なずしろ

歌詞、たまに短歌

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青の行方

過ぎ去った街の名は思い出せない 気づけば灯りが目立ち始めて 何度も書き換えた終点が 迫る今もまだ探している 手に入れた青の行方を 見慣れた帰り道 思い浮かべて 広がる景色に重ね合わせた 答えを知っている交差点 止まったままの信号がまた 動き出す 永遠ばかり願って 他に何も見えなくて 僕らだけのものだった ありふれた奇跡だった 終わりを受け入れることは 諦めることだろうか 間違い探しをするみたいに  夢をかたどって 欠けた台詞も 笑い声も 光を纏って 消えないまま ここに

    • 消夏

      目を刺すような眩しさと 持て余した青写真 焦がれない夏に一人 寄せては返す寂しさや 熱を持った憂鬱だって いつかはどこかへ消えるんだろう 少し重いペダルを漕いで 「こんな世界抜け出そうよ」なんて 八月 穏やかな心中は 誰にも明かせなくていい 迫る炎天 目を逸らして 迷うつまさき 飛沫を上げて あわを呑んだ 深く潜った 遠ざかる 音も光も熱も ねえ 息を止めて 流れゆく今 淡々と刻む鼓動たちは 「置いてかないでよ」すら言わないままで 忘れられていく 「夢はいつか醒めるら

      • 終止線

        青い 白い空気の中に 淡い光が差し込んで 広い 狭い世界の空 消えてゆく雲の痕 ねえ ずっと知らなかった 取りこぼした君の想い 交わった線は遠ざかるなんて とっくにわかってたけれど きっと望んでいた 取り留めもない永遠を 雨水が流して それでも 種はここに埋まったままでいる 蝉が止んだオレンジの夜 君は何を言ったのだろう 笑顔はまだ覚えていて 飲み込んだ言葉も覚えてた きっと恐れていた 超えられない線の前で 躊躇った一歩 欠けた私が 埋まっていくのが怖くて ずっと拒ん

        • illuminate you…

          https://soundcloud.com/user-880082631/illuminate-you きらめく光が彩る街 誰にも言えない秘密のシグナル 気づいてほしくはないけど ほんのちょっと期待して そわそわしてる 君との距離感は? 歩幅と溜息と 届きそうで届かない 不思議な予感で 心の奥底の欠片がぶつかりあって 小さな宇宙が始まりかけたら 悴む手を握りしめて ふわりと纏った わからないから もう少し 君を見ていても いいかな 夢か現実か曖昧な 戸惑うハートに浮

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        • なずしろ短歌
          5本
        • なずしろ歌詞
          29本

        記事

          風のままに

          始まる予感がノックして 夜明けの海へ漕ぎ出した 色づく世界見渡して どこへ行こう? はやる鼓動 ワクワクも 不安も全部詰め込んで 昇りはじめた太陽に 手を翳せば 眩しい光と夏風のハーモニー 片道切符の旅さ どこへだって行けるだろう 波間を漂って 時には飛沫上げて進め どこまでも さあ 明日へと続く路を 握りしめた地図からはみ出したっていい 風向きはわからなくたって 波打つ期待に身を任せて 水平線の先まで行こう 吸い込まれそうな空へと 次々に鳥は飛び去って ちっぽけに揺

          風のままに

          Harmonia

          繰り返す日々 巡る季節は遠くて 届かないまま 閉じ籠ったままだった 君を見つけたから 鏡写しの魂を宿して 埋められない空白の 答えを探しにゆく 廻り続ける運命の彼方まで Thursday’s children have far to go together… 触れた温度さえ分からなくて 夢の余韻だけを感じてる いつかの夜 交わした約束が 私をそこへ導いていた 0か1かしかないのならば 君はどちらを選ぶのだろう 忘れた春の向こう それでも君の手を離さないよ

          夏の痕

          鳴り止まないものなんてないと いつかの夕立も静まった夜 幽霊とか居てもいいのにね 夏なんだからさって揺れた向日葵 甦る 蝉 雨に 誰かの涙に紛れて 見つからないうちに 塗り潰した頁 息もできない海の底で僕は きっとその熱に触れたのに 掴めない 幸せはただそこに在るだけで 靴紐のように何度確かめても 目覚めたら 跡形もなく消える雲の 輪郭を夜のなかに探した 案外覚えているんだね 迷わない曲がり角 鼓動 心が読めたら言葉は要らないな 君にしか嘘は吐けなかった 風 波に

          サンセットブルー

          https://mirinn.bandcamp.com/track/--17 また一日が終わるね 隣の君がつぶやいた なめらかな文字盤に 私は線を引けなくて 手からこぼれ落ちる砂 いつのまにか晴れた雲 膨らんだ半月も いつかは欠けてしまうんだ 最初から違った歩幅に 今更気づいたふりをして 立ち止まった夕方 掴めない影みたいな予感 さよならを言えば消えてしまうのは 手の届かない昨日のこと 当たり前の続きなんてないと 確かめあえば崩れていく 繋いだ景色を夢見ても 逃れられ

          サンセットブルー

          timecapsule

          言葉にもならずに 夢中で紡いだ音 小さな天球で ひとり聴いていた 出会った時のこと もう曖昧になって 当たり前が増えた今も その続きを歩いてる 書いては消した恋文のなか 名前のない想い うまく言えないままでも 信じたいと思ってしまったから ただ隣にいる君と明日も 夜空の下 声を重ねて 知らない音を探しにいこう たったひとつを手にするまで 遠回りしてどこまでも いつか君が君じゃなくなっても 世界の向こうに消えてしまっても 僕ら終わったりしないよ 繋いだ唄の先に見える景色に

          #47 水

          僕たちに影しか与えない窓を透かした青は闇に呑まれる 不器用に引かれた線たちが薄く重なっていた 台詞の下に 秘密裏にホースをつまみ堰きとめるには力が足りなかったらしい 傷ついてゆく片割れは誇らしく吸熱してた時間の証 野心的雨雲なら創り替えてよ空と水面が同化するまで 止まない雪はないけれど融けない雪はあるかもね世界の果てに

          ##2 アルバム

          夕焼けは濁らないって画用紙の上だけ見てる君の瞳に 透明になって聴こえはしないでと片恋みたく夜に溶かして ずっと今それだけのこと執着も未来も遠く線香花火 色褪せた青はほどけて小春日の反芻それで大人になった サイダーの弾けた泡は終わらない夏の向こうに切らした息に 無くならない地平線を見渡して醒めない夢を空に放った 夕立が熱を与えた私だけ薄紫に強がっている 一人きり見てたひかりの色にまだ触れてこないで眩しすぎるから 追いかけはしないできない群青は雲より遠くでもそれで

          ##2 アルバム

          #46 すり硝子

          洪水に浮かぶコンパス足はまだつかない なれない海月には 日の沈む朝に持ち越す夢なんて無かったような微熱の思考 間違えた端子挿せないケーブルの色は届かぬ地層の底で 砂粒の鋭利さだとか傷の味あいにく虹を見たことがなく 切りたての毛先が頬をくすぐった鏡棄てても窓が見ている 曖昧にする白状も断絶も声も季節の境界線上

          #46 すり硝子

          #45 終末ごっこ

          光りだすまえ透明なビル群を指で潰せど静寂のまま 祭りの明夜ケーキに差し伸べるフォークは一本 奇跡などない 高台で狡い高揚もう誰も見ていないって思いたかった ・ 暴風を凌ぐシャッター締めているうちに薬罐はあわを鳴らして 豪雨にも紛れず増幅する鼓動なくさないから指輪が欲しい 雨音とカップ麺だけが在る部屋でお湯を注げば世界の終わり

          #45 終末ごっこ

          lingering link

          (作詞合作:りっか, なずしろ) 放課後いつも歩いた道 分け合った記憶の旗 二人広げた未来の地図 いつだってそこにある 段々と春が近づく 曖昧なままの僕ら 何回も繰り返して いつも並べた足跡の中 もうすぐ魔法が解けるのなら 昨日の今を繋いだ先の 僕らどんな道を歩いていく? 僕らの現在地 踏み出す一歩目は少し先の 分かれ道へと続いている お揃いの歩幅で針を進めた 僕らの日々が 大事だって 知ってるさ 僕はずっとそうだった 未来の現在地 広がる景色は知らなくても 知

          lingering link

          漂白

          乾いていく砂浜 逃げ足ばかり速くなった 太陽はもう追わなかった 遠ざかる香りと 白く曇った感覚 麻酔からはまだ醒めない 潰れたいつものスーパー ステージ降りたあの子 手を伸ばしたって 交差点 途切れた白線 踏み外した雨靴は つめたい影のなか滲んだ 何かを失くしてここに来た 解らないまま 埋めてもどうせ間違えてるのに 知ったあの日の輝きを ずっと抱きしめているのは 情けないと言われるかわからないけれど ここで立ち止まって振り返った空が 好きだ 沁みついた思い出 途中でや

          twi-light zone

          変わる空の色 瞬く間に流れ込んだ夜 頬を撫でる風 さよならみたいな夕焼けが とうに過ぎてしまっても まだ終わらない 腕時計は見ないようにして 夜明けまでの距離測りかねた 明滅する信号で立ち止まる 僕らはまだ白線の前で 散らばった世界が重なるとき 逃せない一瞬に君は ねえ何を見てる? 僕はずっと探していた 本当は遠くても 空のなか星座みたいに繋がれば 同じ色を見ていなくたって きっとわかり合えるんだ そんな今日の延長戦を始めよう 白いところだけを踏んで歩く 見慣れた横顔

          twi-light zone