2020年夏号・小中高科9月27日 ナザレン希望誌ウェブ(テスト)版

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■ 説教準備のためのテキスト研究
モーセの叫びを聞かれる神さま
出エジプト記 17:1-7(朗読は17:4-6)
伝えるポイント:神を試す民の不平をうけ、モーセは主に訴え、主の導きに従って岩を打つと水が出てきた。

 信仰共同体は、神の導きに従って歩んでいる。しかしちょっとしたことで、またも躓く。
 「レフィディム」の場所の特定は出来ない。宿営すると言いながら、そこには水がなかった。水は命に関わる。「民は喉が渇いてしかたないので」またも不平を述べた。マラの時とは違い、今回は水が全くなかった。(15:22-27)
 「争う」と訳される〈ヘブル語:リーブ〉は、もともとは法廷的用語で、契約的宗教に独自のものである。
 しかしこの場所での民の争いは「主を試す」ことであり、罪として捉えられている。「メリバ」はこのリーブに由来する名詞である。
 民は失望のあまりモーセにつぶやいた。それだけでなく、モーセを「石で打ち殺そうと」したのである。ここでの「つぶやき」の罪深さは、「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのか。」との問によく表れている。今までの神の導きや奇蹟、恵みのみわざそのものを無用のものとしたのである。
 私たちも試練に会うと、今までの導きや恵みを忘れ、いともたやすく不平を述べ、元の生活にスライドバックしてしまうことがある。それがどれほど神を悲しませることかを考えることもなく…。
 「ナイルを打った杖」とは、モーセが神から受けている権威を示すものである。また「長老数名を伴い、民の前を進め。」と言われるのは、これから行われる奇蹟の証人となってもらうためである。
 「ホレブの岩」「ホレブ」は主が最初にモーセに現れた場所である。普通シナイと同じとされているが、まだイスラエルはシナイ山には到着していないので、ホレブは広い地域を表すのかもしれない。
 「見よ、わたしはホレブの岩の上であなたの前に立つ。あなたはその岩を打て。そこから水が出て、民は飲むことができる。」モーセは、イスラエルの長老たちの目の前でそのとおりにした。
 7節でこの場所が「マサ」「メリバ」と名付けられた理由が明らかになる。特に「マサ」(試み)について、「果たして、主は我々の間におられるのかどうか」と言って主を試みたからである。出エジプトの出来事は、主のご臨在を示す奇蹟に満ちているにもかかわらず、彼らはことあるごとに疑うのである。この疑いが、金の子牛の事件(32章)に結び付いている。「メリバ」は民数記 20:13では、ツィンの荒野の別の場所、40年の荒野の旅の終りの地に付けられる地名となっている。この時は、モーセは岩を二度打ったために、神から叱責を受ける。
 パウロは、Ⅰコリント 10:4において、モーセの打った岩をキリストの型と解し、またイスラエルに付いて来た「御霊の岩」と見る。つまりイスラエルの 40年にわたる荒野の旅の間、この霊なるキリストが伴ってくださったのである。
 申命記 33:8と詩篇 95:8には「マサ」と「メリバ」が組合せで用いられている。

■ 中高科
モーセの叫びを聞かれる神さま
 出エジプト記 17:1-7(朗読は17:4-6)
伝えるポイント:神を試す民の不平をうけ、モーセは主に訴え、主の導きに従って岩を打つと水が出てきた。

説教にあたって
 今度は飲み水がなく、のどの渇きで苦しむ民。その不満は指導者であるモーセへと向かう。彼らは飲み水を与えよ、とモーセと争う。彼らには、モーセに不満をぶつけることが神に不平を言い、試すことになることがわかっていない。なぜ、モーセを助け、共に歩もうとしないのだろう?神にとりなし、祈ることもできるはずだ。神はモーセの叫びに応えて、水を与えられた。

説教例
 マナによって養われつつ、荒野を歩むイスラエルの民。
 今度の宿営地には、飲み水がありませんでした。長い旅路でへとへとに疲れているうえ、荒野の太陽に灼かれて、のどはからからに乾いています。極度な疲れとのどの渇きで民は殺気だっていました。彼らはついに「飲み水をよこせ!」とモーセにつめより、争いが起こりました。モーセは、「なぜ、わたしと争い、主を試すのか」と言えば、彼らは「なぜ、われわれをエジプトから連れ出したのか。のどの渇きで殺すためなのか」と、モーセに不平不満をぶつけ続けました。 
 ここに欠けているのは、情けないほどのチームワークのなさだろうと思います。民が共に「約束の地をめざす」というひとつの目的を共有できていないのです。モーセのリーダーシップが不十分であったとしても、他の人びとの中にモーセを助けよう、とか、水をさがすために協力しようといったフォロアーシップがいっさいないのです。これでは、どんなリーダーでもつぶれてしまいます。
 こうしたことはたびたび教会の中でも起きるでしょう。牧師ばかりに責任を押しつけられては、どんな先生でも過労で燃え尽き、倒れてしまいます。学校でもそうでしょう。担任の先生や、学級委員にばかり文句を言って、自分では何ひとつ協力しようとしない人もいます。でも、自分には何もできない、と思う人もいるかもしれません。そんなことはありません。誰にでもできることがあります。
 それは、リーダーのためにとりなし、祈ることです。神さま、モーセ先生が大変です、助けてあげてください。こう祈ってくれる人たちがいたならば、モーセはどんなに励まされたでしょうか。あるいは、ねぎらいや感謝の言葉をかけることだってできるはずです。とくに教会共同体は、牧師や役員さんだけでなく、みんなで支え合っていくものなのです。イスラエルの共同体には、「ワンチーム」や「フォロアーシップ」のスピリットが決定的に欠如していました。
 モーセは追いつめられて、神に叫びます。「この民をどうすればよいですか。わたしは、石で打ち殺されようとしています」と。主なる神さまは、今度もモーセに応えてくださいます。長老数名とともにナイル川を打った杖を持ち、ホレブの岩を打つように、と。モーセが言われたとおりにすると、岩から水がでて、民は飲むことができるようになりました。ここでのポイントは、リーダーのために協力し、とりなし、もっと支えることができるようにならなくてはなりません。どんな集団でも、争っていればひとつになれず、目標を達成させることができません。祈ることによって、教会のリーダー、学校や国のリーダーを支えましょう。

■ 小学科
モーセの叫びを聞かれる神さま
出エジプト記 17:1-7(朗読は17:4-6)
伝えるポイント:神を試す民の不平を受け、モーセは主に訴え、主の導きに従って岩を打つと水が出てきた。

説教にあたって
 どんな荒野、試練の中にいようとも、この世を支配して守っておられるのは神さまであること。また私たち人間をキリストの十字架と復活によって罪を赦して救い永遠の命を与えて下さるのは神さまであることを伝える。

説教例
 新型コロナウイルスの流行は今どうなっているのでしょうか。それがいつ終わるのかどうかが分からないことは本当に辛いことです。この先一体どうなってしまうのか。エジプトを出たイスラエルの民も神さまから「あなた方が住む地を与えます」と約束されました。彼らはそれに従って神さまの導く方向へと進んで行きました。でもいつ着くのかも、どこの場所なのかも分かりません。それはどうも遠い先であることに気がついてきました。「いつまで荒野の中をさまよって生きて行かなきゃいけないのか」。彼らの心は挫けそうです。レフィディムという所にやって来た時のことです。皆歩き疲れ汗も流し喉が渇いていました。でもそこには水が無かったのです。もう神さまのことなんて信じられなくなりそうです。彼らはモーセに「水を与えて下さい。どうしてエジプトから私たちを連れ出したのですか。家族も家畜も渇きで殺すためですか」と思いっきり不満をぶつけたのです。そうやって神さまを試そうとしたのです。モーセは困り果ててしまいました。もう何を言うこともどうすることもできません。そして神さまに「わたしはこの民をどうすればよいのですか。彼らは今にも、わたしを石で打ち殺そうとしています」(4節)と叫んで祈ったのです。すると神さまは答えて下さったのです。「イスラエルの長老たち共に民の前を進みなさい。わたしはホレブの岩の上であなたの前に立ちます。そしてナイル川を打った杖で岩を打ちなさい。そこから水が出て、民は飲むことができます」。モーセはその通りにし、民は水を与えられたのでした。これはモーセが岩を杖で叩いて水を出したのではありません。モーセがしたことは神さまが言われたこと信じて、その通りにしたのでした。神さまがホレブの岩の上に立ち水を与えて下さったのです。
 荒野の中、いつ終わるのか分からない苦しみの中で生きることは本当に辛いことです。家はありません。食べ物も好きなものがあるわけではありません。暑さや寒さに耐えなければなりません。しかもどこに行くのか、いつまでこんなことが続くのかと考えると生きる希望も失いそうです。しかしです。そんな荒野の中でも神さまはおられるのです。
 神さまは天地と、全てを創造し、この世を支配し守っておられるのです。水が流れ、大地から作物が採れ、海や陸の生き物を食べることができて生きて行けるのは神さまからの恵みなのです。それだけではありません。神さまは御子であるイエスさまを私たち人間の罪の身代わりとして十字架にかけて復活させられました。これを信じる者は罪が赦されて救われ、永遠の命が与えられたとえ死んだとしても生きるのです。

■ 小学科ワーク

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