LB6でアルトリア・キャスターが見ていた星とはなんだったのかという話
・はじめに
どうもよるとりです。
思ったより魂がLB6に囚われ続けてる。助けてくれ。
最近原稿のためにLB6を読み返したり追加燃料があったりで、ようやく「オベロンのいうティターニアとは何なのか」とは何なのか、人に自分はこう認識していると説明できるくらいにはなったのですが、それを話すにはどうしてもこのnoteのタイトル「アルトリア・キャスターが見ていた星とは、一体なんだったのか」ということを明らかにして、前提条件として認識してもらう必要があるため、このnoteを執筆します。
というか4月12日に答え合わせが来るから慌てて書いてます。助けてくれ(二回目)
アルトリア・キャスター(以下、キャストリア)自身が作中「あの星がなんなのかわかりません」と、明確な答えを出さないので、そこにFateの他作品の引用を用いて推察する記事です。
暇つぶしになれば幸いです。
結論から先に言うと「アルトリア・キャスターが見ていた星は、汎人類史のアルトリア・ペンドラゴン」です。
・Fateにおいて星とは、個人を指す場合はアルトリア・ペンドラゴンを指す
身も蓋もないことを言うと、これに尽きます。いや、早く自分もこの結論に至りたかった。
Fate/stay nightをプレイした方や、小説版Garden of Avalonを読んだ方はわかるかと思うのですが、サーヴァントの総称を星、星の光と表現することはあれど(例・終局のアレ)個人を指す星の使い方の場合は、アルトリアを指します。
なるべく複数の媒体からアルトリアについて語られている箇所を引用させて頂きました。思ってたよりし多分まだあるなこれ。
Fate/stay night、Fateルートで描かれた物語。
アルトリア・ペンドラゴンは自らの人生をなげうち、ブリテンの王となる人生を選び、その果てに王として孤独に滅びました。
彼女はその終わりに「自分ではないものが王になった方がよかったのでは」と世界と契約をして衛宮士郎と出会い、諭され、気付き、その願いを捨て、眠りにつきました。
衛宮士郎、アーチャー、ギルガメッシュ、マーリン、サー・ケイ、円卓の騎士たち……。アルトリアの儚くも美しい人生が目に焼き付き、そして焦がれた人たちは、Fateシリーズという作品が広がる度に一人また一人と増えていきました。
そんな作中人物(というかライターの奈須きのこ氏)が彼女を表現する言葉が「星」なのです。
・「Garden of Avalon」におけるアルトリア・ペンドラゴンの受容
「Garden of Avalon」(以下GoA)は2014年放送アニメ「Fate/stay night -Unlimited Blade Works-」のブルーレイボックス特典の小説です。奈須きのこ先生書き下ろし。すごい。
とはいえそちらを読んでいない方も多いかとは思いますので、かいつまんだ説明と概要、LB6とこのnoteに関わる部分をこちらで取り上げさせていただきます。
GoAを一言で言うなら「アルトリア・ペンドラゴンの生涯と、それに寄り添った魔術師の記録」です。
あらすじを起承転結で要約して載せます。本当に粗筋なので、詳しく読みたい人は円盤を買うかドラマCDを買いましょう。両方買うのがいいと思います。(推しまくる)
要約だけで結構な尺を割いてしまいました。読んでくれた方ありがとう。
本当に美しい話なので本編を読んでほしい……。
Garden of Avalonとは一体どういう話だったのか。
アルトリア・ペンドラゴンは、ブリテンを生き永らえさせるために作られ、生まれました。そうしてアルトリアは望まれたまま理想の王になりました。
王として消費するために作られた少女の幸せは誰も考えないまま、理想の王を作り上げてしまった。
ブリテンのために「消費」されるためだけに作られた少女の人生。
マーリンはその罪に気付かされ、やがてアルトリアは少年に出会い、自分の穏やかな滅びを迎えることを良しとする。
「目的のためにアルトリアという少女が大義のために消費されるということと、それは周囲の人間にどう映っていたのか」
これがGoAの一つのテーマとなっていることがわかります。そしてこれは後述するキャストリアについても繋がる要素になります。
・キャストリアにとって、アルトリアはどう映っていたのか
はてさて、汎人類史のアルトリアはそれはそれはもう星だったわけですが、それはキャストリアからどう映っていたのでしょうか。
アルトリア・キャスターにとって、アルトリア・ペンドラゴンは異様な光景でした。自分が幸せじゃないのに、どうして人を幸せにするためにすべてを投げうてるのか。そうして終わった彼女の運命に、キャストリアは憐憫とも同情とも怒りとも似た感情を抱いていました。
自分が予言の旅を投げ出せば、彼女はこのような末路を迎えなくて済む。
……この辺の話になってくると、そもそもキャストリアとアルトリアの関係がわからず「んん?」となってくると思うのです。
そんなわけで次項。
・アルトリア・キャスターという「楽園の妖精」の使命の真相
楽園の妖精の使命は、表向きは「巡礼の旅」を終え、鐘を鳴らし、ブリテンを正しく導き、救うこと。
しかしながらその実態は、彼女の命と引き換えに聖剣を作り、外敵と戦う藤丸たちにそれを託すこと。それが使命でした。
ではそれが汎人類史のアルトリア・ペンドラゴンとなんの関係があるのか?
モルガンと対峙した時のセリフです。
ここ、初読時も「うん?」となった部分ですが、改めてこちらを用いて書いていきたいと思います。
第二部冒頭。汎人類史は地球の表面ごと漂白され、聖剣の概念は失われました。
汎人類史のアーサー王、「アルトリア•ペンドラゴン」という聖剣の王がいたことも失われました。
聖剣を復活させるために星の内海は「楽園の妖精」を派遣して、聖剣を作ることに。しかしその方法は、楽園の妖精の集めた情報を元に聖剣を鋳造するというもの。
しかしはじめに派遣された楽園の妖精、ヴィヴィアンはその使命を捨ててモルガンとしてブリテンに君臨しました。
そうして2番目の楽園の妖精として生み出されたアルトリア•キャスター。その名前の由来は「唱えるもの」。作中度々この呼び名で呼ばれていました。
アルトリアという王の名前を唱えるためにこの名前と共にブリテンへ流れ着きました。
それはつまり「汎人類史のアルトリアの存在証明をするために、アルトリア・キャスターは生まれ落ちて命を散らす定め」だったわけです。
ヴィヴィアンが聖剣を作った場合、アルトリアという王がいたという存在証明にはならない。
『あなたがちゃんとやっていれば、あの娘は王にならなくて済む』
この台詞の真意はそんなところにありました。
ブリテンを正しく終わらせること。
汎人類史のために聖剣を造ること。
汎人類史のアルトリアの存在証明をすること。
アルトリア・キャスターはこれらの目的のために、都合よく使い捨てるために作られた物語のような存在でした。
・アルトリア・キャスターの答え
キャストリアはそれらの運命を理解しながら、迷いながら、それでも星の内海の鍛冶場まで辿り着きました。
なぜ彼女が聖剣を造る=自らの運命を受け入れることができたか。
それが妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ「星の生まれる刻」です。
キャストリアは星を裏切りたくない、つまりは違う世界の輝かしい自分に相応しい自分でいるということのために聖剣を造ること、自身の滅びの運命を受け入れました。
滅びの丘で、自らの運命を穏やかに受け入れたアルトリア・ペンドラゴンと同じようにそれを自ら選んだわけです。
ということを言うためだけにGoAの要約を必死になって読ませました。読んでくれて本当に本当にありがとうございました。
・おわりに
色々引用足らずなところがありますが、私が4月12日に○ぬための遺書みたいなものなので(意味不明)それ以降に大幅な加筆修正するかもしれません。
LB6を読んでアルトリア・キャスターのことをあまりよく理解しきれなかったみたいな人とかの手がかりになれば幸いです。
それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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