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ピン芸人とR-1グランプリ

突然ですが「R-1には夢がない」のは本当でしょうか?

僕が思うに、R-1にも夢の扉はあります。しかし、ピン芸自体の「扉を押す力」が弱いのです。

例えば、ハリウッドザコシショウさんは夢の扉を開けました。この人を前に「R-1には夢がない」とは言えないでしょう。

しかし、これはハリウッドザコシショウさんが凄すぎるのです。勿論R-1のおかげで夢の扉を開けることができたわけですが、ハリウッドザコシショウさんの怪力なくしてR-1の扉は開けられませんでした。

しかし、基本的にピン芸の力は夢の扉を開けられるほど強くありません。

例えばコンビには、漫才やコントという完成された「武器のもと」を使って様々な力を生み出すことができます。しかし、ピン芸人にはその「武器のもと」がありません。フリップ芸や一人コントのような武器のもともありますが、ステータスが低いです。

そんなピン芸人が力を生み出す唯一の方法、それは「新たな武器のもとを生み出す」ことです。

まだ誰もやっていない新たなピン芸を生み出し、磨き上げる。これで笑いを生む人がR-1で優勝したりするのです。

前述のとおり、コンビであれば漫才やコントという芸の形が与えられています。芸を生み出すことはあっても「芸の形」を生み出すことはありません。しかし、その「芸の形」を生み出すことができるのが一部のピン芸人なのです。

そんな「一部のピン芸人」ですが、実はこの括りには既に呼び名が存在します。

「一発屋」です。

一部のピン芸人によって生み出される「芸の形」は、漫才やコントとは異なり基本的に「中身」とセットです。つまり中身を入れ替えてその芸をやり続けるということが不可能であり、まさに「一発」で終わってしまいます。

ハリウッドザコシショウさんの凄いところは、中身を入れ替えても芸をやり続けることができる「誇張しすぎたモノマネ」という芸の形を生み出したところです。これができるピン芸人は間違いなく天才と呼べるでしょう。

しかし、天才になれず「一発屋」という認識をされてしまうピン芸人は沢山います。R-1で優勝した人たちも「一発屋」と言われています。しかし、そのピン芸人たちは全員「形から新たな芸を生み出した発明家」なのです。ノーベルお笑い賞を受賞すべき人たちなのです。その一発のピン芸ダイナマイトを爆発させて去ってゆく発明家の背中は、どこかかっこ良く見えないでしょうか。

たとえR-1の夢の扉を開ける人は少なくても、誰もが隠れた「栄光の扉」を開けて去ってゆきます。一年に一度「一瞬の革命」が起きる驚異の大会、今年はどんな発明家が現れるのでしょうか。

その歴史的瞬間を、お見逃しなく。

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