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成仏してもらおうの話/中編

皆様、こんにちは。

前編では、私の記事によく登場するソムリエさん、道具のお方さん、お坊さんが全員集合しました。

私たちが、とある橋を清めるために一周したところまでお話ししました。

それでは続きをお話しいたします。
ふぉーーーっふぉーーーっ(法螺貝)。

登場人物

  • ソムリエ
    神社の狛犬や木々など、様々な存在の声が聴こえる不思議な主婦


  • ソムリエさんと道具のお方さんとお坊さんが大好き

  • 道具のお方
    お菓子作りから、仕事としての土地の浄化まで何でもこなすお方

  • お坊さん
    西の高名な霊山の僧侶


2周目の始まり

ソムリエ「お坊さん、どの仏様のお経を唱えたらいいでしょう」

お坊さん「阿弥陀如来かな・・・」←セレクトの理由が、私の知識では理解不能

ソムリエ「そうですね、そしたら阿弥陀如来様のお経をお願いします」←引き続き理解不能なので黙っている私

道具のお方(あちこち見ている)

橋の歩道部分中央に到着しました。

ソムリエ「お坊さん、申し訳ないです。手すりがある方を向きたくなると思うんだけど、これは橋に向けて唱える必要があるので、車道側に顔を向けて、唱えて頂けますか」

そうすると、当然、反対側の歩道や橋を渡る車からは私たちの様子が丸見えなのです。

ただ、髪の毛のつるっつるな男性が一人、手を合わせて何やらつぶやいている様子が見えるでしょうから、Tシャツ姿とはいえ見るからにお坊さんだし、状況は伝わるのではないかと思いました。

お坊さんはお経を唱え始めました。
私は、こういうときに暗唱していてすぐパッと行える内容があるのはいいなあと思いました。

ちなみにこのとき、お坊さんは「不動心」と背中に書いてあるTシャツを着ていました。

私「剣道やってると、よく見たような言葉だわー」

ソムリエ「そのTシャツ、ほしい!

お坊さんのいる霊山のあちこちで売っているそうでした。←不動明王様を信仰している地域だから

私たちはお坊さんの周りに立って、2、3分でお経が終わるのを待っていました。
私はソムリエさんのいう「当時死んだ人達の声が聞こえる」とか「重たい」というのは分かりませんでしたが、お経が後半に入ると、ぐっと、周りの足元の空気が鮮やかに軽く、明るくなるのがよく分かりました。

それこそ真冬に限界まで灯油ヒーターで温めていた空気を、諦めて換気してみたときの鮮烈さと同じくらいでした。

私「えー全然違う

ソムリエ「れいなさん、分かったんだ。だいぶ上がったよね?
やっぱりお坊さんってすごいね・・・本当に来てくれて良かった」

私たちは橋を再び歩き始めましたが、数歩進んでソムリエが厳しい顔で振り返り、言いました。

ソムリエ「れいなさん、悪いんだけど、アタシの手に、その水少しかけてくれない?」

私「? 分かりました」

開かれたソムリエの手の平に、50㏄くらいをちょろっとかけました。

ソムリエは、その水をぱっぱっと自身のズボンにかけました。その理由を、渡り切ったときに教えてくれました。

ソムリエ「いやぁ~さっき、空襲のときに熱で溶けて目だけになっちゃった子が足にくっついていて、離れてくれないから、水をかけた」

私(そこまで詳細が分かるのか・・・)

そして私たちは、渡り切った欄干で、また木々が生えている場所に一旦避難しました。
ソムリエはまだ眉間にしわを寄せています。

ソムリエ「・・・もう少しやる必要があるね」

私「実は、欄干に水をかけるタイミングがよく分からなくって、まだ一回もかけてないんです」

ソムリエ「分かった、アタシが声をかけるから、その都度やってね」

私「ありがとうございます」

私たちは、欄干の下を通って、車道を挟んだ反対側の歩道に回り、また、橋の上に出ました。

そのときに、1周目のときも気づいていたのですが、スキンヘッドの男性がばらばらで、数人いるんですね。

しかもランニングしてるとか、何か作業をしている等、それぞれがたまたま居合わせたようでした。

私「お坊さん。私、お坊さんと一緒に行動してるから、スキンヘッドの男性を見ると全員僧侶かもって思っちゃう

お坊さん「ふっふっ、そんな頻度でお坊さんがいるわけないでしょッ!!」

私(周辺が寺町だし、可能性としてはゼロじゃないよ・・・?)

そして欄干の、重厚な石造りに、私は、びしゃっと水をかけました。

ソムリエ「水をぶつけるというより、沿わせて流すようにしてね」

私はもう一度、さらさらと流れるようにかけました。
私たちが顔を上げると、そこに、うまい棒のメーカーさんの看板がありました。(私たちがうまい棒に思い入れを抱いている理由の記事はこちら

道具のお方「え!あれ、同じメーカーさんの商品だよね???!
私たちってホントに歓迎されてるねぇ~」

私「ひゃっひゃっひゃ

くもりとはいえ夏日ですから、少し頭に熱がこもっているのが分かり始めました。
日傘を持ってきたソムリエも、さすがに、鎮魂のため、敬意を表してでありましょうか、日傘を降ろしていました。

私たちは朝8時に近辺へ集まって出発したので、これはまだ、9時にもならない頃の時間です。

渡った端側でも、欄干に水をかけました。

最後、3周目

そして私たちは、もう一周を始めました。
機を逃さずに欄干に水をかけました。

ソムリエ「れいなさん、色々感じていると思うけれど、気を強く持って。私たちは供養に来ているのだと。引っ張られないようにね」

そして再び、橋の中央でお坊さんにお経をお願いしました。

お坊さん「今度は、般若心経を読みますね」

般若心経にした理由を分かりやすく説明して下さったのですが、忘れました!!!
「般若」という単語が少し怖いイメージを持たれるかもしれませんが、優しくて温かい内容なのだ、というのは憶えています。

お坊さんが般若心経を唱えている間、私も手を合わせて目を閉じておりました。
般若心経が終わると、ソムリエの表情が明るくなってきていました。

ソムリエ「いやーーー、ぜんっぜん違うね!!!これ!!!」

私も、何だか橋周辺の景色が、画質を良くしたり編集したように色鮮やかになったのを感じていました。

空気が軽くなっていました。これまでの閉そく感は、都会の排気ガスが溜まっているから、ではなかったのです。

ソムリエ「お坊さん、本当に本当に、今回来て下さって、お経を唱えて下さってありがとうございます」

私「もうホントにありがとうございます」

お坊さん「いえいえ、僕にできることでしたら」

お坊さんは、ネタみたいなTシャツを着てはいるけれど、世界遺産のお寺で、日々研鑽を重ねているすごい人です。

昨年、電子書籍で出版した著書はこちら。私自身、先月読んだばかりなのですが、こんなお坊さんいるのか~と思いました。

私と道具のお方の間では「かわいい!」と大評判のお坊さんです。
何というか、こんな優しい方が生きる隙間がある、今の世の中に対して安心しました。

僧侶にも色々な方がいて当然なのですが、私たちは本当に、このお坊さんが来てくれて良かったと思いましたし、会うたびに嬉しい気持ちでいっぱいです。

ちなみに上記の「仏様と共に歩こう」ですが、購入者特典として、希望者の方に、降りて来た言葉をメールで伝えて下さるということです。

私は「申し込みが多いんじゃ・・・普段のお勤めも忙しいだろうし、お願いしないでおこ~っ」と思っていたのですが、お坊さんに聞いてみたところ、他の読者の皆様も同じ思いを抱かれていたのか、まだ、片手で数えるほどしか申し込みがないのだそうです。

ですから、チャンスですよ!

チャットでやり取りをするとき、私はもう、お坊さんに対してとことん気を許しているので、散々好き放題にあれこれ書いていますが、怒られたことがありません。

私「堯友さん(ギョウユウさん)って、お名前が、牛乳に似ていますね!!!

堯友「牛乳も好きですよ

といった調子です。

余談ですが、私は先日、猫ちゃんの置物をお坊さんから頂きまして。
それは、お坊さんが私の為に購入してから、毎日拝んでおいてくれたのだそうです。←それを聞いたときに絶句してしまった
何て親切な方なのだろうか、ありがたすぎる!!!

阿弥陀如来を想像する

ここで、2周目のときの阿弥陀如来のお経について思い出したことがあるので、お話します。

お坊さん「阿弥陀如来様のお姿を想像して手を合わせて下さい」

私「えっと正直、仏様の細かい造形の違いって分かんないです!」

お坊さん「お経では、仏様は光と表されているから、光をイメージしてくれたらいいですよ」

その言葉に従って目を閉じ、光をイメージしていたら、白い泡みたいな光が下からたくさんたくさん湧いて、上にぶくぶく上がっていくのが、まぶたの裏に見えたんですね。

そして周辺の、下に溜まっていたような空気が大きく動いて、軽くなったことが分かりました。
お経が終わり、目を開けたら、ソムリエの感想と答え合わせができたので、私は「足元が重い」というのが分かっていたんだな、と思ったのです。

ソムリエ「当然、全ての魂を上げれた訳じゃないんだけど、仏様にお願いしたから、仏様が一人ひとりを説得して、上げてくれた様子だった・・・」

ひとまず終了

私たちは元来た側の欄干に戻りました。

道具のお方「お仕事終了!お仕事するとさぁ、お腹が減らない?」

ソムリエ「分かるぅー」

私たちは、やり終えたぞという充実感の中、当初向かっていた寺院の方へ、何事もなかったかのように歩き始めました。

次回へ続きます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

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