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#クラリミコン3 に参加しました

どうも。NCTRNです。
タイトルの通り、VTuber・クランとリオン(敬称略)が主催するリミックスコンテスト「クラリミコン3」に参加しましたのでその話でもしたいと思います。(かなりの長文になると思われます)



[MV] The Last Song / クランとリオン

こちらの曲がiTunesエレクトロニック・ミュージックチャート1位を獲得したのを記念して開催されたリミックスコンテスト。
勿論、題材もこの曲なのですが……正直どのように仕上げるか思いつくまでかなり思案しました。
なんて言いましょう…曲が纏っている雰囲気から「安易なリミックスには出来ないぞ」というか「いつものノリと勢いで仕上げちゃいけないぞ」なんて思ったりもしました。

案が思いつくまでの話

自分自身、今までクランとリオンさんが主催するコンテストは「クラリミコン1」「クラリミコン2」「クラリオアレコン4」と三度ほど参加させてもらっているのですが…
・クラリミコン1:ラヴァーズロック的な感じ
・クラリミコン2:レゲトン的な感じ
・クラリオアレコン:スカを意識したブレイクビーツ
…という感じの、レゲエ的なアプローチで挑んできました。

今回もレゲエ的なモノで行くか?それとも路線変更するか?
まずそこから迷いました。
そもそも、自分自身が「そんなにレゲエを聴かない」というのに軽々しくレゲエをやって良いものだろうか?…という迷いもあったりなかったでした。

まぁ、言うて全く聴かないわけでもないですし(他のジャンルに比べれば聴いていない方というだけ)、Major Lazerも好きだし、フィッシュマンズも好きだし、スカパラも好きだし、ラヴァーズロックやオーセンティックなレゲエ・ダブも全然好きです!

如何せん、元々が陰キャ気質なもので、ダンスホールレゲエの「これぞ陽キャ!」的な感じが受け付けな…ちょっと足が向かない感じってだけです。
…とは言え、クラブで遊んでいた時はDJ(レゲエで言うとセレクター)がレゲエをかけていれば普通に踊りつつ、露出度の高めで腰を振りながら踊っているお姉さんを眺めてたりしました。(オイッ!)

…だいぶ話が横道に逸れましたが…いろいろ迷いながら思ったのが…

「曲の感じからも、これが最後かもしれないから悔いの無いように自分のやりたいようにやる!」

今までも悔いがあったわけではないのですが、どうも「借り物っぽい感覚」というか「付け焼き刃」というか…まぁ、良く言えば「チャレンジ」ってことなのですが…とにとにかくかくそんな感じでした。

その辺りを踏まえて、今回はどうするか?
…て言うか、「クラリミコン1」参加の時からずっと思っていたんですよ。

「DUBを作りてぇっ!!」

今までは「DUBとか作ったところで、自分の腕だとクオリティが伴わずただの自己満のゴミトラックしか出来ない」というネガティブ思考でしたが……今回は最後だと思って「クオリティや聴き手のウケなどはさてさておきおき、とにかく自分が作りたいように作る!」を念頭に置いて作業に取り掛かることにしました。

※ちなみに、レゲエから離れるとしたら、「ブラジリアンハウス」を「Mondo Grosso / LIFE feat. Bird」リファレンスで作ろう…なんて思っていたりもしました。

具体的な構想

原曲を何度か聴いて印象に残ったのが、「夢」という言葉と「時計の針の音」でした。

「そう言えば、PIZZICATO FIVEの東京は夜の七時のカバーを作ろうとした時に仕入れた時報音があったなぁ~」
「時計の針の音を時報音に変換するのはアリだよなぁ~」

まぁ、自分が初っ端に思いつくくらいの案ですから、他の参加者が使ってくるのは百も承知!ダダ被り上等!!…という事で、まずは「時報音」を使うというのを一番最初に決めました。(実際、他に時報音を使う参加者様が数名いました…という後日談)

「時報音を使うってことは、BPMは120が良いか」(安易?)
「DUBで夢って事は……DUBを基調としたドリームポップ?フィッシュマンズ??」

ってことで、いわゆるリファレンストラックはフィッシュマンズの曲にすることを決めつつ…

「せっかくだから、PsyDubとかPsyChillっぽい感じも出したいなぁ~」

こういう考えを持つと、最終的に訳がわからなくなって「うわ~っっっ」ってなりがちなのですが、とりあえず今回は作りたいように作るのをモットーにしているので、ゴチャゴチャになって訳が分からなくなったらその時に考えるって事で……いざっ!Loopcloudへ素材探しに!!


Loopcloud探訪記

「Loopcloudとは何ぞや?」という方に軽く説明しますと…
LoopcloudとはDTMでのいわゆる「音素材(ループだったりワンショットだったり)」が集まったサブスクサービスです。

んで、自分の場合はLoopcloudはたいてい

「こういう感じの音ほしいんだけど、無いかな~」
「とりあえず、ドラムの音を仕入れるか」

…という感じで、ある程度目的を持って探しに行くのですが…
今回は何も考えずに「とりあえず使えそう・好きそうな音素材」をDUBはもちろん、AmbientやPsychedelic Tranceのカテゴリーからもテキトー…もとい、フィーリングで片っ端から試しにダウンロードすることに。(ここしばらく、Loopcloud使っていなかったから、使えるポイントが結構貯まっていた)
…そして、「時報音」を使うアイデアを思いついてから「あったらいいな」と思っていた平時の時報音?という言い方で伝わります??普通の「ピッ!」っていう音です!(文章にすると何も伝わらない)
まぁ、それも入手したことである程度の方針は決まりました。


製作開始!…からの案の定

まずはリファレンストラックをどうするか!?
フィッシュマンズと言っても、名曲は山程あるし…と思いながら、しばらくフィッシュマンズをヘビロテにしてピンと来たのが…

【フィッシュマンズ - 頼りない天使】

曲中の歌詞「終わりさ もう終わりだよ」って所がLast Songっぽい
………というのは後付けで、単に自分的にこの曲がフィッシュマンズの中で一番好きな曲だという単純な理由かもしれません。
(今更ながら言いますが、あくまでも参考にした程度で、こんな名曲クオリティのものが自分に作れるとは到底思っていませんし、結果的には全然違う感じに仕上がりましたし…)
(ネガティブ思考とかではなく、それくらい自分の中では名曲中の名曲なので…)

あと、曲の間終始時報を鳴らすというアイデアは、名前を呼んではいけないあの人(ヴォルデモートかっ!)…いやっ、別に大丈夫でしょうけど……CorneliusのBrand New Seasonという曲が元ネタです。(名前を呼んではいけないからではなく、諸事情でサブスクにはないです)
これもリファレンストラックと言って良いのかな?
(あとUNIQLOCKってのもあったなぁ~)

んで、とりあえずドラム・ベース・ギター・エレピ・トランペット・シンセ(PAD)を組みつつ、Loopcloudから仕入れた素材を乗せてそれっぽい感じに完成!!

「まぁ、こんなもんだろ…さて、MIX作業に取り掛かるか…」

なんて思っていた時期が自分にもありました。
実際、出来たモノを冷静に聴いてみると…めちゃめちゃゴチャゴチャしていてクオリティ以前に聴けたものじゃないっっ!!

「そもそも、全体の雰囲気を形成するPADがシックリきてないしなぁ~」

……って事で、Loopcloudから仕入れた素材の半数を断捨離!!
そして、Synth1(Sylenth1ではなく、フリーで有名なヤツです)で組んだPADもやり直し!!

んで、PADの音色探しのために手持ちの(数少ない)シンセを巡って探して……そして、見つかりましたよ。(感動の再会チックに)
大抵のDTMerは「持っているけど使わない、ホコリを被っているであろう」…AIR Music TechnologyのHybrid 3にありました。

…えっ!?皆様使ってます??
なんか、巷のDTMerの皆様はシンセというとSERUMとかSPIREとかAVENGERとか使ってるイメージだったり。(偏見)
Hybrid 3なんてDAWの肥やしになってるイメージです。
……言うて、自分もHybrid 3は使ったことなかったです。。。

そんな感じで、PADも決まり、ドリームポップな路線からスペイシーな感じに路線変更!(まぁ、スペイシーさマシマシでも、ある意味ドリームポップなのかもですが……)
断捨離しすぎて物足りなくなった所にオルガンとピアノを加えて完成!!
正直、いろいろと展開を付けたり、もっと手を加えたいと思わなくもなかったのですが…どうやってもピンと来ず。
「宇宙空間の空虚感を出したい」と思うと、何かを足すと一気にゴチャつく感じがして、出来上がりはとてもミニマルでスペイシーな感じに仕上がりました。

ちなみに、軽く意識したところと言うと…
「DUBの要素を入れるけど、DUBになりすぎず原曲の歌をなるべく活かす」
というのを心がけつつ、
「なんとなくWarp Recordsっぽい感じを出したいなぁ~(出したいだけで、出せるとは思っていない)
…まぁ、Warp Recordsっぽいってなんやねん!…と自分でも思いますが、あくまでも雰囲気です。(Boards of CanadaとかFlying Lotusとか往年のArtificial Intelligenceシリーズとか…ザックリとそんな感じ)

全曲試聴会で起きたミラクル

そして迎えたコンテストの全曲試聴会。今回は2/20・2/21(両日20:00~)の2日間に渡って全114名の猛者…いやっ、113名の猛者と1人の一般通過DTMer(自分)による作品を聴く会です。
(全曲試聴会で流れるのは冒頭90秒というレギュレーションです)
(コンテストは各々が全曲聴いて、自分以外の作品3つに投票して結果を決める形式です)

そんな全曲試聴会。初っ端からみんなクオリティが高くて……

「やっぱりみんなスゲェなぁ~!」

…なんてちょっと他人事でした。
まぁ、自分は作りたいものが作れた事である程度は満足しましたし(勿論、もっとクオリティを上げたいとは思いますが、それは今後の課題)、全力で楽しむモードでした。(とは言え、全曲試聴会にリアルタイムで自分の出順に当たるのは初なので緊張はしていました)

そして、自分のリミックスが発表される番が回ってきました。
意気込みコメントでは「レゲエです」というフリで実際は……という感じで仕組んだのですが…(空回ったか!?)

実際に曲が流れて「えっ!?」的な反応があったりしつつ、皆様が温かいコメントをくれて嬉しくなりつつも……
どうやら、自分のリミックスが流れたのがいわゆる「21:00またぎ」
秒単位のズレはあったのでしょうけど、自分のリミックス内の時報が21:00をお知らせするという訳のわからないミラクルが。。。
こういう訳が分からないミラクルが何故か起こりがちな自分。

…以前も、それこそ「名前を呼んではいけない」元にじさんじのG道さんの生誕記念雀魂大会で千羽黒乃師匠と同卓して、2軒リーチ食らって降り進行していたのに、ラスト1巡でテンパイしてリーチ
→立直・一発・海底摸月・自摸・平和・赤2の今日も元気に3000・6000をかましてしまう謎ミラクルが発動したり…


それ以来の謎ミラクルです。(わざわざスクショ貼るほどでもないのですが…)(一発+海底摸月って正直、自分ではこのときくらいしかないです)

ちなみに、その次の出順の4nobeatzさんも時報を使っているという更なるミラクルが!
(何気に4nobeatsさんは毎回自分と出順が近い印象な上に、イィ感じに303acidなトラックがかなりツボだったりして、毎回聴くのが楽しみだったりします)

話が逸れましたが、とりあえず曲終わりコメントでクランさんが
「めちゃめちゃ良い」
と言ってくれたのを聞いて、自分のDTMer寿命が20年くらい伸びました。(嬉)
正直、お世辞なのかもしれませんが(ネガティブ思考)……その一言だけでも、参加して良かったなと思っています。


結果発表

当日はフツーにお仕事のため、アーカイブ視聴になってしまったのですが…
自分の結果はさてさておきおき…
受賞されたさんS.KTさん(オーディエンス賞)・ねばりのシタールさん(ベストコメンテーター)・Mtgodさん(クラリオ賞)・ヒータソさん(くじ引き当選)、シークレット賞のROCKさん、ランキング受賞されたNamidameさん(第5位)・ぽっぽさん(第4位)・トワドさん(第3位)・youthUKさん(第2位)・ミコ吉さん(第1位)…

みなさま本当におめでとうございます!!
地味に自分が投票した3票中2人がランクインしていたというのに嬉しいというか、なんというか。。。
あと、同じ(?)時報勢のNamidameさんがランクインしていたのもかなり嬉しかったです。
(って、時報音使っているだけで、自分と同じ括りにするな…って!)
(でも、Namidameさんの今回のトラックかなり好きなんだよなぁ~)
(尚、時報勢で分けて書きましたが、自分が投票したとかしなかったとかはあえて触れずに…)

んで、その後に行われた重大発表に関しては……近日中に別記事にして書きたいのでここでは触れずにいます。

そんなこんなのなんだかんだでイロイロあったクラリミコン3ですが…個人的には今までのクランとリオン主催コンテストの時以上に楽しめたし、これから参加された皆様のフル尺を聴きに行かないといけないし(これもかなり楽しみなんだよなぁ~)…まぁ、そんな感じです。


KURANTORION - TheLastSong(NCTRN Rust Galaxy Remix)

今回の参加作品のフル尺です。
もし良かったら聴いてみてください。



使用機材紹介

DAW:FL STUDIO
個人的にとても使いやすいDAWソフトです。

<楽器類>

Drumsと諸々の電子音:Loopcloud

FL STUDIOはサンプル素材でカンタンにドラムマシンが組めるので、ドラムはサンプル素材で組みがち……なのは自分だけですかね?
ちなみに、諸々の電子音はPsyTrance方面から仕入れました。

Bass:3x OSC
FL STUDIO付属の極めてシンプルなアナログシンセ
サインベースの時は、迷わず立ち上げます。
(立ち上げデフォルトが素のサイン波で、それをそのまま使ってます)

Guitar:SPARKLE 2
ujamさんのバーチャルギタリストシリーズのヤーツ!
少し前にPIBでセールやっていた時にゲットしたので、早速使ってみました。
素の裏打ちギターなので、わざわざコレでなくても感はあるのでしょうが……まともなギター音源を持っていない自分としては…
一応、Instrumentモードで使いました。

Synth(PAD):Hybrid 3
先ほども触れましたが、雰囲気づくりのPADはAIRのHybrid 3を使いました。
中々使う機会がなかったのですが、触ってみると良いシンセ…かな?

Electric Piano:Lounge Lizard EP-3
自分的にとりあえず立ち上げるエレピ。
なんだかんだで使い慣れてるエレピです。
(今はEP-4なんですが、アップデートしてないし、する気はあまりない)
(ただ、AIRのVelvetでも良いような気が最近はしてます)

Organ:DB-33
こちらも(?)AIRのハモンドオルガン音源。
鍵盤ひとつ分しかないけど、だからこそ気軽に使えるというか…レスリースピーカー部の設定もシンプルでなんだかんだで使いやすいです。
あと、普段はプリセットを少しイジッての音作りなのですが、今回はドローバー全閉じから自分で音作りしました。

Piano:MiniGrand
同じくAIRのピアノ音源。
操作性が良くて、個人的には何かと使いがちです。
ちなみに、曲中ではフィッシュマンズのナイトクルージングのリフを奏でて引用しています。

Trumpet:Miles'Tone
古の昔に仕入れたトランペット音源(今はSolo Trumpetという名前に転生しています)
ていうか、いい感じのブラス音源がほしいと思う今日このごろです。

<エフェクター>
正直、エフェクターは挙げるとキリがないのである程度抜粋して…

Reverb:KSHMR REVERB / Pure Plate Reverb

全体的にはKSHMRさんで不快にならない程度に深めに。

ボーカルとスネアはUADのプレートリバーブを使いました。
これもPIBでUAD Essentials Edditionがセールやっていた時にゲットしたので使いました。


Delay:Galaxy Tape Echo / TAL DUB 3

DUBをやるからには絶対持っておきたい!
と思いながら、今まで中々手が出なかったヤツ。
UADのEssentials Editonも8割方コレを目的に購入しました。
大抵の方は「なんか知らんけど、UADのEssentials Editionに付いてるDelay」という感じなのかもですが、個人的にはコレを持ってないのにDUBをやるのは…なんて思ったり思わなかったりでした。
もう、今回はギターやトランペット、ボーカルにとあちこちで使いまくりました。(ボーカルに関しては、いわゆるボーカル処理のディレイとダブ処理のディレイと2パターン使用しました)
正直、トランペットに掛けた瞬間、
「これこれ!これこそダブ!!これが欲しかったんだよ!!!」
と軽く興奮しました。

ただ、Galaxy Tape Echoはディレイをキツめに掛けた時の具合が慣れてなくて難しい上に、ピンポンディレイも多分出来ないので、スネアには使い慣れたTAL DUB 3を使っています。(TAL DUBシリーズはフリーなのに本当に使える良い子)(何なら、有料版のTAL DUB Xの購入も検討しています)


Chorus:TAL Chorus LX

個人的にエレピにコレ刺しがち問題です。
手軽に使えるのに良い音するので気に入ってます。
(ていうか、TALのフリープラグインはクオリティ高いんじゃないかと個人的に思います)

Vocoder:TAL Vocoder

Bメロ前半部分(リオンさんボーカル)に使いました。
FL STUDIOにはVocodexというヴォコーダープラグインが付属されているのですが、イマイチ使いこなせないのでヴォコーダーはコレを使用!
何気にこれも今回の自分のリミックスでは重要な役割を果たしてくれたなぁ~と思う今日このごろです。


Tape Simulator:Tape MELLO-FI / Oxide Tape Recorder

Bメロ後半部分(リオンさんラップ)はArturiaのTape MELLO-FIを使って、ラジオ(イメージ的には無線機?)ボイスにしました。

同じテープシミュでも、UADのOxide Tape Recorderはサチュレーション的な感じで使いました。

とりあえずはこんな感じですが、他にも「Puitec Passive EQ」や「LA-2Aコンプ」も使ったりで…UAD Essentials Editionのヤツをふんだんに使いまくりました。

以上、かなりの長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただき誠にありがとうございます!
近日中にクランとリオンさんの個人的所感についてnote書きたいと思っています。

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