とあるお方小説④「愛という言葉がなかった日本」
皆様、こんにちは。
私は「とあるお方」といったように、お名前を伏せて、尊敬するお友達たちのことを記事にしております。
そのうちのお1人が書いた小説を送って頂いたので、皆様にご紹介いたします。
お方さんは今までに何度も子供さん向けの人形劇を招待して開催してきました。
そのキャラクター達から、着想を得たものです。
★内容がつながっております。前回のお話はこちら★
登場人物
私ととあるお方さん共通の推しである、人形劇師くまちゃんの人形です。
題:愛という言葉がなかった日本
それでは、とあるお方小説の、始まり、始まり・・・(テンテケテンテン、テンテンテンテンテン・・・拍子木、カコーン!)。
さる吉「とうちゃんとうちゃんとうちゃーん!!!」
とうちゃん「わ!どうしたんだその傷は!足も手もすりむいて…何があった?」
さる吉「とうちゃんあのね…お友達とケンカしたの。」
とうちゃん「え!?お友達も怪我したんか!?」
さる吉「…うん。ごめんなさい。」
とうちゃん「…なんでケンカしたか、話してくれるか?」
さる吉「あのね。僕が木登りしていたら、お友達がぼくのこと『さるーさるー』ってからかったの。」
とうちゃん「さる吉はさるだよ。ちなみにとうちゃんもさるだ。豚じゃなくて、さるが木に登る。なんにも不思議はないよ。」
さる吉「そうだよ!僕はおさるで、ちっとも恥ずかしくないけど、からかわれたらとっても嫌な気持ちだったんだ。それで、やめて!って言ったんだけど、やめてくれなくて、ケンカになっちゃったの。」
とうちゃん「そんなことがあったのか。」
さる吉「お友達とケンカしてたら、この間のおばあちゃんが見ていて、ケンカを止めてくれたの。それで、お友達には、からかったらいけないよって、僕には、手を出したらいけないよって教えてくれたの。」
とうちゃん「そうか。じゃあまず、お友達にもけがをさせてしまったのなら、あやまりに行かなければいけないね。おばあちゃんにもお礼を言いに行こうね。」
~謝りに行った帰り道~
さる吉「僕、しらなかったよ。お友達のおうち、赤ちゃんが生まれたばかりでお母さんが大変で、お母さんを取られたようで寂しかったなんて。だから、いろんなお友達にちょっかいだしていたんだ。」
とうちゃん「さる吉がそれに気付くのは、難しかったと思うよ。お友達のお母さんがそれを知って、お友達を抱きしめてあげていたね。よかったね。」
さる吉「うん!」
~翌日~
さる吉「とうちゃん とうちゃん とうちゃーん!!!」
とうちゃん「どうした?さる吉。今日も元気だね。」
さる吉「あのね、昨日のお友達と仲直りしたよ。それでね、お友達のお母さんはいつも大変なんだって。だから、元気になるとうちゃんのシチューを食べさせてあげたいんだ!今日の夕飯にお友達を誘ってもいい?」
とうちゃん「そうか。もちろんいいよ!!!」
~その夜~
とうちゃん「…いいよって言ったけど、10人兄弟だったなんて知らなかったよ。」
さる吉「うん。実は僕も今知った。世の中、知らないことがいっぱいだね、とうちゃん。」
とうちゃん「よし!気合い入れて作るか!!!お土産分も含めて20人前だ!」
さる吉「とうちゃんかっこいい!ありがとう!」
さる吉のおうちにお邪魔したお友達のお母さんは、大変恐縮していたけれど、これをきっかけにさる吉の家族とも仲良くなりました。
お友達のお母さんは、漬物名人で、とうちゃんは畑でたくさんできたお野菜の漬け方を教えてもらって喜んでいます。
さる吉とお友達は、さる吉が植えたお花の種の世話を一緒にし始めました。
200円で買ったお花の種は、今ではさる吉・とうちゃん・おばあちゃん・お友達・お友達のお母さん・お友達の10人兄弟たちの期待を一身に背負っています。
がんばれ、お花ちゃん。
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愛ってなんだろう。
明治維新前の日本では、愛という言葉はあっても、あまり使われませんでした。
男女の愛については、色・恋などの表現だったそうで、その他の愛については、大事・大切・慈悲・慈愛・情などなど。
多彩な表現をしていたんですね。
共通するのは、ていねいに、粗末にしない、いつくしむ。
慈悲や情の文字を見ると、許すことも一つの愛情のようです。
これらの感情を抱くのは、そもそも『関り』があるから。
仏教ではこれを『ご縁』といいます。
関わることがなければ、そもそも大事・慈悲・情は生まれません。
そして、気付くのです。関わるには、『知る』ことから始まることに。
愛情不足、と言われると、ほとんどの母親は反感を持つのではないでしょうか。
自分のことを愛するといわれても、どうしたらいいのでしょうか。
人ならまだしも、自然を愛するといわれると、どうしたらいいのか。
愛という言葉は、便利であり、不便です。
では、子供ともっと関わろう、と言われたら、どうでしょうか。
自分をもっとよく知ろうと言ったらどうでしょうか。
自然をよく知り、お互いがいい関係となるように工夫する、と言ったらどうでしょうか。
知り、関われば、大事にする気持ちが芽生え、間違いを許すことだってできる。
人や物や自然に囲まれているあなたは、きっと意識しなくても実践しているはず。
大丈夫。関わりを持つあなたは愛そのものです。
(以上、お方さんによるお話しでした。テケテン!)
感想
皆様、いかがでしたでしょうか。
今回も面白かったですなあ・・・。
さる吉のとうちゃんは、20人前のシチューを本当に作ったんですね。
20人前と言ったら、鍋を2つ抱えて行くくらいですかね?
自転車の前かごと・・・それと、どうやって運ぼう。
両手に下げて行ったんでしょうか?
シチューのルーで言えば2箱でしょうか。
この作品を書いたとあるお方さんは、あるときメッセージを送ったら、すごい量の餃子を作っていたということがありました。
私「すごい量ですね!そんなに??!」
お方「子供たち・・・果てしない食欲!」
お方さんだったら本当に20人前をこさえそうです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
他にもたくさん書いてらっしゃるので、またご紹介いたします。
また、お方さんも素敵な小説を共有して頂いて、ありがとうございました!
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