2020年夏号・成人科7月5日 ナザレン希望誌ウェブ(テスト)版

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ミディアンで養われたモーセ 出エジプト記 2:11-25

◯はじめに、
旧約聖書と新約聖書は、違ったテーマを取り扱っているように思えるかも知れませんが、旧約聖書はキリストの救いの恵みを預言的に、例話的に記されたもので、神の創造、人類の罪とその贖いの約束等を、やがて来たるべき未来の出来事として、記しているのです。新約聖書に示されている神様の愛や、キリストの贖いは、旧約聖書の記述の中に明確に現されています。旧約を知る時、新約の恵みがなお一層豊かなものとなって行くのです。
1、モーセのミディアンでの生活
 この出来事は私達に対してのメッセージなのです。神様の働きに召し出される人は、その働きが聖なる業となるために、働き人がまず、神様から信仰の訓練を受けるのです。神様の働きは単なる人間の業ではなく、また偶然の選びによる業でも無いからです。用いられる人は、その業が神様の祝福であることを受け入れることと、そこに神の愛があることを信じなければなりません。すなわち神は全能にして全知であり、人を愛し、良きことのみをされるお方であることを知る必要があるのです。神の祝福と愛とを受け入れるからこそ、その働きに身を捧げて行くことができます。ミディアンの生活はモーセにさまざまな出来事を通して、神様の約束を受け入れ、神様御自身を信頼し、民を愛するものとさせていただくことになったのです。
2、若き頃のモーセ
 エジプトの王はヘブライ人を苦しめたけれど、神様にはそれに対する秘策があったのです。神の知恵は人の知恵よりはるかに勝っているからです。モーセを川の中から救い出されただけでなく、モーセを母の胸に返されたのです。モーセは成長するまでヘブライの実の母に育てられ、神の民の祝福とエジプトからの救出の約束を、その膝の上で教えられたのです。それによってモーセは、神様の業の偉大さを感じて育ったのです。モーセが成長してからは、イスラエルの民を導くために、指導者としてのリーダーシップを学ぶ必要もあったのです。当時エジプトは世界最高の王国であり、最も進んだ国であったので、ここで、その最高の学問と、ファラオの娘の子供としての帝王学を学ぶことになったのです。リーダーとしてこれ以上の良き学びの場所はありませんでした。
3、円熟期のモーセ
 知的にも経験的にも、体力においても最も恵まれた40歳の時に、神様はモーセをエジプトの地から引き離されたのです。それは同族のヘブライ人がエジプト人から苦しみを受けているのを見て、義憤によってエジプト人を殺してしまったからです。そのことがファラオの怒りを買い、遠く離れたミディアンへ逃亡することになりました。神様の業は決して人間の正しさや義憤によって行われるものでは無いのです。それゆえ神様は最も力のある時、モーセをエジプトからの救出者として用いることはなさらなかったのです。人間の知恵と力は神様の業に用いられることはないのです。神様はモーセを引き離されたのです。それから40年間エジプトの指導者であったモーセを、羊飼いとして、家畜の世話役として砂漠で過ごさせたのです。このミディアンの荒野こそ、モーセが身に付けなければならない神の器としての最も大切な学びをする教室となったのです。エジプトでの高度な学びは何一つ役立たない家畜の世話。40年の長い砂漠の地の静寂。神の働き人の最も大切な学びとは、自分の意思に死に、知恵に死ぬことだったのです。ただ、全く主に信頼し、主に頼る者となることだったのです。この学びを得るためには、モーセがエジプトで生きていた人生と同じ長さが必要だったのです。


設 問  モーセが受けた、ミディアンでの最も大切な学びは何だったのでしょうか。

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