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特にまとまらないのですが、小林泰三先生作品の話をする。

人類が強めのクトゥルフ作品は苦手な曇天ちゃん。そんな彼女が今回はタイトルの通り、故・小林泰三先生の作品について、オススメポイントなどを気ままに話します。
『自信満々なキャラが鼻っ柱を砕かれるよりも、
『よりによって何てものを……しかし、今から他に話しても失笑されて終わるだろう。対策などとても間に合わん。つまり、我々がどうにかするしかないんだ……!』
というスタンスの人達が右往左往する話が好きだぜ』
というあなたに。

お疲れ様です。曇天スキーです。
日記を書くつもりでしたが、今回は圧倒的に原作者さん推しの作品群のお話です。
わたくしの好きなホラー作家さんに小林泰三(こばやし・やすみ)先生という方がいます。『玩具修理者』がデビュー作、といえば、
『ああ、あの!』
と思う方もおられるでしょう。家電メーカーに勤められながら、短編や長編を、主に角川ホラー文庫で発表されていた方で、
・ラブクラフトの描いたクトゥルフ世界観(人間が強くない方のクトゥルフと言えばいいでしょうか)に影響を受けた、この世のものならざる何かの接近や、科学で踏み込んではいけない領域へ踏み込んだり、作り出してはいけないものを生み出すなどのサイエンスホラーが多い
・昭和の『ウルトラマン』シリーズをモチーフにした作品や、ズバリ『ウルトラマンF』と題した作品もある
・国内が舞台の作品だと、関西出身の作家さんなのもあってか、鼻っ柱の強いお姉さんが登場したりもする
・上述のコズミックホラー的な意味で、
『この人だけ宇宙から飛来したのではないだろうか?』
と思わせるキャラも、サスペンスものに登場したりする
・映画で言うとデビッド・クローネンバーグっぽいグロテスクな描写もしばしば
・アクションもので求められる様な描写は不得手のご様子なので求めるな
・考えさせるラストも多いので、好みが分かれる部分はある
というタイプの作家さんです。
科学者による一人称の語り部分で、理系専攻でないと難解な単語も用いて謎に向き合ったり、状況説明もする。しかし専攻してなくても、イメージが浮かぶ様に描かれるので、恐怖部分を楽しめるのです。
ざっくり言えば、洋画のパニックものですとか、科学で生み出され、手に負えなくなったモンスターホラーなどでの、キャラによる説明が大体分かるならいけます。
故に、原作が一番理解しやすい気がします。
どういう事かと言いますと、小林先生の作品は幾度か映像化されたり、コミカライズされているのですが、満足いくものなのかは評価が分かれるのです。
何故かと言いますと、小林先生の原作が理系寄りなので、映像化してどれほどの人にその魅力が通じるか、という難問があるんですね。しかも前述の通り、
『理系に詳しくなくても、読んでいて何となく分かるし、面白い』
というタイプです。
さて、そういう作家さんの作品の映像化、心当たりはありませんか? しかも小説の映像化の場合です。
『そもそもこの辺は心理的に攻めて来るシーンだから、映像化して盛り上がるかというと難しい気がする。SFスリラーをよく撮っている洋画の監督とか、ビジュアルで理解させるとしたらそのセンスの持ち主が映像化しないとダメなんだよな』
ですとか、
『特に監督が悪い訳でも、原作に難があるとかでもないんだ。ただ、文章からイメージしてた時の方が幸せだったな……』
ですとか。そういう部分もまた特徴的な作家さんです。

小林先生は前述の通り、 クトゥルフ作品に強い影響を受けている様でして、更に目次で示した様なタイプのオマージュ作品を書かれていました。そこに惹かれたんですね。
世界観を作ったラブクラフト以降の、人類が強いクトゥルフ作品もありますが、詳しくないので、そこについては言及しません。『デモンベイン』しか知りませんし。
元々、人類がどうこう出来る様な相手ではないので、先生の作品はSCPなどが好きな方にも向いていると思われます。

読めていない作品はわたくしも多いのですが、『C市』が収録された『C市からの呼び声』、また、『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』という本をまだ読めていなくて、それが欲しいですね。
『異形コレクション』という井上雅彦先生監修のアンソロジーへの参加や、単行本未収録作品も多いので、興味のある方は探して読まれるのも楽しいかも知れません。

最後に好きな作品を挙げておきます。
・本
・吸血狩り
・人獣細工(ここまでの三作は『人獣細工』に全て収録)
・肉食屋敷
・C市
・『因業探偵』シリーズ
・百舌鳥魔先生のアトリエ
・殺人鬼にまつわる備忘録

ではまた、次回☺️


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