2021年春号・4月4日成人科 ナザレン希望誌ウェブ版

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復活のイエスは、まずご自身を泣いているマリアに現された。                                   ヨハネ20:11-18 
 マグダラのマリアは、杖とも柱とも頼んでいた主イエスの死後、絶望と悲嘆にくれていました。しかもイエスを葬った墓が空になっていたのです。折角(せっかく)イエスのお体に香油を塗ろうと思ってきたのに、お体はありません。マリアは墓の外で泣いていました。復活されたイエスはマリアに優しく「マリア」呼びかけました。マリアは「ラボニ(先生)」と答えます(ラボニはアラム語、ラビ(アラム語、ヘブライ語)の別形)。復活の主に出会ったのです。マリアはどんなに嬉しかったことでしょう。喜びにあふれたマリアは、早速、「わたしは主を見ました」。と、主との出会いの喜びを弟子たちに伝えました。マリアは、イエスの復活の最初の目撃証人となったのです。(振り向いたマリアの像が、日本ナザレン教団学園教会の中庭にあります。)
 ガリラヤ湖の西岸にある町マグダラ出身のマリアは、かつて「七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリア」と言われていました(ルカ8:2、マルコ16:9)。精神的、身体的に極度に悪い病気を持っていたようです。手の施しようもないような状態で、彼女自身も悩み、苦しみ、痛み、身も心もぼろぼろで絶望的な状態でした。そうした中で、主イエスに出会い、その愛、思やり、優しさ、また厳しさに圧倒され、教えられ、導かれたのです。イエスのご人格と力によって、彼女はすっかり変わりました。「七つの悪霊を追い出していただいた」というのは、彼女は救われ、彼女を縛り付けていたひどい病い、痛み、苦しみから解放され、精神的に安定し、健康も回復し、今や、生きる喜びと希望を与えられたことを意味しています。彼女の人生は一変しました。
 それ以後、マリアはイエスに対する感謝の思いを持って、イエスの愛に対する応答としてイエスを愛し、イエスに仕え、その伝道と働きを助け、協力する者となったのです。十二弟子の他、多くの女性たちも奉仕をしていましたが、マリアはその第一人者であったの違いありません。病いを癒され、救われた恵みと喜びを分け与えるために、彼女は、病人や貧しい人々を訪ねたことでしょう。神と人とに仕えることを最上の喜びとして生きる者とされたのです。
 四福音書の記者にとって、マグダラのマリアは、印象に残る女性であったようです。彼女の過去について、イエスとの出会いによる大いなる変貌において、その後の献身的な愛と奉仕(ルカ8:1-3)において、強い印象を与えたようです。
 因(ちな)みに、マグダラのマリアの名前だけが、イエスの十字架と復活の場面にも、そして四福音書のすべてに出てきます。しかもほとんどの場合、彼女の名前が最初に出てきます(マタイ27:56,61,28:1。マルコ15:40,47,16:1,9。ルカ24:10。ヨハネ19:25,20:1,11)。
 そのマリアが、今また、復活の主イエスに出会い、悲しみと寂しさと不安の中から立ち上がり、主の復活の証人として、平安と希望を持って、終生変わらず主を愛し、主に仕えたのであります。伝説によるとスペインにまで伝道したと伝えられています。
 イエスの十字架と復活は、人間にその罪と死からの解放をもたらしました。「わたしは復活であり、命である。」(ヨハネ11:25.26)と言われた復活の主イエスへの信仰によって、私たちは、復活、永遠の命、神の国の約束が与えられ、その希望に生きることができるのです。

 設問  主イエスの復活とわたしたちの人生との関わりについて話し合ってみましょう。

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