2020年夏号・小中高科8月2日(青年日) ナザレン希望誌ウェブ(テスト)版

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■ 説教準備のためのテキスト研究
夢を解くヨセフ  創世記 39-41章 (朗読は41:37-40)
伝えるポイント:一度は捕らえられたヨセフだが、夢を解き明かすことでファラオの顧問への道が開かれた。

 本日は、ヨセフが奴隷から宰相へ召し出される箇所である。
39章:
 主はヨセフと共におられ、そのすることをすべて成功させて下さった。そのためヨセフは主人の好意を得、常に用いられた。
 しかしヨセフは、ポティファルの妻に誘惑され、それに打ち勝つが、濡れ衣によって捕らえられてしまう。「不実の人妻に誘惑され、それを拒絶したためにその人妻により暴行の濡れ衣を着せられ受難するが、ついに身の潔白を立てることが出来た」というテーマは、BC1225年頃に書かれたエジプトの『2人の兄弟の物語』にも認められ、聖書のヨセフの記事はこの物語の影響の産物だと言われてきた。
 「自分が食べるもの以外は全く気を遣わなかった」(6節)は 9節との関連で「自分の食べるもの」を「妻」の婉曲語法と解釈する学者もいる。
40章:監獄でのヨセフ
 「これらのことの後で」とはヨセフが 28歳の時であろう。(41:1、46)
 「給仕役の長」(新改訳:献酌官)はファラオの側近の 1人で相談役でもあった。「料理役の長」の 2人とも高い地位にあったので、拘留中でもしもべが付けられ、ヨセフがその役に任じられた。
 二人とも同じ夜に夢を見た。その夢には意味が隠されていた。
 「解き明かしは神がなさること」それは人の知恵やわざではなく神のわざであるというヨセフの主張。
 給仕役の夢には、3の要素がある。「3本のつる」発芽、開花、成熟という生長の 3段階、「ファラオ」、「杯」。夢の中ですでにファラオに仕えている姿があり、身分の回復を示唆している。
 料理役の長の夢ではファラオに仕える姿が見られず、本来はファラオのために用意したものを他のものに取られる。
 「思い出さず、忘れてしまった」。給仕役の長にとって獄に繋がれたことは忘れられない出来事であったはずだが、獄中の一奴隷の願いなどに、まともにかかわってはいられなかったので、完全に無視する結果となったのだろう。
41章:ファラオの夢を解き明かす
 それから 2年の歳月が流れた。ファラオがひどく心の騒ぐ夢を見た。魔術師と賢者をすべて集めたが解き明かせる者はいなかった。その時、給仕役がファラオにヨセフのことを話した。ヨセフはすぐに呼び寄せられた。
 ファラオの夢は 2つであったが、ファラオは自分の夢を語る時に単数形を用いている。それは 2つの夢が同じ内容のものであることを直感していたからだろう。
 ヨセフはファラオに対して「わたしではありません。神がファラオの幸いについて告げられるのです。」と語る。これは彼の信仰の告白である。「神がこれからなさろうとしていることを、ファラオにお告げになったのです。」神が背後で導いてくださる計画を、この夢を通して知らせようとしておられることをヨセフは強調する。また、夢の解き明かしだけでなく、これから起ろうとしていることにどう対処すべきかを進言する。
 夢の解き明かしと進言がファラオと家臣たちの心にかない、ヨセフはエジプトの宰相に任じられ、最高の権威が委ねられた。新しい名が付けられ、妻も与えられた。ヨセフは飢饉に対する備えをする。
 50節にはヨセフの二人の息子、「マナセ」(忘れさせる)、と「エフライム」(増やす)の話が挿入されている。48章への伏線でもあり、またヨセフの人生を物語る命名である。
 外国人がエジプトの高官に任じられた例は、文献において幾つか見られるそうだ。セム人の遊牧者ヤンハムはアケンアトン治世(BC1361―1345年)にカナンとシリヤのエジプト政府長官に任じられた。またテベリヤ湖東部出身のベン・オゼンはメルネプタ(BC1224―1214年)王宮の王室伝令官、あるいは司法官に登用された。このような例から考えて、ヨセフがエジプトの宰相に任じられたのは、外国の支配者ヒクソス王朝時代(BC1710?―1540年。学者により異なる)でなくともあり得たと推論出来る。

■ 中高科
夢を解くヨセフ  創世記 39-41章(朗読は41:37-40)
伝えるポイント:一度は捕らえられたヨセフだが、夢を解き明かすことでファラオの顧問への道が開かれた。

説教にあたって
 エジプトに奴隷として売られたヨセフ。主が共におられたので、ヨセフは主人の信望が厚かったが、無実の罪で投獄されてしまう。ある時、2人の囚人の夢を解き明かしたことがきっかけで、ファラオが不吉な夢を見たとき、ヨセフは宮廷に呼ばれ、その夢を解き明かして、ファラオに飢饉への備えをすることを進言する。その責任者としてヨセフは大抜擢をされる。主が共におられるとき、すべてがプラスへと働く。

説教例
 さて、波乱に満ちたヨセフの人生から学ぶ二回目です。
 エジプトへ連れて来られたヨセフを買い取ったのは、ファラオの宮廷の役人で侍従長である人でした。奴隷の身分ではありましたが、主が共におられたので、ヨセフの仕事はすべてうまく運んでいきます。やがて、主人の信望を受けてヨセフはその家の管理、財産までいっさい任せられるようになりました。ところが、主人の妻の誘惑によって、あらぬぬれ衣を着せられたヨセフは主人の怒りを買い、王の囚人をつなぐ監獄に入れられてしまうのです。どこまでも不運なヨセフです。
 しかし、主が共におられたので、まもなくヨセフは看守長の目にもかなうようになり、なんと監獄の中のことはすべてヨセフが取り仕切るようになります。ヨセフには聡明さと共に、生まれ持った高い管理能力があったようです。さらに主がともにおられる人は、どこで何をしても主がうまく取り計らってくださるのです。
 あるとき、その監獄に王の給仕役の長と料理役の長が引き渡されてきます。看守長の命令でヨセフは彼らの世話をしていました。数日後、彼らは夢を見て、意味がわからずに悩んでいました。二人がヨセフにその夢を話すと、なんとヨセフはその意味をすぐに解き明かしてしまいます。ヨセフには、夢を解き明かす賜物も与えられていたのです。果たして三日後のファラオの誕生日、ヨセフの夢の解明は実現し、王の給仕役の長は仕事に復帰し、料理役の長は木にかけられてしまいます。
 ヨセフは、給仕役の長が幸せになったときには私を思い出して、ここから出られるようにファラオに取り計らってください、と頼んでいました。しかし、なんと給仕役の長はヨセフを思い出さずに忘れてしまったのです。なんと、二年も。その年月がおそらくヨセフの人生でいちばんつらい時
期だったのではないでしょうか。
 ところが、転機がやってきます。ファラオが不気味な夢を見たのです。それを解き明かせる魔術師や賢者はエジプトにはいませんでした。そのときようやく、給仕役の長がヨセフのことを思い出します。ヨセフは宮廷に呼ばれ、ファラオの悩んでいた夢を難なく解き明かしました。それはエジプトに今後起きる七年の豊作と、その後の七年の飢饉をあらわしていたのです。ヨセフは、神がこれからエジプトになさろうとしていることだから、それに備えて聡明で知恵のある者にこの国を治めさせるよう、進言します。
 しかし、ヨセフの驚くべき知恵に驚いたファラオは、彼には神の霊が宿っていることを見抜き、ヨセフ自身を宮廷の責任者に大抜擢するのです。
 ヨセフはまた、一日にして囚人の奴隷から一国の宰相の立場へと上り詰めます。それは、エジプトの国とヤコブの一族を救うための神のご計画でもありました。その与えられた力を発揮するため、ヨセフは主の御手の中で練られ、整えられる期間が必要でした。試練にあうとき、主が用いやすい器とするため、私たちを整えておられるのかもしれません。

■ 小学科
夢を解くヨセフ  創世記 39―41章(朗読は41:37-40)
伝えるポイント:一度は捕らえられたヨセフだが、夢を解き明かすことでファラオの顧問への道が開かれた。

説教にあたって
 どういう境遇にあっても神さまが共におられ導いて下さることを伝える。それは賜物に恵まれながら幼かったヨセフが、不遇の中を悔い改め主と共に歩んで道が開けたからである。それと同じくキリストが私の罪のために十字架にかかってくださったことを信じる悔い改めによって赦され救われ生まれ変わり道が開けるからである。

説教例
 お兄さんたちによって商人に売られたヨセフはエジプトの役人、ポティファルに買い取られました。奴隷として働くことになったのです。本当に悲しかったでしょう。でもヨセフには神さまが共にいて下さったのです。それを信じることができたから毎日一生懸命に働けたのです。どんな仕事でも上手に出来るヨセフを、ポティファルはすっかり気に入りました。そして家のことは全て任せるようになりました。しかしあることでポティファルの奥さんの怒らせてしまったのです。そしてある時、彼女は「ヨセフが私に酷いことをした」と嘘を言ったのです。それを聞いて怒ったポティファルはヨセフを牢屋に放り込んだのです。がっかりしたけど「神さまがきっと助けて下さる」と信じて牢屋の中でも真面目に働いたのです。そんな姿を見た牢屋の番人は、ヨセフに沢山の仕事を任せるようになりました。
 ある時、エジプトの王さまに仕える二人の役人が罪を犯して牢屋に入れられました。ヨセフはこの二人が見た夢を見事に解いたのです。それから後のある夜、王さまは夢を見てこう言いました。「誰か私の夢を説明できる者はいないのか?このままでは心配で病気になりそうだ」。それを聞いた一人の家来が、はっとしたのです。「王さま、私が牢屋に入れられた時に、私の夢の意味を解いた者がいました。それはヨセフです」。するとヨセフは王さまの前に連れて来られ王さまが見た夢を聞かされたのです。「よく太った 7頭の牛が草を食べていると、後ろから痩せた 7頭の牛がやって来て、太った牛を食べてしまったのだ」。ヨセフは「王さま、これからエジプトでは、7年間食べ物が余るほど取れるようになります。でもその後の 7年間は、食べ物が取れなくなります。そのために 7年の間、食べ物を集めておいて下さい。
これは神さまが教えて下さったことなのです」と説いてみせたのです。王さまは感心し「お前は素晴らしい力を持っている。この国の大臣になってくれ」と頼みました。王さまは自分の指輪をヨセフに渡し王の次に偉い大臣になったのです。
 ヨセフは奴隷になったり、牢屋に入ったりしました。でもそれはヨセフを大臣として相応しい人物にするために、神さまが育ててくださったのです。こうしてエジプトは飢饉から救われ、そしてヨセフの家族も救われることになるのです。私たちもどんな境遇の中にあっても神さまを信じて歩むのです。神さまはイエスさまを十字架にかけることによってあなたを罪から救って下さったのです。だからヨセフのように必ずあなたと共にいて導いて道を開き救って下さるのです。

■ 小学科ワーク

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