スリルミー追記


下書きを書き始め早1週間以上…
はよ書き上げんかいって自分にずっと言い聞かせてたんですが…あわあわ

松岡山崎ペアのスリルミーを生で観劇し先日感想文をだらだらと書いたのですが、配信で成河福士ペア、田代新納ペア、そして特別映像を見たらスリルミーへの想いがとまらなくなったのでこの間の続きをここに始めます

配信では全ペア見るぞ~!!と意気込んでたのに仕事で絶対に見れない時間に松岡山崎ペアの配信がありそれは泣く泣く諦めた。アーカイブなかったからね。生で見れたペアではあるのでまあ不幸中の幸いというか何というか…


配信でみた2ペアそれぞれの感想を綴ってみた。


…とその前にまた作品を紐解いている感想をひとつご紹介。
2021年版の全ペアを見ていらっしゃる方。
スリルミーの奥底の解釈を書いている記事やブログは多くあるけど1番なるほどと思ったというか純粋に捉え方が面白いなと思って読ませていただいた。
こちらの記事との答え合わせのようになってる部分はご承知おきください…。
非常に勉強させてもらった。


・成河福士ペア
こちらのペアを先に見ることになった。このペアを一言で表すなら"狂気"。見た瞬間にこれは狂気じみすぎてるだろと思った。「私」も「彼」も。特に成河さんの「私」。他2人の「私」と比べて驚いた点が2つある。1つ目はタバコをくわえた「彼」が「火、持ってるか?」と訊き、「私」がマッチを渡す序盤のシーン。「彼」は訊いたあと振り返ると「私」がマッチをもう差し出している、といったシーンだ。成河さん「私」、めっちゃくちゃマッチを差し出すのが早い。圧倒的に早い。前述の方のnoteでもこのシーンは「私」が「彼」をお見通しであることの伏線と述べられておりそれには同感だが、だとしたら成河さん「私」お見通しすぎない??怖いくらい早かった。2つ目は「彼」がルームメイトから盗んだタイプライターで、「私」が契約書を打つシーンだ。成河さん「私」、1度もタイプライターを打つことなく「壊れてる」と言う。怖い。確かに打たずに言っていた。なぜ知っている。怖い。
もうひとつ、驚いたというより震え上がったのは護送車の中で「私」がわざと眼鏡を落としたことを自白するシーンだ。広大くんの「私」は優越感を感じるような表情をしていた。万里生さんの「私」は恍惚とした表情をしていた。実際"恍惚する"の言葉そのものの意味と状況は一致しない気もするが、わたしのなかであの時の万里生さんの「私」の表情を恍惚としたという表現以外で表す言葉が見つからない。では成河さんの「私」は。もう満面の笑みだった。ニッコニコ。これで一生一緒だね♡と言わんばかりの。それはそれは震え上がりましたよ。本当に「彼」と一緒に居られるならなんでもいいと心から思っているんだろうなと感じた。これぞ究極のメンヘラだ…

そして福士さん「彼」についても。冷酷すぎる「彼」だった。「私」に対する態度も1番冷ややかに感じた。M11「計画」とM13「スポーツカー」は圧倒的に悍ましかった。「あいつが死ねば~」と歌うが本当に家族に対して一切の愛情だとか恩だとかないんだろうなと思った。一連の殺人を実行するときの目はニュースで見る逮捕された無差別殺人の犯人のそれと同じだった。闇しかない。だからこそ拘置所に入れられてからの感情的な「彼」には余計に狂気を感じた。軽い言葉で言えばミステリアスといったところか。


・田代新納ペア
伝説の初演ペアですね。このペアに対する第一の感想は"めっちゃミュージカルやん"。他の2ペアはミュージカルというよりストレートプレイに近いミュージカルだなという感想を抱いた。特に成河福士ペアは。演者本人たちもお芝居主体みたいな話をしていた。だが、田代新納ペアはあまりにも印象が違う。きっとこのことの答えはトークイベントで広大くんが言っていた「田代新納ペアには歌で殴られる」から。その意味がわかった。完全に歌で殴られた。この表現が的確すぎる。
そして大人なこのペア、とんでもなくどえろい。キスシーンのときの"アレ"、毎公演やってたってことですよね!?!?9年前もやってたんですか??これって今回からですか??家で見てて良かったです。変な声出た。え?どんな人生送ったらそんな技習得できるんですか!?!?!?大人ペア経験値を全面的に押し出すスタイル…容赦ない…刑務所だか拘置所だかでもそういうシーンはあるがそこでもこのペアだけ「彼」が「私」の耳を舐めている。配信というとんでもないアップの映像でみてしまったので…ね…。

いかん。気を取り直して。実は万里生さんの54歳がいちばん想像できなかった。わたしのなかの万里生さんは"キラキラしたミュージカルでシュッとした役をする"イメージ。なんて曖昧な表現だ。でも、ほら、ベビーフェイスなお方だし…。あんな暗い目初めて見ました。54歳なんですよね、ちゃんと。
もうひとつ万里生さんの「私」で印象深いのが涙。万里生さんの「私」は54歳の時も19歳の時も涙を流すことが多くて非常に驚いた。ほかの2人の「私」こんなに泣いてたかな、と思った。わたしが見逃してただけなのかもしれないが、冒頭の委員会の時点でもう大粒の涙を流していた。頻繁に登場する「私」の涙は何の涙なのか。犯罪を犯したことに対する反省の涙、犠牲となった少年に対する懺悔の涙、「彼」を制止できなかった後悔の涙、「彼」への想いをつのらせた愛情の涙、「彼」が「私」を見てくれないことへの寂寞の涙…無限に理由が考えられる。本当の答えは分からないがこれは見ている人がそれぞれ受け取りたいままに受け取ればいいのかな、と思った。
万里生さんの「私」はその涙だけでなく全体を通して感情的な「私」であるように感じた。3人の「私」の中で最も強い「私」だな、という印象がある。従順で気弱よりも歯向かう姿が記憶にある。「私」が取り調べを受けたあと公園で「彼」と会うシーンでの「待ってよ!!」という言葉なんて感情だけで振り絞っているようだった。本当に「私」も「彼」も三者三様。おもしろい。


1度目の観劇では気づかなかったこともいくつか見つけた。
「私」はタイプライターを打つときにわざわざ"眼鏡がないと"と言っている。殺人のあとなんて"何か落としたとか"と言っている。配信を見る前に前述の記事を読んだのでより伏線を意識して見たが、こんなに分かりやすく「私」は「彼」にヒントを与えてくれていたとは。しかし「彼」は「私」のことを全く見ていないので気づかない。もし「彼」が「私」に興味が向いていて敷かれた伏線に気づいていたら。捕まることはなかっただろうし「彼」は「私」の元を去っていたかもしれない。きっと「私」は「彼」のことをよく分かっているから気づかないと知っての言葉だろう。だがもしも「彼」が「私」のことをよく見ていて伏線に気づき「彼」が姿を消していたとしたら…「私」はそれはそれで満足なのではないかと勝手に想像した。



・おまけ
勢いで特別映像まで見たが、本編の雰囲気とはうってかわって3組とも楽屋感溢れる対談だった。それはそれは嬉しかった。松岡山崎ペア、6人集合のトークショーではおとなしかったが、2人だけのラジオでは広大くんはボケるしツッコむし大輝くんは暴走機関車だしで大爆笑待ったなしだった。特別映像の対談は完全に後者と同じだったので心から喜びました。このふたり、めっちゃおもしろいんすよ。スリルミーをきっかけにこんな最高のコンビが誕生するとは。おばちゃんにやにやしちゃう。




スリルミーは間違いなくこの先も再演が繰り返されるだろう。そしてどんなキャストで公演されてもわたしは間違いなく劇場でスリルミーを観劇するだろう。しかし初めて見た"5/16愛知公演松岡山崎ペア"のスリルミーで受けた緊張感や衝撃は今後何度見ても絶対に同じ感情では味わえない。初めて見たあの気持ちを大事にしながら今後もスリルミーに心奪われようと思います。

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