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サンズの売却と新オーナーのマット・イシュビア

今回は、$4B(およそ5120億円/$1=$128)のバリュエーションでの売却が決まったフェニックス・サンズについてです。サンズのトレードにも影響しそうなので、トレードシーズンが本格化する前にまとめたいと思います。

サンズのオーナーのロバート・サーヴァーが、ブラックオーナーとしていろいろやらかしてNBAから1年の謹慎処分と$10Mの罰金(&良き職場づくりのトレーニング・プログラム)を受け入れたわずか1週間後に、フェニックス・サンズとWNBAのフェニックス・マーキュリーの売却意向を発表しました。なにをやらかしたのかは、こちらで特集しているので、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

Part 1:ロバート・サーヴァー問題について
Part 2:ロバート・サーヴァーへのNBAの罰則について
Part 3:サンズ売却について

売却理由については詳しくはわかりませんが、スポンサー離れを恐れたのも大きな理由のひとつだと思います。サンズの主なスポンサーには、通信大手のVerizon、Paypal、サントリーの子会社のBeam Suntory、ステフ・カリーのコマーシャルでも知られているCarMax、NBAのスポンサーもしている韓国のKia、キャブスのオーナーのダン・ギルバートのRocket Mortgageが含まれていて、彼らの中にはスポンサーを降りるか注視しなければいけない会社もあると言われていました

その中でもPaypalの動きは速く、サーヴァーが停職処分になってからすぐにCEOのダン・シュルマンが、サーヴァーがサンズのオーナーでいる限り契約を更新しないと発表しました。シュルマンはVerizonの取締役でもあります。

スポンサー離れが進むと利益が目張りしてしまう&ブランド価値が大きく損なわれるため、その前に売却するのがリターンが最大になると判断したのでしょう。ちなみに、Statistaによると、2021-22シーズンのサンズの営業利益は$87Mでリーグ16位になっています。球団価値リーグトップのウォリアーズの営業利益は206M、球団価値リーグ最下位はネッツの-34M(リーグ唯一の赤字)です。

サンズが売り出されるニュースが流れてから、いったいいくらで売れるのだろうと話題になりました。ワシントン・ポストのベン・ゴリヴァーの見立てでは、サンズの球団価値は2022年の9月時点で$1.8Bなので、少なくても$2B以上はいくだろうとの事でした。これはフォーブスのサンズのバリュエーションの$1.8B、Sporticoの$1.92Bの試算と一致します。

サーヴァーはサンズを2004年に$401Mで買収していて(実際は借金を引いた$200M)、その35%を所有していると言われています。サーヴァー個人が出したお金は、$200Mの30%(当時)なので、$60.3Mのみ。それが$2Bで売り抜けられれば、$60.3Mの投資が19年でおよそ11.6倍の$700Mになり、利回りは14%近くになった事になります。この数字を見たら、売りに出す判断に迷いはなかったかもしれません。その上これまでやりたい放題やってかなり楽しんだと思うので、サーヴァーにとってはそれ以上の価値があったのではないでしょうか。

● これまでの球団買収価格ランキング

  • 1位:ブルックリン・ネッツ(2019) $3.3B(内$1Bはアリーナ)

  • 2位:ヒューストン・ロケッツ(2017) $2.2B

  • 3位:ロサンゼルス・クリッパーズ(2014) $2.0B

  • 4位:ユタ・ジャズ $1.6B(2020)

  • 5位:ミネソタ・ティンバーウルブス(2021) $1.5B

中にはThe Ringerのビル・シモンズのように$4B近くまで行くと予想した人もいますが、ESPNのラモナ・シェルバーンやThe Athleticのマイク・ヴォークノヴは$3Bになるという予想していました。9月末には、フォーブスはサンズは少なくとも$2.5Bで売却されるのではとレポート。

サンズがネッツやロケッツよりも高くなる理由は、(A) 冬でも気温が20度以上とあたたかく(ただし真夏は40度)、(B) サンズの本拠地であるフェニックスはロスやシリコンバレーからも近いため、大富豪のオーナーがプライベートジェットで小一時間で行けるという地理的要素、(C) 新しい練習場とリノベしたアリーナなどのハコモノ資産要素等があります。

そのため、多くの投資家が買収に参入すると言われていました。実際に噂があったのは…

  • アマゾン創業者のジェフ・ベゾス(総資産$100B超え)

  • オラクルの創始者で元CEO/会長/CTOのラリー・エルソン(総資産$94.4B)

  • ペイパルの創業者で投資家のピーター・ティール(総資産$4.1B)

  • 故スティーヴ・ジョブスの妻でウィザーズのマイノリティー・ガバナーのローレンス・パウェル・ジョブス(総資産$13.6B)

  • 元ディズニーのCEOのボブ・アイガー(アイガーは12月にディズニーのCEOに電撃復帰)。

アイガーはディズニーが所有するESPNを通して、莫大な放送権を払ったり、パンデミック時にバブルの開催地を提供していたりとNBAとは良好な関係を築いています。また、さすがにディズニーのトップだっただけあり、カルチャー・ビルディングには一目置かれていて、カルチャーが崩壊しているサンズのオーナーには適任だと言われていました。しかし、アイガーの総資産は$350Mと言われ、他のライバルたちと比べると、NBAのオーナーになるための15%の株式確保($3Bの評価で$450M)には物足りないものがあります。

(NBAコミッショナーのアダム・シルヴァーとディズニーCEOのボブ・アイガー)

アイガーに関しては、そもそもサンズのオーナーにはなれる可能性はなかったとも言われています。シモンズによると、サーヴァーは、サンズの問題が公になるきっかけとなったESPNの記事に怒っていたため、絶対にESPNの親会社のディズニーのCEOだったアイガーが入る投資家グループには売らないと決めていたそうです。ESPNのラモナ・シェルバーンによると、サンズは球団売却時にはサーヴァーがその全権を握る契約になっているそうです。そのため、例えアイガーがもっとも高額のオファーを出してきても、サーヴァーは他の株主の意見を聞かずに独断で断るつもりがあったという事でしょう。

また、シモンズは、バスケ好きとも知られる元大統領のバラク・オバマもどこかの投資グループに入っていたとレポートしています。

10月のフォーブスの球団バリュエーションで、サンズの評価額が$2.7Bにあがりました。シェルバーンの言うような$3Bも射程に入ってきました。Forbesのマイク・オザニアンは売却額は$4B~$5Bの間になるともレポートしています。

そして、サンズへのオファーの第一報がありました。ウォールストリート・ジャーナルによると、2022年12月10日にピーター・ティールが入った投資家グループ(プライベート・エクイティーと政府系ファンド)はサーヴァーに$3Bをオファーしたそうです。

他にもサンズを買収したがっている投資家グループが5つくらいあり、1月にまた入札があるとの事。

サンズの売却を担当する投資銀行のMoelis & Companyはここから$3Bをベースに入札競争を始めるのだと思われていました。サーヴァーとしてはできる限り価格を釣り上げて高値で売り抜けられればいいので、まだまだ焦る必要もありません。また、サンズのCFOが従業員に売却には6~9ヶ月かかる(はやくても3月)と知らせていましたし、それに、サンズの財務調査や、$3Bもの巨額買収資金の融資の目処をつけるのも時間がかかると思われていたからです。

しかし、なんとその2週間後のクリスマス前に買収合意が成立したのです。

UWMホールディングスのCEOのマット・イシュビアが、ティールのオファーを$1Bも上回る$4Bのオファーをしたとのレポートがありました。

どうやらサーヴァーは即決だったようで、売却に合意したようです。サーヴァーがなぜ時間をかけなかったのかは不明です。ひょっとしたら、希望額に達したので、入札で時間をかけるよりも早く売りたかったのかもしれません。マットの弟のジャスティンがガヴァナー代理になるとの事。

イシュビアは住宅ローン卸売業者のUnited Wholesale MortgageのCEOでチェアマンを務めているビジネスマンです。会社は彼が設立した訳ではなく、父のジェフ・イシュビアが創業し、マット・イシュビアは2003年に入社。2013年にCEOになり、UWMを全米最大手にまで成長させました。2021年の1月にSPACで会社を上場し、スリーコンマ・クラブの一員になっています。

住宅ローン業界では、デトロイトのQuicken Loansとライバルだそうです。Quicken Loansといえば、クリーブランド・キャヴァリアーズのオーナーのダン・ギルバートの会社です。

Forbsによると、マット・イシュビアの総資産は$5.3Bで、ダン・ギルバートは$17.5B(リーグ4位)です。Fadeway WorldのNBAオーナーの金持ちランキング(2022)では、イシュビアは、現在同列12位のマジックのリチャード・デヴォスの$5.4Bと13位のマーヴェリックスのマーク・キューバンの$4.5Bの間に入る事になります。(このオーナーの資産についてリサーチすると各媒体で違う数字が出ているので注意が必要です。ここでフォーブスの数字を使わなかったのは、下のリストの写真を見てもらいたかったからです)

また、イシュビアは2000年にミシガン州立大のバスケットボールチームでNCAA優勝をしています。ウォークオン・プレーヤー(奨学金プレーヤーほどではない)だったので、注目選手だったという訳ではありませんが、大学ではシニアまでプレーしていたようです。

2021年にはミシガン州立大のアスレティック部門に$32Mを寄付したそうです。

イシュビアはスポーツ球団のオーナーになりたかったらしく、これまでにNFLのデンバー・ブロンコスやMLBのワシントン・コマンダーの買収にも参加していたようです。また、シモンズによると、サンズ買収合意前までは、バックスのオーナーのマーク・レスリーが売りに出しているバックスの株式の買収もしようとしていたとの事。

そのため、イシュビアはピストンズのジャージー・パッチ権などに金を出しながら、NBAのコネを増やして球団買収の準備をしていたようです。ESPNのWojによると、イシュビアはNBAオーナーたちと関係を築いてきていて、コミッショナーのアダム・シルヴァーを含むリーグオフィスからも良く知られていて評判も良いようです。シルヴァーは声明で、「マットは勝利とコミュニティー・サポートという球団レガシーを築いていき、サンズとマーキュリーを次の時代へ導く正しいリーダーだ」と話しています。

現在NBAはイシュビアのバックグランド・チェック(財務、個人、犯罪等)をしていて、NBAの理事会で3/4の承認が得られれば、NBA最年少(42歳)のオーナーが誕生する事になります。

イシュビアのサンズ買収での大きなポイントはなぜ$4Bなのかです。なぜ競合よりも$1Bも多く払って球団買収を決める必要があったのでしょうか。

・NBA放映権の契約更新がある
CNBCのジャバリ・ヤングによると、NBAは9年で$75Bの契約を目指しているとの事です。そうするとNBAには年間$8B以上入ってくる事になり、それを各球団で分け合うと1チーム$266M以上になります。現在の契約は$24Bで年間$2.6Bだったので、年間$8Bは破格に聞こえるかもしれませんが、NFLは2021年に11年で$100Bの契約をしているので高くはないかもしれません。

特に今はどの番組も視聴率が下がっているため、スポンサーはスポーツのように若者にリーチできる媒体を求めています。アマゾンもNFLに参入しましたし、NBAも次の放映権売却では、ある一定の試合をAppleなどのストリーマーにも振り分けるつもりがあるとも言われています。そうなれば、放映権は$75Bよりも高くなるでしょう。

・エクスパンションが控えている
TV放映権のディールがまとまれば、エクスパンションが控えていると言われています。アダム・シルヴァーも否定していません。現在はシアトルとラスベガスの2チームになると言われています。

なぜこのエクスパンションがサンズの買収の鍵なのかは、新しいオーナーがNBAに払う巨額のエクスパンション・フィーです。

例えば、今レブロンとフェンウェイがオーナーになるのではないかと囁かれているベガスチームのエクスパンション・フィーは$4Bになり、シアトルは$4.5Bになると言われています。この合計$8.5Bがオーナーに振り分けられます。単純計算で$283Mです。仮に10年間だと年間$28.3Mです。このお金はBRIとは違い、選手たちとシェアしなくても良いので、オーナーたちにとっては大きな収入になります。

ただ、考慮に入れなくてはいけないのはチームが32に増えると、その分チームに分配される放映権も1/16希薄されてしまうので、このエクスパンション・フィーはそれを上回る額が設定されるはずです。例えば、放映権が噂通りに$75Bで決まったとすると、それを32チームで割ると$250になり、30チームムでいた場合に比べて$16M損をしてしまいます。それではオーナーたちは球団を増やそうとは思わなくなります。それをエクスパンション・フィーでカバーする事になるのです。この計算は利率も関わってくるようなので、詳しくは割愛しますが、$4B~$5Bに落ち着くだろうと言われています。

・今後このような経済圏の中でどのチームが売りに出されるかわからない
放映権やエクスパンション・フィーなどの金額を見れば、既存のオーナーも球団を手放そうと思わないでしょう。ウルブスのオーナーのグレン・テイラーも今球団株式をマーク・ロリーとA-Rodに分割で売る契約をしていますが、もしロリーとA-Rodが資金を集められなければ、彼らと約束した$1.5B以上でまた売りに出せばいいと思っているそうです。

これらの経済的要素を考えれば、NBA球団が売りに出される可能性はこの数年はなさそうです。今売却が決定しているのは、亡きポール・アレンの遺産管理団体が手放す算段を進めているブレイザーズですが、それもいつになるかわかりません。しかもフェニックスのマーケットサイズはリーグ12位で、それ以上大きなマーケットのチームは売りに出されないでしょう。これがフェニックスのような優良案件が出てくる最後のチャンスかもしれません。

・NBAの成長
NBAのファンは若く、まだ世界的にも成長の余地があります。今後もファンが増え続け、NBAのBRIも増加傾向にあるため、イシュビアは$1Bのプレミアムを払っても、最終的なローン返済よりも得られるキャッシュの方が多いと踏んだのでしょう。また、スポーツギャンブル全国合法化のあたらしい金脈も控えています。

このように、イシュビアたちは、NBAにはまだまだ成長の余地があり、球団価値は今後おあがっていくだろうと予想しているのは間違いありません。

とは言え、イシュビアの投資家グループが実際に$4Bを払うかと言えばそうではありません。ESPNは50%以上の株式を取得するとレポートしています。そうすると実際に用意するのは$2Bで住みます。シモンズによると、サーヴァーは60%売却するとの事で、そうなるとイシュビアは実際には60%の$2.4Bを用意すればいいだけなになります。

イシュビア個人の取得株式率がどれくらいになるかはまだわかりませんが、仮にサーヴァーの35%であれば$1.4Bを払う必要があります。

サーヴァーに関しては、$60.3Mの投資が19年で23.2倍の$1.4Bになり、利回りはなんと18%以上です。ローリスクで18%の利回りはかなりのハイリターン投資だった事は間違いありません。むしろ、ここでイグジットしていた方が良かったと思います。

気になるのはイシュビアの今シーズンへのチーム/球団への影響です。

現在サンズは(1/17時点)21勝24敗でウェスト12位とプレーイン圏外になってしまっています。オフェンシブ・レイティングは113.8の13位、ディフェンシブ・レイティングは113.1の15位、ネット・レイティングは0.7の13位です。主力選手のケガに悩まされているので、実際にはもっと良い数字を残せる実力はあるはずです。

538のeloモデルでの予想は(1/12時点)、41-41でウェスト6位、プレーオフ進出確率は61%になっています。

サラリーキャップは15人で$167.1Mとタックスを$16.89M超えています。タックスの支払いは$34.89Mになっています。

NBAは、サーヴァーは罰則により球団とのコミュニケーションはとれないと言っていましたが、実際には抜け穴があり、サーヴァーへの罰則には拒否権条項が与えられているそうで、NBAの平均サラリーの$10.8M以上のトレードはサーヴァーの許可を得る必要があるとの事です。

例えば、クラウダーのサラリーは$10.2Mですが、これはサーヴァーの許可が必要な範囲内でしょう。しかし、新オーナーになるイシュビアの意向もあります。イシュビアからすれば、早くオーナーになって、春にはプレーオフを楽しみたいでしょう。2/9のトレードデッドラインまでは、イシュビアのNBAの承認プロセスは終わらないと言われていますが、イシュビアが望めばサンズも指名権を出したり、タックスを増やすような大きなトレードをするかもしれません。

なにしろサンズは来シーズン8人(部分的保証のクリス・ポールとキャメロン・ペイン含む)で$162.28とタックスを超えています。カム・ジョンソンとジョック・ランデールはRFAです。衰えが見えてきたクリスポールを切ったとしてもタックスは確実に超えるでしょう。イシュビアはその高額なサラリーキャップを受け継ぐので、売却合意で自分の意見も通してもらいたいと思うのも当然の事だと思います。

ウィンドーストにとると、現在サンズには3人のオーナーと呼べる人(➀ 代理オーナーのサム・ガーヴィン、➁ 職務停止処分中のサーヴァー、そして➂ 今にも自分の思うようにしたいイシュビア)がいるため、クラウダーをトレードするのも容易ではないそうです。GMのジェームズ・ジョーンズも誰の言う事を聞けばいいのかわからない難しい状況に置かれているとの事。クラウダーのトレードに時間がかかっているのも、こういった理由もありそうです。

また、イシュビアの元、サンズのボロボロだった組織カルチャーが改善されるのかも大きなポイントです。

イシュビアの会社の情報は良いものと悪いものにわかれていて、ESPNのブライアン・ウィンドーストによると、彼の会社のカルチャーの評判は良いそうです。

しかし、Meadowlark Mediaのトム・ハバストローによると、イシュビアの会社は、サンズのようにパンデミックの最中に週5日の出社を強要して500人以上が辞めたり(イシュビアはその経営判断には一瞬も後悔していないと言っている)、残業代未払いで訴えられたり、始業30分前に出社して業務の準備をしなければいけないが、その時間は勤務時間に入れないなど、まるでどこかの日本のブラック企業的要素があるそうです。そのため、イシュビアの会社はサーヴァーの時にも問題になった「有害な職場」環境ではないか?と疑問を持たれたりもしています。

また、イシュビアは、取引会社にもライバルであるギルバートのロケッツ・モーゲッジと取引するなと迫って彼らを訴えたりしているそうです。さすがに下請けいじめまでする会社となると、彼の会社にリスペクトがあるカルチャーがあるとは思えません。おそらくビジョンが単なる金儲けなのでしょう。これまで不当な人事、ミソジニー、パワハラ/セクハラが横行していたサンズですが、この売却で本当にフェニックスのように蘇えられるのか非常に気になるところです。

そしてこの夏は元ミシガン州立大の選手が5人います。ドレイモンド・グリーン、ブリン・フォーブス、ゲーリー・ハリス、マイルス・ブリッジス、ゼイヴィア・ティルマンです。大学つながりで彼らを獲得するのでしょうか。The Athleticのジョン・ホリンジャーは、ミシガン州立大関係で、同大学バスケチームのヘッドコーチのトム・イゾーがコンサルに入っても驚かないと言っています。

サンズの他の大きな課題は、他球団に比べて低いフロントの予算です。特にスカウト部門は十分にスカウトできない程の規模感だそうです。世界トップ10クラスの大富豪がオーナーのクリッパーズは、スカウト部門で14人雇っているそうですが、サンズのフロントは14人しかいないようです。おそらくサーヴァーが金を出さないためだと思われます。

現在NBAチームはドラフトで確実に有望な選手を当てるために、大学だけではなく、ヨーロッパやオーストラリアのプロリーグ、そしてGリーグやOvertime Eliteなどのような独立リーグにもスカウトを送り、1年中スカウトを雇って何億円も使っています。しかし、サンズはその逆方向に行っているそうです。元ESPNのケヴィン・アーノヴィッツは当時「サンズはNBAドラフトに重きを置くベストな方法は、まったく重きを置かない事かもしれないと決めた」とレポートしています。それについて関係者は「他のチームから見ればふざけて見えるかもしれない」が、サンズのドラフトボードには5~7人しか残らなかったりするそうです。

話はそれますが、これはGMのジェームズ・ジョーンズのやり方かもしれません。ジョーンズはスカウトの200~300人の選手のレポートは読まずに、全体的なマクロレベルの話をしたがるようです。

はたして、イシュビアはフロントオフィスを強化&モダン化し、球団カルチャーを健全化する事はできるんどえしょうか。そして、せめて優勝を狙える間はタックスはケチらないで欲しいですね。NBAやイシュビアもこの改革の成功をPRしたら球団のリスペクトもあがると思います。

最後にこれから$1.4Bを手にするご満悦なサーヴァーをご覧ください。

いや、冗談です。これはチームのチャーター機内でエイトンのネックレスをかけてご満悦なサーヴァーです。やはり露出好きなのでしょうか(笑)。



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