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Close to you

清々しい朝。久しぶりの青空。二度寝して回収ぎりぎりでゴミ出しに滑り込んだ。年寄りは早起きになるんじゃなかったっけ…。

ラジオから、ふわりと温かな歌声が流れて来た。藤井風くんがカヴァーする『Close to you』。

雲が多くて昨夜の皆既月食の歴史的瞬間を見ることは叶わなかったけれど、あの自然現象を眺めながら、東京オリンピック記録映画のテーマ曲『The sun and the moon』を聴きたかったな、と。

予告しか見ていないので、フルバージョンを未だ聴けていない、わたしにとっては幻の曲。

年明け早々、何の前触れもなく、愛犬が天に召された。あまりに突然の現実を受け入れ難く、茫然自失。風もなくしんと静かな真冬の夜、空にまん丸の月がくっきりと浮かんでいた。満月が巡ってくる度、あの夜を思い出して胸が締め付けられる。

14年弱を共に暮らした最愛の彼の名前はSUN。今春、『燃えよ』が出た頃は、「太陽が泣いてるよ ほら見上げてみて」という歌詞に泣き、励まされ、空から彼が見守っていると考えることにした。その後、『The sun and the moon』が発表され、太陽と月というタイトルだけで陥落。

オスらしく、ストレートな甘えん坊だったSUNのことは、愛を込めて “王子” とも呼んでいた。風くんの歌う『Close to you』を聴いていたら、王子のもふもふの体をもう一度抱いて温もりを感じたくなり…。

太陽はいつだって丸い。月は満ち欠けする。わが愛しの王子は、太陽と同じく丸く明るい光を放つ満月の夜を選んで空に帰ったんだろうか。昼も夜も地上を照らしてくれるために。

ずっと、いつも、そばにいるよね。

画像は石垣島の夕景。


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