【募集】パペットカウンセリング百ものがたり/前編
皆様、こんにちは。
後編で本題に入らせて頂きます。
ひとまずは、ソムリエと私で、延期中のパペットカウンセリング講演会を計画していたときのお話をお聞きください。
登場人物
ソムリエ
パペットカウンセラーのくまちゃんの人形劇を、これまで東京で何度も招待して開催している方私
ソムリエさんに誘われて、パペットカウンセリング講演会を共同企画中お坊さん
西の高名な霊山の僧侶
突然のメッセージ
数カ月前のある日。
自室でくつろいでいると、ソムリエからメッセージが届きました。
ソムリエ「ああ~もう、お坊さん!!!」
私「どうしたんですか?」
ソムリエ「言っていいかな~これ言っていいかな~気づけ~お坊さん!!!」
私「?」
ソムリエ「いやぁ~どうしたらいいんだろう・・・」
私「?????」
ソムリエ「れいなさん、見てこのお坊さんの投稿」
お坊さんは文章を書いて投稿するのが好きな方で、最近、仏教をやさしく伝える電子書籍も出版しておられます。
ソムリエは、お坊さんが書いたとある投稿のURLを送ってきました。
そこには最近、お坊さんが占い師など様々な方から告げられた、不思議なことがまとめてありました。
ソムリエ「これ、神様がお坊さんにやってほしいことのお告げじゃん!
でも本人全然気づいていないみたいで、色々とヒントを書き込んでみたんだけど、何か伝わらない!!!」
私がその記事を開いてみますと、ソムリエが一生懸命、遠回しに書いた、勢いと躊躇の混ざりあったコメントを連投しているのが見えました。
そのコメントは、明るい性格の人がべろべろに酔ってろれつの回らない状態で、左右の手で一本ずつうまい棒を振り回しているくらいに、何を言いたいか分からないけれど、情熱だけが伝わってくるのでした。
お坊さんの返信「何でしょうね~、僕どうしたらいいんだろう。
すみません、僕って鈍いんですかね」
何も伝わっていませんでした。当然じゃわい!
私も何が何やらつかめないまま、ソムリエにメッセージをしました。
お告げ
私「一体どうしたんですか?」
ソムリエ「これから、くまちゃんのパペットカウンセリング講演会でたくさんの人がパペットを使えるようになっていくでしょう?
お坊さんはね、これから日本中を巡るの。
そして、パペットが登場する100の物語を書くのよ。
それを、パペット奏者たちがイベントで困ったときに、ネタとして語り聞かせられるようにするの。
そう思いながら記事を読み進めていたら、占い師から『もっと文章を書きなさい』という言葉、そして『100』というお告げの数字が出て来たの。
鳥肌立っちゃいました。これは、私の勘が当たってるのよ」
私はこの頃、お坊さんと全くやり取りをしたことがなく、そもそもソムリエとお坊さんはつながりがあったのか!というところで驚いていました。
それと、ソムリエがパペットカウンセリング講演会でパペットカウンセラーや講師が増えていった先の世界をはっきり想像しているのも、すごいなあと思っていました。
ソムリエ「お坊さん全然気づいてない~!!」
もどかしい様子のソムリエに、少し勇気をもって慎重に返信しました。
私「えっと・・・あの占い記事を読んで、そんな景色が見えてくるのは、ソムリエさんのすごいところです。
それと、お坊さんにもっとストレートに言った方が良いです」
ソムリエ「・・・うそ?」
私「そうじゃないと、一生どころか、来世でも気づかないです。
これは、お坊さんじゃなくてもほとんどの人が無理です。
ソムリエさんがすごいから分かっているだけです」
ソムリエ「・・・」
ソムリエは、どう実現させるか深く掘り下げて考える力があります。
真の意味で踏ん張りのきく人です。
それをたいしたことじゃない、自分の美徳や才能ではないと本気で思い込んでいるので、他の人も当然できると思っています。
私自身、その記事を読んだところで何のひらめきもありませんでした。
ソムリエがうまい棒をブン回しているような、そのうまい棒をサラダ味からチーズ味に替えたくらいの遠回しなコメント連投では、何を伝えたいのか一切気づきませんでした。
ソムリエ「でも、本人が気づいて成長しないといけない。
最初から答えを見せてはいけないって、私たち、これまでの人生で、散々学んできたじゃないですか」
私(おめぇのコメントは、うまい棒ブン投げてるぐらい意味分かんねぇよ!
サラダ味、チーズ味と来て今やカレー味だよ!
パペットカウンセリングのパの字も出てねぇんだよ!)
とは言いませんでしたが、ソムリエには十分伝わったのか、
ソムリエ「もう一回言ってくる!」
と、またコメント欄に書き込みに行ったようでありました。
ソムリエが、お坊さんに「オリャ――――ッ」と走り寄る様子がまぶたに浮かびました。
遠方に住んでいるので実際に会ったことのないお坊さんを、すごく信頼している様子が、本当に愛らしいと思いました。
暗転
そして数分後、ソムリエから再びメッセージが届きました。
ソムリエ「やらかした・・・お坊さんから完全に引かれた・・・。
人間関係の踏み越えてはならないところを、見誤ってしまった・・・。
久しぶりにこんな大失敗した・・・本当に反省しかございません・・・」
私は驚いて、先ほどの記事を今一度見に行きました。
すると、ソムリエはきちんと勇気を出して、頭に浮かんでいたお告げと思しき提案をお坊さんに伝えているのでした。
ただしもちろん、先ほどまで、精神的にうまい棒をブン投げていたやみくもな勢いがある程度残っていて、ぜいぜいはあはあ言っているのが伝わってくるような、愉快な文面でありました。
お坊さんは、よく分からないコメント連投に続いての内容で、確かに驚いていたし、軽く引いていたけれども、
お坊さん「僕は全く気付きませんでした・・・。執筆、考えてみます。
ありがとうございます」
と前向きにやり取りが終わっているように見えました。
良かったなあと嬉しくなりましたが、ソムリエ的にはしっくり来ないようで、
ソムリエ「や~ら~か~し~た~・・・お坊さんに嫌われちゃった・・・何年振りだろう、こんなの・・・」
と、暗いメッセージが続くのでした。
数週間後
すっかり立ち直ったソムリエから連絡がありました。
ソムリエ「私たちがパペットカウンセリング講演会を開催するとき、物語がほしい・・・お坊さんに書いてもらいたいなあ」
私「面白いアイディアですね!
でも依頼するなら、報酬をお支払いしなきゃだし、たいへんですねえ・・・」
3分後のソムリエ「お坊さんに連絡しちゃった!
無料で書いて~って言って、もし講演会の日に行けそうならねってオーケーもらっちゃった!」
私「ひぇ~ありがたいけどマジですかー?!」
お坊さんが私たちの講演会に来てくれるのであれば、霊山を降りて、新幹線を使っての遠い道のりになります。
何泊かすることになるでしょう。
そこまでしてくれることを考えると、やはり、妥協できない。
ソムリエと私は講演会をどのように作り上げていきたいか日々、話し合いを続けていました。
私たちがやりたいことを掘り下げた結果、少人数開催にこだわりたいということが分かりました。
そして見えてきた沢山の課題。
私たちは日夜ずっと話し合いを続け、くまちゃんのSTAFFさんにも連絡を取らせて頂きながら、ああでもないこうでもないとふたりで頭をひねらせました。
そしてある夜、私は寝る前に、とある神様が夢に出て来るという強い予感がありました。
パペットカウンセリング講演会、もっと気張って計画しろよと怒られるかも~とちょっと構えて眠りました。
その夜、神様のお姿は見えなかったけれども、不思議な夢を見ました。
目の前に美しい紺色が広がり、そこに、雲の筋で描かれたような繊細でひだのたくさんある白い龍が3体、もしかしたらもっとたくさん、お互いに繋がり合って、心を広げあっている光景が見えました。
どこまでが一体の龍で、どこまでが他の龍なのかも分からないような、溶け合って、飛行機雲や水面のさざ波が消えたり現れたりするような複雑で美しい図面でした。
私は、ソムリエにそんな夢を見たと連絡しました。
ソムリエ「すごい!」
私「龍が何匹もいるのは、もっとたくさんの人と協力しなってことかな」
ソムリエ「それはいいかも!」
私たちは、白熱していた頭がふわっと軽くなり、気持ちが穏やかになるのを感じました。
そしてすぐに意見が一致し、開催延期に踏み切りました。
後編に続きます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
ちなみに、お坊さんには後日直接お会いできたときに、お礼のお手紙をお渡ししました!
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