田中_1-補正

スローツーリズムPJ 山根美紗斗 インタビュー

旅は、新しい自分や世界に出会うもの。

新しい視点を持って地域の景色や文化に触れることで、するすると心がほぐれていくような、そんな新感覚のツーリズムを提案している方がいます。
舞台は年間およそ200万人が訪れる観光地・石川県加賀市。

「心がリセットできるような旅を提供したい」と話すのは山根美紗斗さん。2017年3月に祖父母の故郷でもあった加賀市に移住し、Next Commons Lab 加賀(以下:NCL加賀)のメンバーとして活動しています。

ーー 山根さんのプロジェクトを教えてください。

プロジェクト名は「スローツーリズム」です。このプロジェクトでは、加賀市の観光資源に新たな視点を加えたツーリズムを提案しています。観光スポットを見て楽しむだけではなく、時にはヘルスツーリズムや自然との共生を意識したプログラムを掛け合わせることで、心身のリフレッシュや内面を見つめ直すきっかけを生む新感覚のツーリズムです。

2018年6月に公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会のネイチャーゲーム指導員の認定を受け、それから「MIKKE.(ミッケ)」という名前で様々なプログラムを加賀市で開催しています。

これまでも、ぶどう畑の下でヨガを行うイベントや、ピクニックとネイチャーゲームを組み合わせたイベントを開催したりと、地域の資源を活かしながら心の休息や癒しをテーマにしたプログラムを開発してきました!

ーー 加賀に来る前のこと、詳しく教えてください。

東京出身ですが、祖父母が加賀市の人だったので長期休暇のたびによく訪れていました。とはいえ、当時は移住などわずかも考えておらず大学卒業後も東京の会社に就職しました。

大学は人間科学部に進学し、環境管理計画学という研究室で「地域開発と環境保全」について学んでいました。この研究室が自分に与えた影響は大きかったですね。調査もかねて国内外の様々な地方に足を運ぶようになったのもこの頃からです。そのお陰で旅が好きになり、趣味でも色んな場所に行くようになりました。シャワーがない地域で過ごすこともありましたし、お陰で大分逞しくなったと思います(笑)。

卒業後は広告会社に就職しました。仕事としては主に企業に対してマーケティングを行っていたのですが、一方で難病への治療法確立を目指す 一般社団法人END ALS(エンド・エー・エル・エス)の啓発やブランディング等にも有志で取り組んできました。

ーー 石川県加賀市やNCL加賀を知ったきっかけは?

仕事も楽しかったですし、転職したいという気持ちも特に持っていませんでしたが、Facebookを通じてNCL加賀の取り組みのことを知ったんです。まさか祖父母が住んでいた加賀市でこんな新しいプロジェクトが始まるなんて!という驚きもありましたし、NCL加賀の活動にも興味があったので説明会に参加しました。そこで説明されたNCL加賀のビジョンや取り組みにとてもワクワクしたんです。なんだか運命のようなものを感じて応募を決めました。

ーー 今はどんな暮らしをしていますか?

プロジェクトに関しては、「MIKKE.」をスタートさせて定期的にイベントを開催しています。現在も新しいプログラムをいくつか企画していて、例えば「ヘルシーワンダーウォーク」「加賀地物de食べる瞑想」など、色んな切り口を掛け合わせた内容のものを考えています。

これらのイベントには、ぜひ地域の方にもご参加いただきたいと思っています。毎日当たり前のように見ていた景色でも、ストレッチやネイチャーゲームを通じて見える景色は全く違うものに映るはずです。もちろん「こんなプログラムを体験したい!」というリクエストも大歓迎です。何かアイデアをお持ちの方はぜひご連絡いただければ嬉しいです。

プライベートでは、加賀市で出会った方と結婚しました。私の活動も応援してくれていて、イベントの記録やPR活動などを手伝ってくれています。

振り返ってみると、加賀市に移住して1年半が経ちました。住み慣れた東京を離れるという決断は自分にとって大きなものでしたが、こうやって新たな出会いに恵まれたことに感謝しています。

ーー 子供の頃に見ていた加賀からイメージは変わりましたか?

そうですね。やっぱり遊びに来るのと住むのとでは全然違います。家は海近くの橋立町というエリアにあったので、実はそれまで加賀市の他の場所はあまり知りませんでした。

移住してきて、今あるものに価値を見出す瞬間が凄く増えたなと思います。東京にいた時は、色んなイベントが常にどこかで行われていて、良くも悪くも常に情報が溢れている状況でした。でも加賀にきてからは自分の内面を見つめる時間が増えたというか。目の前で広がる海でヨガをやったり、友達とゆったり会話を楽しむ時間を作ったり。加賀市の心地よい暮らしを気に入っています。

ーー これからチャレンジしたいことを教えてください!

プロジェクトの事業化に向けて頑張っています。自分らしいライフスタイルを見つけて前進していきたいです。

実は今年の冬に子供が生まれる予定です。家族で過ごす加賀ライフはこれまでと全然違うものだと思うので、子供がいるからこそ繋がる出会いや新しい発見を楽しみたいですね。出産後も「MIKKE.」の活動は続けていきますので、旅行客の方々はもちろん、地域の方にも是非ご参加いただきたいです! 加賀市には旅館が沢山ありますので、旅館とのコラボ企画などもぜひ実現したいと思います。

(インタビュー:2018年8月21日 場所:山代コドン


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