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#8 才能の無駄遣い。

そのレンズを通して見える景色の不思議な魔力に惹かれて、かれこれもう1年近くLeica Mのカメラを使い続けています。

ライカには、この時代に白黒の写真しか撮れないLeica M Monochromeというシリーズが存在します。今ではオートフォーカスは当たり前連写だってスマホですらできる世界で、オートフォーカスなんてなし、さらには白黒しか撮れませんよ?といった、逆行した製品(しかも100万以上します)を出し続けるブランドの意向に潔いほどの痛快さを感じています。そんな中、先週末こんなニュースリリースが発表されました。

Leica Q2と呼ばれる、いわゆるコンデジにカテゴライズされる分野でMonochromeシリーズ、すなわち白黒しか撮れないカメラの販売が発表されました。
スマホのカメラ性能がどんどん向上して行く中、基本的な写真はスマホで完結してしまう、それ以外のいわゆるプロと呼ばれるような写真は一眼やミラーレス本格機、ましてやコンデジのジャンルが衰退して行く中でこのジャンルであえて白黒のみのカメラをローンチする時代錯誤。。なんて強気なブランドなんだろうと思いました。ただ今回はこのプロダクトの考えに真摯に向き合い考えてみようと思い、本記事を書いています。

何かを得るためには何かを捨てるほかない

二兎を追うものは一途も得ず。
太古の時代からわかり切っていたこのセリフ。ただ近年ではこの考えを破壊して全てのメリットを望むような社会展開になりつつあると思います。そんな中で私は前者の考え方に賛同しています。何かを得るためには何かを手放さなければ大きな変革は起こり得ない。これは、このカメラにおいてもそうだ、と気づかされました。カラーでの撮影を放棄することによって深い解像度表現を手に入れ、加えて創成期のフィルムライクなシャープな質感を現行のデジタルフォーカスカメラで表現することに成功しています。これは、カラーによる表現を得たままでは不可能だった表現方法だと思います。
また、QシリーズはAFを有しています。それによってモノクロ表現で得た表現による動画や4730万画素の表現力を手にした現行デジタル機が誕生しました。これは新しいコンデジの考え方を作り上げたような気が僕にはしています。

最後に


あれもこれも全部組み込む、そんなプロダクトが蔓延している中で徹底的にシンプルな一つのことを追求する、不変の美しさは確かに存在するなと改めて強く感じるプロダクトだと再認識しました。Leica M初心者でM Monochromeも使ってみたいと憂慮している中、Qシリーズのカメラをいつ手に入れられるかはまだまだわかりませんがいつか手にとってその使用感を実際に体験していきたいと思っています。いずれにせよ、このライカの魅力を少なからず僕も発信していきたいなと思っています。ではまた。


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私の常日頃の生活をベースに、皆さんの役に立てたり、探しているものを紹介できたらと思っています。今後もよろしくお願いします!