見出し画像

三段論法について

三段論法(syllogism)は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスによって体系化された論理的な推論の形式で、2つの前提から1つの結論を導き出すものです。

一般的に以下の形式をとります。

  1. 大前提(Major Premise): 全体に関する一般的な命題。

  2. 小前提(Minor Premise): 特定のケースや個体に関する命題。

  3. 結論(Conclusion): 大前提と小前提から論理的に導かれる命題。

大前提と小前提が真であれば、結論も真となります。三段論法を使うときの注意点は、大前提や小前提の命題が真であるかどうかを確認する必要があることです。間違った大前提や小前提を使うと、誤った結論に導かれることになってしまいます。

三段論法の例を挙げてみます。

    • 大前提:全ての人間は死ぬ。

    • 小前提:フォンノイマンは人間である。

    • 結論:フォンノイマンは死ぬ。

    1. 大前提:全ての魚は水中で泳ぐことができる。

    2. 小前提:サメは魚である。

    3. 結論:サメは水中で泳ぐことができる。

    1. 大前提:全ての鳥は羽を持っている。

    2. 小前提:ハトは鳥である。

    3. 結論:ハトは羽を持っている。

    1. 大前提:全ての人間は水分を必要としている。

    2. 小前提:木村さんは人間である。

    3. 結論:木村さんは水分を必要としている。

    1. 大前提:全ての鳥は飛ぶことができる。

    2. 小前提:ペンギンは鳥である。

    3. 結論:ペンギンは飛ぶことができる。

    1. 大前提:全ての金持ちは幸せだ。

    2. 小前提:ビルゲイツは金持ちだ。

    3. 結論:ビルゲイツは幸せだ。

    1. 大前提:私は犬が好きである。

    2. 小前提:犬が好きな人は全て、動物に優しい。

    3. 結論:私は動物に優しい。

No.5の例は、間違った三段論法(不適切な推論)の例です。「全ての鳥は飛ぶことができる。」という大前提が真ではないため、「ペンギンは飛ぶことができる」という真ではない結論を出しています。飛べる鳥と飛べない鳥がいる、というのが真ですので、「ペンギンは鳥である」については真ですが、飛べる鳥なのか飛べない鳥なのかで結論が分かれることに注意が必要です。

No.6は、誤解されやすい三段論法の典型例ということができるかもしれません。大前提と小前提が正しいように見えるので、結論も正しいように思えてしまうからです。しかし、大前提の「全ての金持ちは幸せ」というのは、真でしょうか?金持ちでも、幸せな人もいるし、幸せでない人もいる、というのが正しい見方ではないでしょうか?だとすると、大前提は真ではありません。したがって、結論も真であるかどうかは不明といえます。

No.7も同様に誤解されやすい例ということができるかもしれません。大前提が正しいとしても、小前提の「犬が好きな人は全て、動物に優しい。」は真ではないでしょう。犬が好きだけど、猫は大嫌い、熊は大嫌い、という人もあり得ます。そうすると、小前提は真でななくなり、結論は真であるとは限らない、ということになります。

誰かが何かの主張をしているときに、大前提、小前提、結論に分解してみて、大前提、小前提が真であるかどうかを見極めて、結論が正しいかどうかを見てみるという使い方もできるかもしれません。

おもしろいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?