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いとおかし、いとおかし12
さて、説教原稿です。
説教「閔子鶱が孝徳、継母の邪心を改めし事」
讃題
しかれば大聖の真言に帰し、大祖の解釈に閲して、
仏恩の深遠なるを信知して、正信念仏偈を作りていはく、
「弥陀仏の本願念仏は 邪見にして驕慢なる悪衆生、信楽して受持すること甚だ以って難し、難中の難、過ぎたるは無し。」と
お寒い中、ようこそのお運びであります。
序弁
まあ昨今は、親族内での事件がふえまして、親子・夫婦の恵み、「恩」というものについて、わからない時代になったと思われます。私どもは、そんな風にこの世での親のご恩もわからんようになった時代に、仏さまのご恩の広大無辺さを知らしめよう、讃嘆しようというのですから、一通りやないですね。ついこの間までは、お聴聞衆がうんうんとうなづいて下さった話が、通じないことになってまいりました。
昔の方が、親のご恩を、
〽さむしろの 濡れたるかたに 身はい寝て
かわけるかたに 子をば寝せつつ
(くりかえし)
と云われた。誠にそのとおりです。
寒い冬の夜に幼子を抱いて寝る。東西もわからん子ですから、尿をもらす、寝ションベンをする。しきものを濡らしますと、濡れた方にはわが身をおいて、かわける方に子を寝かせる。霜夜の寒さつめたさはこの母が一身に引き受けて引き受けてとね。
私もよくやりました。3つちがいの弟が、学校の宿題で俳句をつくってこいといわれて、「柿食うて 兄ちゃん 寝小便」としたぐらいです。
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