプによっては一瞬ガーディアンの無効が消えることにリスクが低い場合もありうる上、危なかったらやらなければいいだけなので一応頭に入れておきたい。
■祝福展開
初手がロー+ローガーディアンだった際に、残り3枚次第ではうららを避けながら強固な盤面を組めることがある。
① ローNS、効果で祝福を置く
② ローをリンクリボ―に変換
③ 祝福でローを拾う
④ リンクリボ―をセキュアガードナーに変換
⑤ 儀式以外がSSされたので拾ったローを素材としてガーディアン儀式召喚
の手順。結界が失われるが、代わりに祝福が残る。ローガーディアンのサーチが無効を構えながら通るため、ローガーディアンからサフィラサーチで祈りを落とすことで祈りを構えられるほか、(2024/4/3追記:儀式召喚タイミングではローは墓地にいるので無効は構えられません。ただし、チェーンをローガーディアン→ローの蘇生と組むことでうららは避けられます。代わりにわらしでGGですが……)
相手の召喚に合わせて盤面のローをリリースして持ってきた儀式を出すことで追加の結界や威光を出すことができる。
ただし蘇生効果使用済みのローは祈りでガーディアンが戻ってきても一緒に帰ってこないため盤面の信頼性は一歩落ちる他、ローが墓地を経由するため指名者・わらし・クロウの的を作ってしまうこと、ローが落ちた瞬間は無限・ヴェーラーが通ってしまうこと、2回SSしてしまうことから相手ターン中に相手が増殖するGを切ると悲惨なことなど、様々な課題もある。
残り3枚が弱すぎるときにぶっぱ気味にやるのがいいんだろうか。いつやるべきかまだ答えを見つけられていない。うららケアの代わりに失っているケアが多すぎる気もする。
■天底の使徒採用について
エクストラがダダ余りのデッキの特権として採用が検討できる。
《教導の大神祇官》をメインに要求するが、《天底の使徒》で攻撃力1500以上の生物をEXから落とすことで様々な悪さが可能。
EX側の対応カードは各文献やWikiが詳しいのでそちらを参照してほしい。だいたい除去か1ドローを選びつつ手札に儀式素材が来るカードと考えてよい。
稀に壺との両採用が存在するが大抵は壺との選択。壺と比較して、後手での捲り札として手数カウントしやすいのがメリット。
粛声はメインギミックがスマートすぎるため、メインギミックの過剰な引き被りは同名ターン1の制限により妨害を乗り越えるための手数としてはカウントし辛いことも多い。
余った天底が除去に変化するのはメインギミックで除去を扱いにくいことと合わせて有用。
半面、《教導の大神祇官》の素引きが非常に弱いこと、ミラーが多い24/04環境では《教導の大神祇官》を1ゲーム目の先手でプレイするのは非常に怪しく、実質的に手札から儀式素材にする以外の用途が存在しないので壺ほどは柔軟性がないことから、先手においては壺よりも圧倒的に出力が低いというのがデメリット。
差っ引いて現環境では後手の柔軟さよりも先手の盤面の強固さのほうが重要だと考えているため筆者は壺のみの採用としたいが、環境やメタ読み・プレイヤーの好みで十分すぎるほど採用圏内のカードではある。
8.おわりに
上記内容に誤りや訂正がある場合はTwitterかnoteのコメントにて歓迎いたします。
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