映画:1917 命をかけた伝令を観た

2/19に、映画:1917 命をかけた伝令を観てきました。

脚本の端々にある伏線や登場人物の言葉の意味がわかるとすごく、あぁってなって、パンフレット買ってしまった。ワンカット凄かった。もちろん美術も音楽も。




W主人公だと知らなかったし、任務結構後かなり早い段階で、鉄条網で手を怪我したり、独軍撤退後の罠で生き埋めになりかけたスコは絶対死ぬわ。手の怪我が元で絶対死ぬわーって思ったのに、まさかのブレイクがドイツ兵に刺されて死ぬとは思わなくてびっくりしたわ。

顔から血の気が一気に失われていくブレイクに、え? まさか、ここで彼はリタイヤ? 帰投なんてできないし、当たり前だけど医者はいないし、え? ってなったら、「俺は死ぬのか…」「そう……。そうだと思う……」で、ようやく悟った感。

地図は分かるかとか、色々心配し始めるブレイクに、だ観ている側もあぁこっから1人になっちゃうのかっていう感じがひしひしと伝わってきた。

戦場を少なからず知っていて戦いの生き残りのスコと、経験がなくついこの間まで普通の民間人で、反対を押し切って町を出てきて兵になったブレイクでは、やっぱり差はあったんだろうなっていうのが、墜落してきたドイツ兵を楽にしてやろうと提案したスコと、助けようとして殺されたブレイクの結果が表しているのが辛かった。
家に帰りたい。死にたくないと語るそこに優しさや普通の青年らしさが滲み出ているのがさ。

一方、メダルをフランス軍の大尉(大佐? 忘れた……)とワインと交換したと語ったスコ。
故郷に二度と戻る気はない。戻れない? という諦観? 何か理由があるのかもしれないけど、彼の真実は分からないものの、エクーストの街で隠れていた女性は元より、母親の居なくなった赤ちゃんの存在を知って、食料を全部置いていく姿に、故郷に誰を置いてきたんだと気になった。
そんな彼が森に着いた時に、デヴォンシャー連隊のD中隊?の歌を聴いて、放心したように聴き入ってしまう様子は、帰りたいと思わせるきっかけになったのかと。

兄のブレイク中尉に会って弟の死を伝えた時。彼の母親に手紙を書かせてほしいと願った時。
最後に木の幹に背中を預けて座って、ずっと大事に、開けようとして今まで開けなかった箱から出した家族と思わしき二枚の写真を交互に見た時。
スコの心情は、帰りたい、だったのかなぁと。
一瞬奥さんと娘さんかと思ったけど、お母さんと妹かな?
スコの年齢的に娘さんにしたら大きすぎるから。

一方、策士かよ、こいつって登場後いきなりむかついたwエリンモア将軍と、彼ら上層部からの命令を聴いて「来週には明朝突入の命令になる」だったかな? みたいに上の都合で振り回される前線の実態と、命をかけて走ってきたスコと、文字通り命を奪われたブレイクの伝令は、確かに今回の作戦中止に貢献したけど、そんな伝令の役は、当たり前にあって、命が軽く思われているような、そんなやるせなさがマッケンジー大佐の一言から感じられて喪失感に似たものを覚えてしまった。

以下、良かった点。

生き埋めになったスコに立て!って言ったり、目が見えなくなったスコに俺を信じろって、割れた地面を飛ばせて抱えるブレイクのシーン。

イギリス軍のもだけど、ドイツ軍のも精密に作られた塹壕とか、前線に近づくにつれ休む場さえも窮屈な最初のあたりのあの臨場感。

川を流されていたスコが、舞い散るチェリーの花で、ブレイクの存在を思い出して、任務を思い出す瞬間。

あと、ちょい役だったのにイケメンぶりが半端なくめっちゃカッコ良かったし、1人になったスコを助けてくれたスミス大尉。好き。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?