2021年春号・6月20日成人科 ナザレン希望誌ウェブ版

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民のために戦う主を愛しなさい ヨシュア記 23:1-16 
 23章の主題に入る前に、4節にあるカナンに侵入したイスラエルの民を12の地域に分割したことを見ておきましょう。イスラエルは12の部族に分割されています(16:1-19:48)。12部族は、ヤコブの12人の子を先祖とする12の部族からなっていました。(創世記35:23-26参照)                                        (新共同訳聖書 末尾 付録 3カナンへの定住 参照)
 北からアシェル、ナフタリ、マナセ(ガリラヤ湖東とヨルダン川西)、ゼブルン、イサカル、ガド、エフライム、ダン、ベニヤミン、ユダ,ルベン、シメオンに分割されました。レビ族は、祭司職で、土地の分割に与(あずか)りません(13:33,18:7、民数記18:20。その代わり、他の部族に属する土地から48の町がレビ族のために指定されました。レビ族の人々は、諸部族の中に散在して住み、すべての人々に接することが出来、人々に教えることが出来たのです。また、神ご自身が嗣業であり、神ご自身が養ってくださるという意味でもあります。またヨセフの名がありませんが、その子マナセとエフライムに分与されました。
 イスラエルの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに対する神の約束は、出エジプト、シナイ山の契約、荒れ野の旅を経てカナンの土地取得をもって成就したのであります。そして、土地の分割は、神の賜物であり、神の約束の実現でありました。民が土地を取得し、定住を始めたとき、「主が先祖に誓われた土地をことごとくイスラエルに与えられたので、彼らはそこを手に入れ、そこに住んだ(21:43)。「主はイスラエルの家に告げられた恵みの約束は何一つたがわず、すべて実現した(21:45)」とその喜びを頌(うた)っています。
 ヨシュア記23章に入ります。23章と24章は、年老いたヨシュアの告別の説教であります。遺言と表記した聖書もあります。ヨシュアは、23章で重要な役割を持った長老、長、裁判人、役人を含む全イスラエルに語っているのです。23章は、ヨシュア記全体の総括、結論となっており、 選ばれた民を気遣うヨシュアの心中を吐露しています。イスラエルの民を祝福するとともに、カナンに定住した後のことについても語り、神が何をしてくださったか、イスラエルの民は何をなすべきか、何をしてはならないかを述べています。
 カナンに入ってからも、神の祝福があるとともに、恵みから離れ、カナン人と結婚し、偶像礼拝に陥る危険性があったのです。こういう危険から民を救い、守る責任を感じる言葉があります。
 23章で強調されていることは、①主ご自身が戦ってくださった(3、10節)、②モーセの律法、神の言葉を忠実に守り(6節)、主を固く信頼せよ(8節)、心を込めて、主を愛せよ(11節)、③カナンの諸民族との交わり、特に偶像礼拝を注意するように(7,12,16節)、と熱く語っています。
 22章でヨシュアが述べていることを繰り返し語っています。「主の僕モーセが命じた戒めと教えを忠実に守り、あなたたちの神、主を愛し、その道に歩み、その戒めを守って主を固く信頼し、心を尽くし、魂を尽くして、主に仕えなさい.」(22:5)。
ヨシュアのイスラエルの民に対する熱い思い、願い、祈りを感じさせる説教であります。ヨシュアの篤い、熱い思いに、イスラエルの民も、また襟を正したことでありましょう。 
   
  「設問」 私たちの信仰の生涯の中で、神は何をしてくださったか、神のためにまた隣人のために何をしなければならないかを考えてみましょう。

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