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レ・ミゼラブル感想文


誰かに見られてもいいけど誰かに見られるためではない観劇日記その3

ようやくたどり着けたレ・ミゼラブル。
夢にまで見たレ・ミゼラブル。
生で民衆の歌聴けるんだ…
そんな思いで見たレ・ミゼラブル。


これからしばらくは観劇予定がみっちり詰まっているができるだけ見た舞台は全部覚え書きを残しておきたい。なので極力短く感想だけ書いておきたいところ。


この有名作の内容を何も知らずに生きてきたが、どうしてもレ・ミゼラブルを見たかったのには理由がある。

わたしは本田美奈子さんが大好きだった。
何の影響だかまだ生まれてもないのに80年代アイドルが好きで、中でも本田美奈子さんは格別好きである。可憐であどけない可愛らしい顔立ち。そして何よりあの華奢な体からは想像がつかないほどの圧倒的な歌唱力。
彼女は90年代からはアイドル界からミュージカルの世界に飛び込む。「ミス・サイゴン」でのキム役を皮切りにあっという間にミュージカル界に名を広めた。その彼女の代表作のひとつがレ・ミゼラブルのエポニーヌ役だ。

彼女が亡くなった直後、多くの追悼番組が組まれた。当時小学生だったわたしもわんわん泣きながら見たのを覚えている。そのほとんどが晩年のミュージカルの映像を中心としたものだった。中にはもちろんエポニーヌとして生きる彼女の姿もあった。その姿に圧倒された。当時まったくミュージカルには興味がなかったがレ・ミゼラブルという題名が11歳からずっと心に絡みついていた。


だから、ようやくたどり着けたレ・ミゼラブルだ。




わたしが観劇した回ではエポニーヌ役は唯月ふうかさんだった。プリンシパルはほぼすべてトリプルキャストでアンサンブルも回替わりだったのでとんでもなく組み合わせ方があった。キャストの組み合わせはあまり考えずチケットを取った。そしたらふうちゃんの回だった。
偶然にもふうちゃんは今年の冬、「屋根の上のヴァイオリン弾き」にホーデル役として出演していた。これも本田美奈子さんが過去に演じた役だった。
「屋根の上のヴァイオリン弾き」や「四月は君の嘘」で受けたふうちゃんの歌声の印象はかわいい女の子らしい声。調べると声優やアイドルもやっていたみたいだ。すごく納得した。
ふうちゃんは3度目のエポニーヌ役だったが、もちろんわたしがその姿を目にするのは初めてだ。
…驚いた。あんな力強い歌声を持っていたとは。繊細だが勇敢なエポニーヌにぴったりだった。「On My Own」がギシギシと刺さる。力強く真っ直ぐな歌声が。

どうやら無意識にエポニーヌに感情移入して観劇していたみたいだ。エポニーヌがマリウスの腕の中で亡くなるシーンなんてボロ泣きだった。最愛のマリウスが自分ではない人と結ばれるところを目の当たりにして、もう結ばれることはない最愛のマリウスを守るため盾となり命を落とすヒロイン。悲しすぎるヒロインだ。だが、真っ直ぐな彼女の強さがわたしには輝いて見えた。羨ましくも思えた。


やばい。ここまでエポニーヌの話しかしてない。



かなりすっ飛ばした話になるがレ・ミゼラブルを見て最も印象深いのは"音圧"だ。プリンシパルキャストの歌声はもちろんだが、アンサンブルとオーケストラの音圧が恐ろしかった。さすがかのレ・ミゼラブル。アンサンブルキャストやオーケストラの人数が多いのももちろん理由のひとつだろうとは思うが数だけでは説明がつかない気がする。あの音圧の正体はなんだ?どうしたらあの音圧が出せるんだ?もしも観劇した方がいればわたしの言いたいことは分かるはず…。あの大きな劇場に押し寄せる音の波。

ミュージカルを生で見ないと味わえないこの感覚。これを1度味わってしまったわたしはもう後戻りできないなあ。


これは近々もう一度見に行くにちがいない。
また圧倒されに行こう。



なんだか内容にはまったく触れてなくて感想文でもなくなっちゃった。
ここまでの有名作、内容がどうちゃらとわざわざ語る必要もないだろうし。
気がつけば半分くらい美奈子ちゃん語りだ。
ま、いっか。

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