WARPS簡易ルール
WARPSとはグループORGが1980年代から作成したTRPGである。当時の漫画やアニメの世界をモチーフとした世界観で冒険するルールである。当テキストは既存のルールにWARPSのエッセンスである「豪快な冒険が楽しめるRPG」にするため、発言の全肯定とヒーローポイントの2つのルールを導入するためのテキストである。
この簡易版は、グループORGとは一切関係が無い、所謂私家版である。
個人利用の範疇であればどう使っても構わないが、商用利用と転載は禁止。
発言の全肯定
プレイヤーの全ての発言はことごとく担当するキャラクターの発言として扱われる。
これは決して「口を慎め」と言う意味ではなく、プレイヤーはむしろ積極的に口を滑らせピンチに陥り、気軽に口から出まかせを言いヒーローポイントを使用してそれを真実にして優位に立つと言うダイナミックなシナリオ展開をもたらすためである。
そのため、キャラクターはヒーローとして一癖も二癖もある人物として存在感を持つことになる。ただカッコイイだけでなくコミカルさや弱点を持ち、時には冷酷さや残忍さを持つこともある。プレイヤーはキャラクターのイメージをプレイ中に何度も変えることになると思われるが、漫画のキャラクターが登場時とラストで全く変わる様なものである。気軽に変更して行って欲しい。またGMも柔軟に対応するように努めて欲しい。
追加能力値
抑制力
口を滑らすのを肯定しているが、プレイヤーはキャラクターにあまりにも不似合いな発言をしてしまうことがある。抑制力はその発言を無かったことにするチェックである。
能力値の求め方とチェック方法は導入するルールに依存しておく。
留意点として、GMもプレイヤー同様不似合いであると思うのであれば抑制力チェックを無視して無かったことにしても良い。
決断力
抑制力とは状況がかわり、プレイヤーは行動させたいがキャラクターイメージとかけ離れている時に使用する。GMがやるべきではない、控えて欲しい時に使われるが、本当にやってはいけない場合GMには強制力があるのでこのチェックを飛ばされることもある。
特徴
キャラクターの主義や好き嫌いを表したものである。名称の後に修正値を付けて表現される。例えば守銭奴5とあれば、お金に関わる抑制力や決断力のチェックにその修正値を加算(不利になるのであれば減算)する。
最初に3つ獲得する。修正値は確率で合計+100%(大体成功する値)をGMが決め、それを最大値50%になるよう分配するする。
例
「女好き50%」の特徴があるキャラクターが女性に対し不利な行動をするなら、決断力に-50%の修正を受けて判定する。
特徴のオプションルール
メイキング時にあえて取らず、状況に合わせて取っていく。これは、キャラクター作成時にイメージが確定できないときや、WARPS初心者がプレイイメージを持てない際に使用すると良い。導入はGMの判断によるので、確認を取ること。
上限無視してヒーローポイントで獲得させても良い。
クリティカルやファンブルがあるルールなら、クリティカルファンブル時に特徴を増減してもいい。またクリティカルファンブル時に新たな特徴を獲得してもいい。
ヒーローポイント
ヒーローポイントは使用することによって状況を改善するシステムである。単純に判定を一段階良くすることも出来るが、失敗は失敗としておき、失敗によって起こる状況を改善するために使用するとした方がプレイが面白くなる。
「話は聞かせてもらった」(不在シーンに登場する)、「こんな事もあろうかと」(必要なアイテムを持っている)、「聞いたことがある」(情報を知っていたことにする)、「まだ終わらんよ」(ヒットポイントを全回復する)など、様々な使い方がある。
ヒーローポイントは強力なためシナリオに不都合な介入をしてしまう場合がある。そのためGMが使用を制限する事もある。その場合素直に従う事。GMはシナリオが崩壊しないのであれば可能な限り使用を認める事。
初期持ち点は3。状況次第で3以上にもなる。少ないと思うのであればGMの裁量で増やしてもいいし、シーン制度があるならシーン毎に初期値に戻してもいい。
座布団
GMはプレイヤーが面白い行動をしたときヒーローポイントを与えることが出来る。プレイヤーも楽しませてくれた他プレイヤーへの座布団をGMに申請してもいい。GMは状況次第で全員に座布団を渡すことを常に考えておいた方が良い。ヒーローポイントを溜め込んでいる=あまり活動的ではないプレイヤーに動いて貰うためである。それこそ、初めてヒーローポイントを使ったら無条件でヒーローポイントを上げてしまうぐらいでも良い。
インスタント座布団
ヒーローポイントが無い場合でも、面白い行動をしたならその場で座布団を与えて使用したことにして良い。
ヒーローポイントオプションルール
ヒーローポイントを使った際2D6を振って、以下の効果を得る
特徴はヒーローポイント使用に際して関連した事象について、思いつけば獲得して良い。すでに持っている物が関連してるならその特徴に加算する。思いつかない場合無視して良い。GMの許可が取れない場合は特徴を獲得できないがGMはできうる限り特徴を与えた方が良い。
ヒーローの大失敗
ヒーローは時折大失敗をしてピンチに陥り、またそこから英雄的活躍で復活したりする。これを取り入れるためのルールである。ストーリーが思わぬ方向へ大きく動いたり、キャラクターの隠れた嗜好が露わになったり大変面白い要素である。しかし、このルールは運用が難しいため、一定状況でみんなと話し合って意図的にどう失敗するのか、そしてどう挽回するのか決めると良いだろう。
このルールは忘れ去られやすいので、前述のオプションルールを導入したり、タイマーをセットして一定時間毎にこのルールを発動させると良いと思われる。
簡易版ルール
導入したいルールがなければ利用しても良い。
判定
2D6+能力値±修正値が7±難易度修正値を超えると成功。
オプションルール
出目の6ゾロは条件に関わらず成功する。1ゾロは同様に失敗する。
プレイヤープロパティ**
レベル
経験値
ヒットポイント
能力値
ヒーローポイント
愛用道具
特徴
レベル
特にGMより指定が無ければ1から。レベルが上がればHPが増える。
経験値
初期点は0。現在のレベル×100点を消費すればレベルが上がる。
ヒットポイント
2D6+耐久値。レベルが上がれば1d6+耐久値だけ上がる。ただし、最低でも現在のレベル×5の数値になる。
能力値
それぞれ-5から+5の範囲を持つ。合計で10になるように割り振るか、2D6-7で決めてもいい。
- 筋力。力比べや白兵武器のダメージ修正。
- 耐久力。ヒットポイントの修正。病気への耐性など。
- 回復力。ヒットポイントや状態異常などの回復。
- 抑制力。発言を無かったことにしたり、好きな物を前にして飛びつかずにいる等。
- 決断力。キャラクターの主義に合わない事を実行する際等に使用。
- 知覚力。何かに気が付くか。
- 器用さ。攻撃命中、銃のダメージ修正、鍵開けなど。
- 敏捷力。回避判定や行動順や運動判定など。
- カリスマ。外見を含まない魅力。
- ルックス。見た目の良さ。
- 知力。何かを知っているかなど。
- 判断力。行動宣言時低い方から宣言、瞬間的に正しい判断を下せるか。
- 記憶力。情報を覚えているか
ヒーローポイント
初期値3
愛用道具
愛用道具は武器やスマホ、特殊な装備など様々で、使用の際には+3の判定修正が得られる。修正値はインフレ具合に合わせてGMの裁量で上下して良い。
特徴
3つまで最大5、合計7で取得。
戦闘
1. 判断力の低い順に行動宣言時。(オプション)
2. 敏捷力の高い順に行動。
3. 器用さ判定で相手の敏捷判定を超える数値を出したら攻撃は命中。
4. ダメージは基本的には1D6+能力値+ボーナス。良い武器などはGMの裁量でダイスを増やしてもいい。
5. もし防具などがあるなら減算。
基本的に大雑把であるが、ヘックスシートや他ルールの導入など、こだわってもいい。
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