2020年秋号・11月1日成人科 ナザレン希望誌ウェブ版

目次に戻る    カリキュラム一覧に戻る

全地に響く神の言葉を伝える     ローマ 10:1-21

 私たちは何のためにみ言葉を伝えるのでしょうか。言うまでもなく、私たちの信じるキリスト教を多くの人に語り、信仰者を生み出すためです。
 しかし、信仰者を生み出すことは私たちが思うほど簡単なことではありません。そのためには多くの困難が伴います。
 信仰を伝えるためには何が求められるでしょうか。基本的に2つのことが条件として整えられることが必要です。私たちの周りでも信仰について聞く機会が意外と多いものです。いともまことしやかに神を信じるとの発言が耳に飛び込んできます。いとも簡単にこの類の発言を耳にします。しかし、この信仰の発言には前に上げた基本的な2つの条件が整っていないのがほとんどです。
 この2つの条件とは何でしょうか。基本的にしっかりとした福音が語られ、正確に聞き取り、しっかりとした理解のもとに信仰を聞き入れる人たちが存在すること、またそれに準じる素地が存在することです。第2の条件は、福音を聞いたらそのまま聞きっぱなしということにしてはなりません。私たちの耳に入ってくる信仰は実にこの類のものが多いものです。聞いたら聞いたで、このことに伴う福音に根差した信仰告白が求められます。この条件がそろって始めて、福音に根差した信仰が生み出されていきます。ちなみにこの2つの条件を提供できるのは、私たち信仰者であり、教会の基本的な働きの中で進められていきます。この事を1-17節で明確に説明しています。
 この事が基本的な宣教の働きとなって、み言葉が語られる対象を探り、また得ていくということに繋がっていきます。
 その際、パウロは、救いの対象としてイスラエルの選びについて9章で語っています。参考に目を通すことも10章を理解しやすいものにしてくれます。実に福音宣教が異邦人に及ぶことになった経緯が明確に語られています。
 律法に従うイスラエルこそが神の救いにふさわしいと考えられる向きがあった当時、こうしたパウロの世界的視点をもった福音宣教の在り方は、受け入れられることがなかなか困難であったかもしれません。
 この10章にいわゆる旧約聖書からの引用が多いのは、世界的視野を持つ救いの教え、すなわち福音宣教が旧約の預言の言葉として語られていたことをパウロが明らかにしようとするものです。
 この世界的視野をもった福音宣教の在り方は今の時代にあっても有効に働いています。

【設問】
1.信仰が生み出される2つの条件は何ですか。
2.世界的視野を持つ福音宣教の在り方とはどんなものですか。

目次に戻る    カリキュラム一覧に戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?