『11.22.63』見たよ。

全ての悲しい言葉の中で最も悲しいのは、あの時、ああしていたらという言葉。

── ジョン・グリーンリーフ・ホイッティア

私の場合、あまりにもなにもしていないので、「ああしていたら」なんて具体性もないので後悔の仕方もわからない。

ってことでタイムトラベルものだ。

『11.22.63』
あらすじはっ
ダイナーの倉庫でタイムトラベルできるのでケネディ暗殺を防ごう。

ふつーに面白い。
けども、予想の範囲内のことしか起きず、枝葉も時間を使った割には盛り上がらない。

題材に予想されうる面白さはそれなりにある。
ただ主人公がいまいちドラマを抱え込んでいないのでそれほど盛り上がらない。そもそも、ケネディ暗殺が阻止されて万事解決って思い込んでるのは、主人公に頼んできたダイナーの店主のほうなんだから、主人公がそこまで頑張る意義がわからない。
むしろ主人公が想い入れているのは、知り合いの清掃員が経験した惨事のほう。だから、その事件の引き金が、ケネディ暗殺ともリンクしているとかならいいけど、それぞれ別個にあってドラマとして奏している感じはしなかった。

またタイムトラベル設定も明確化されていない感じ。一番疑問なのは、リトライはけっこう簡単にできそうなのに、なんで、オズワルド暗殺を試さなかったのかというところ。
真犯人の確証がなくても、未来に戻ってきたら結果がすぐにわかるのに、なぜか店主も主人公もそれを試そうとはしない。

作劇としては、サスペンスはエンタメとしての味付けで主軸はロマンスの方だからというのは納得できる。だったら、初動でそこを明確にしてほしいところではある。

それにケネディ暗殺という大ネタの割に、陰謀論的な盛り上がりはなく、オズワルドの掘り下げがされただけなのもさみしいところ。アンブレラマンとか小ネタはあるみたいだけど、そんなの陰謀論マニアしか気遣いところだし。

そして物語の終わり方は、おとぎ話として真面目すぎる気もする。
暗殺阻止成功の未来は、物語の要請としてそうなっているだけで、納得度は高くない。
そして、「過去が邪魔する」というふんわりした設定で、当然の帰結である「過去は変えられず、人生を受け入れるしかない」といういつものメッセージにたどり着く。

これがトワイライトゾーンの1エピソードなら満足できるけど、ミニシリーズの長さでは、もうちょっと起伏なり、ツイストなりが欲しかった。

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