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ケヴィン・デュラントのインタビュー:夏のトレード要求やチームメイト

ケヴィン・デュラントがB/Rのクリス・ヘインズに、なぜ夏にトレード要求をしたのか明かしました。これまでもメディア・デーでその理由を説明していましたが、ここまでハッキリ理由を言っていたのは今回がはじめてで、おそらくここまで踏み込んで話すのはこれが最後になるでしょう。

インタビュー自体もポッドキャストで話しているようなざっくばらんな感じになっていて、ヘインズとKDの関係性を良く表していると思います。他のレポーターではここまで引き出せないのではないでしょうか。そのおかげか、チームメイトたちの事では少し話し過ぎてしまって反省もしているようです。

● トレード要求した事について

ケヴィン・デュラントはオフシーズンにトレード要求をして話題を振りまきましたが、結局はチームに戻る事に合意しています。ヘインズは、それがまた今後出てくるのか知るためにも、過去になぜそれが起きたのか知る必要があると言って、KDにそのトレード要求について聞いています。

KD:「トレードを要求するのはまったくむずしくなかった。 私は彼らのところへ行き、”Yo、私たちの準備の仕方が気に入らない。私はシュートアラウンドは好きではない”と言った訳ではなかった。 練習は好きだ。私はもっとやりたい。もっといろいろなShitに取り組みたい。 私に責任ある行動を取らせろ。 もし他のみんなの頭の中に入る事の助けになるなら、フィルムで俺のassを叩け。 私はもっとクローズアウトしたい。 私は練習でもっとシェルドリルをやりたい。

これが私が彼らに言っていたShitだ。 それは、”私のまわりのみんなが私の仕事を楽にしてくれるようにする必要がある”というような事ではなかった。 そうじゃない、違うんだ。私はみんなの仕事を楽にしたいんだ。スティーブ・ナッシュに聞いてみろ。今すぐ彼に電話すればいい。 私は、”Yo, 私にはもっとクローズアウトのドリルが必要だ、私たちにはもっと練習が必要だ”と言っていた。私がやりたかったのはそれだ。

私はそれを感じていなかったし、誰も私と同じような雰囲気を持つ人はいなかった。ジャック・ヴォーンはそれを持っている。私は夏には不満があったが、その不満は私だけについてのものではなく、チームとしてどう動いているかということだった。私は、バスケットボール界から私たちへのリスペクトを得たかった。私は選手たちが私たちを見て、”あのFuckerたちはまったくもってShitだな、あんな感じのチームには入りたくない”と言うような事にはなりたくなかった。だから、私たち全員がShitみたいなプレーをしているとき、彼らが注目するのはひとりなんだ。だから私はトレードを要求した。

私は、良い練習、良い準備、良いエネルギーが好きなんだ。そして正直言うと、私たちはそれを見せてきている。

昨年は、本当のチームケミストリーを持つための良い準備、すばらしいエネルギーがなかったと思う。そして私たちは今それを築いているように感じている。何人かの選手がラインアップに加わったり外れたりしているが、その中で自分の役割を見つけつつあると思う」

アンドスケープのマーク・スピアーズからなぜ残る事にしたのか、まだ残りたいのか聞かれた時は形式ばった答えをしています。

KD:「私はここにいる人たちが好きだ。昨年はきびしいシーズンだった。浮き沈みが多かった。私がトレードを迫ったり、球団について私がどのように感じているかを話し、両サイドが正直な会話をすることができた。だから、私はそれが必要だったと思うし、それで前に進めたと思う。それで、それは、目標を達成するために努力する事についてだった。私はここにコミットした。ここにサインした。つまり、目標を達成するために努力する事とそれが私たちをどこへ連れて行ってくれるのか見る事だった」

ちなみに、このヘインズとピアースは同じ日にインタビューをしています。この時は、ヘインズとスピアーズは試合前(キングスに大敗した試合)に一緒にKDのところまで行ってインタビューできないか聞きに行ったそうですが、ヘインズは以前からKDに話を聞かせてくれとテキストを送っていて頼んでいたようなので、その差が答えにも出ているのかもしれません(実際は時間がなかったのかもしれませんが…)

また、KDはネッツであった事については前向きに捉えているようです:「もし私がリーグですべての経験ができるのであれば、私のキャリアは達成される。私はすべてを経験してきた:チャンピオンシップ、ルーキー・オブ・ザ・イヤー、オールスター、フリーエージェンシー、トレード要求、オールスターMVP、オリンピック、私はこのリーグですべてすべてを経験してきた。そうだ、私は過去2年間、選手たちがラインナップに出入りしたり、良いプレーをしなかったり、第7シードになってファーストラウンドでスウィープされたりと、予想していなかった事を経験している。それらすべてのShitはリーグの一部だ。それはみんなのジャーニー(旅)の一部だ。それを経験しなければならないからといって、私が惨めだというわけではない。リーグで多くの選手がブルシットを経験しているのを見てきた。だから今、私にはそれについての理解はある。ここにいる間にShitを体験することがすべてだ。 NBAプレイヤーとしていられる時間は限られている。私はこのShit(バスケ)を永遠にし続ける事はできない。だから私はここにいる間、すべてを経験するつもりがある」

ちなみにKDはシーズン開幕前のメディアデーの会見では、トレード要求した事について次のように答えていました。

KD:「昨年チームまわりはとても不安定だった。私は昨年の夏に、セカンドラウンドまで行った同じグループがいると思ってこの球団に4年コミットした 。(その時は) あともう1年健康だったら、未来に向けて何かつくれると感じていた… シーズンが進み、ケガで選手がラインアップに出たり入ったり、不確実なことがたくさん出てきた。それで私の次の4年のキャリアについて疑念が浮かんだ。私は年を取っていく…私はチャンピオンシップ・カルチャーをつくり安定した場所にいたかった。だから(ネッツには)疑念があった。私はそれをジョー(オーナー)に伝えた」

KD:「誰が試合に出ているかに関係なく、負けた試合の中には負けるべきではない試合もあった。だから私は毎日どのようにバスケットボールチームとしてアプローチしているかを心配していた…ステフィン・カリーとウォリアーズを見ると、彼はプレーオフに行く前にケガをしたが、彼らのチームは戦ってまだ試合に勝っていた。ルカもケガをしたが、彼らのチームは戦ってまだ勝っていた。チャンピオンシップ・チームにはそれができる… 私たちにはそれをするのに十分な才能があると感じていた」

「そして、私の中で最も重要だったのは、逆境に見舞われたとき、私たちはそれを乗り越え続けることができるかということだった…勝ったり負けたり、それらは受け入れられる。ただ結果だけを気にしている訳ではない。私たちがそこへどうやって行くかが大切だ。私は、私たちがそこまで行けると感じなかった。私はシーズン中にそれを言って試合に影響を与えたくなかったので、オフシーズンまで待って自分の気持ちをみんなに伝えた」

KDは続けて:「また、私が求めているのは、チームとして、フロアの両サイドでのプレー、GMから機材マネージャーまでのNBAコミュニティーの中でのリスペクトだ。私はそのリスペクトが欲しい。それは毎日のワークの仕方で得られると思う。昨年はワクチンの義務化、みんなの不満、ケガなどの状況のために、1年を通して私たちがどのようにワークしたかのステップをスキップしてしまった。私は私たちは前に進むためにもっとプッシュし続けられたと感じた」

● KDはリーダーではないと言う意見について

ヘインズとのインタビューでは、KDにはリーダーシップがないという話題も出てきました。KDはその事について次のように話しています。

KD:「私がリーダーではない?それは一体どういうFuckな意味なんだ? カイリーにワクチン接種を受けろと言わなかったから、私はリーダーじゃないって言う人が大勢いる。カモーン。あるいは、カイリーがチームを離れた時に、私が彼が人生を生きていることについて非難しなかったと言う人もいる。私は、成長したassの大人に対して、彼の人生でやっていいことと悪いことに口を出すつもりはないし、彼の見解や考え方を理解したり、彼がShitについてどう思うかに口は出さない」

KDが言及しているのは、ネッツ2年目のシーズンで、カイリーが個人的な理由で勝手にチームから離れて7試合を休んだ事や、3年目のシーズンにカイリーがワクチン非摂取でアウェイでしかプレーできないパートタイムになった事(これはカイリーの責任ではありませんが)、そして今シーズンにあった反ユダヤ主義騒動の事です。KDが友人でもあるカイリーに何か言うべきだったと言う意見もありますが、KDはカイリーをひとりの大人としてリスペクトしているといったところでしょうか。

● チームメイトたちについて

また、インタビューではチームメイトたちの事を次のように発言してメディアに取り上げられてしまい、反省しているようです。

KD:「私たちの先発スターティングラインアップを見てくれ。エドモンド・サムナー、ロイス・オニール、ジョー・ハリス、(ニック)・クラクストン、そして私だ。リスペクトしてない訳ではないが、このグループに何を期待しているんだ? だから、私がいるから勝つことを期待している。そういう見方をすれば、7番がそこにいるので、あなたたちは私たちが良いプレーをすることを期待している」

ESPNのケヴィン・ペルトンはこれを聞いて、「とても手厳しい意見だ」と言っていました。KDはなぜそのように言ったのかについて自身のポッドキャストで次のように説明しています。

KD:「クリス・ヘインズにはもっとちゃんと説明するべきだった。それはああいう意味ではなかった。そういうつもりで言った訳ではない。私はむしろ、チームメイトを他のみんなの期待から守ろうとして言っていたんだ。Yo、少しリラックスしよう、すべてがうまくいくようになるまで取り組ませてくれ、でも今の私たちのプレーを見てくれ。30点勝ち、40点勝ち、そして相手チームを100点以下に抑えた試合もある。でも、ある試合でレイカーズに150点取られて負けて、みんなが、”Shit、ああ、希望がない”と思うんだ。

でも、Yo、私たちのチームの進歩、私たちがやっていること、そしてどう選手たちが一段とがんばって、もっとやろうとしているのを見ているか?って感じだ。だから、”ここであなたたちが必要な理由はこれなんだ”と実際に言えるようになったら、エドモンドも良くなるし、ロイスも良くなるし、クラックスも良くなるし、私も良くなるし、ジョーも良くなる… みんなが自分のゲームの幅を広げているので、チームには浮き沈みがあるんだ。そして私はただそれを言おうとしていただけだ。

毎晩パーフェクトであることや、毎晩すばらしくいることを期待しないでほしい。なぜなら素晴らしいバスケットボールをするときもあれば、次の試合では調子が上がらず、Shitを決めれないかもしれないからだ。それが私が言いたかった事だ。でももっとうまく言えたはずだ。その責任を誰ではなく私が自分自身で負う。なぜなら私は最初にこのように説明できたはずだったからだ、”私がいるので、みんなは彼らが勝つことを期待している” [ため息]。 みんなは私の名前を見るので、彼らへの期待がはるかに高まると私は感じている」

ファンが、ステフやレブロンのいるチームが優勝候補になると期待するのと同じような事を自分のチームにも感じているようです。

KD:「みんなにテキストを送ったんだ。なぜならそのShitの事で彼らに本当に申し訳ないと感じていたんだ。それは、ちくしょう、チームメイトの前を歩くのが 恥ずかしくなるところまでいっていた」

「私は、”Fuck、そんなつもりじゃなかったんだ。それがあらゆるところで見られるのもわかっていた、彼らの友だちや家族がそれを彼らに知らせるのもわかっている…Fuck”みたいな感じになった」

「私の意図はそのような反応を得ることではなかった。どちらかと言うと、私たちのファンのネッツファンを落ち着かせようとしていたんだ。彼らは私たちのチームについての多くのことをメディアに聞いていて、私は選手としてそれを懸念している。私は自分がファンベースを代表しているように感じているので、雑音を少し落ち着かせられるチャンスがあれば、私たちのチームの状態を伝えようとしていた。それをやるのはかまわない」

ネッツでいろいろな経験をしているKDは、選手としてだけではなく、リーダーしても成長しているようです。


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