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【第2章】苦しみの種類/恐怖感・不安感

2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。


今回は、第2章『苦しみの種類』から、チャプター6「恐怖感・不安感」を掲載します。




⑥劣等感・無価値感


6つめの苦しみは「恐怖感」と「不安感」です。


恐怖感・不安感は、すべての生命は宇宙という絶対的安心感・・・・・・の中で守られ、「死」とは肉体を脱いで宇宙に帰る(魂の本体に戻る)ことに過ぎないという真実を忘れ、傷つくことや死ぬことを恐れる感情です。


日常生活のレベルにおいては、経済的な問題によって生活が不安定になることや、病気や事故、あるいは家族、パートナー、職場をはじめとした対人関係の不和など、未来に何らかの悪い出来事が起こるのではないかと想像して怯える状態を指します。


本章では様々な種類の感情を挙げていますが、すべてのネガティブな感情のベースになっているのがこの「恐怖心」であり、〈すべては一つである〉という絶対的安心感・・・・・・の対極にある意識、つまり〈分離〉という状態の最も根源的な感覚だと言えるでしょう。(私たちのあらゆる言動、行動は「恐れ」から来るものか「愛」から来るものかのどちらかしかないのです)


日々メディアで垂れ流されるニュースや広告を見ていても、闇の存在たちがいかに私たちの恐怖や不安を煽り、人々を常に何らかの恐怖感の中に留めておきたいかがよくわかるでしょう。


まず、私たちは本質的に「死ぬ」ということがありません。
空から降る雨が山に降り注ぎ、山水は川から海へ流れ、再び気化して空へと帰るように、すべての生命は宇宙のとめどない循環システムの中で、ただ形を変えて生き続けているだけなのです。


仏教において「諸行無常」というように、宇宙のすべての命、すべての被造物は常に移ろい、常に姿と目的を変えながら、その変容と進化のプロセスを楽しんでいるだけであり、ゆえに私たちは死ぬこともなく、失うこともなく、本質的に傷つくこともないのです。


また、恐怖感・不安感を語る上で最も重要なのは、私たちの「時間」の捉え方についてです。


私たちは長い間、3次元特有の時間の概念を生きて来ました。
それは、時間とは「過去→現在→未来」へと不可逆的に進んで行く一本道であり、過ぎてしまった過去は変えられず、まだ起こっていない未来は予測出来ず、コントロール出来ないという考え方です。


過ぎてしまった過去は変えられない(と思い込んでいる)ので後悔やトラウマに囚われ、まだ起こっていない未来は予測出来ない、コントロール出来ない(と思い込んでいる)ので恐怖と不安が生まれます。
また、過去の後悔やトラウマになっている出来事が未来に再び起こるのではないかというマインドの危機管理によって、恐怖と不安はさらに増大するのです。


高次元宇宙にはこのような時間の概念はなく、最も重要とされるのは〈今この瞬間、ここに在る〉という自意識です。
映画のフィルムのような「過去→現在→未来」という一本道を生きるのではなく、常に〈今ここ〉という瞬間にフォーカスし、ただその一瞬一瞬を味わい、楽しむのです。


本来、宇宙では過去も未来も同時に存在しており(つまり「今」しか存在しない)、厳密には「場所」という概念も存在しません。(つまり「ここ」しか存在しない)
「パラレルワールド」(並行世界)「パラレルリアリティ」(並行現実)と言うように、現実には常に無数の異なる可能性のバージョンが存在し、私たちは一瞬一瞬、その中の一つのバージョンを選択し、目の前に投影し続けているだけなのです。


つまり、「過去・現在・未来」とは不可逆的な一本道でなく、それぞれ私たちが選択し、投影した現実の「断片」(一つのバージョン)に過ぎず、それらのすべては〈今ここ〉に内包されているため、過去も未来も〈今ここ〉の意識の持ち方によっていつでも修正・変更することが出来るのです。
高次元宇宙ではこのような時間の概念が自明であるため、私たちのように変えられないと思い込んでいる過去や未来に囚われ、不安がるということがないのです。


この〈今ここ〉という概念については3章でも触れますが、私たちが恐怖や不安を感じる時、そのほとんどが「過去」か「未来」の出来事に対する危惧であることを常に意識しておくと良いでしょう。


意識が過去と未来にフォーカスしたがるのは、データ分析と危機管理を司るマインド(思考・論理)の働きであり、一本道の時間概念を刷り込まれた私たちにとって最も厄介なイリュージョンを生み出しています。


前述したように、私たちのマインドは宇宙との通信機であるハートと切断され、宇宙の真理に則した本当の正しさや本来の能力を見失ったまま「独り歩き」している(魂と肉体が分離している)状態にあります。


つまり、マインドが危機管理として私たちに出す司令のほとんどは、現世における数十年間で培われた観念や情報データに基づいた見当違いなものばかりであり、私たちを本当の幸せに導くものではないのです。


このマインドによる誤った危機管理と、一本道の時間のイリュージョンを抜け出して行くには、意識を常に〈今ここ〉にフォーカスさせ、事あるごとに過去と未来に飛んで行きたがるマインドの挙動をつぶさに観察し、呑み込まれないようにかわして行く・・・・・・(反応せず受け流して行く)訓練が必要になります。
それこそが禅や瞑想の世界で伝えられて来た智慧であり、私たちが本来の時間の概念を取り戻して行く最も重要なトレーニングでもあるのです。


すべての恐怖と不安は、あなた自身のマインドが映し出す幻想です。
過ぎ去った過去やまだ起こっていない未来に翻弄されたり、思い込みや決めつけ、あるいは実体のない社会通念に囚われず、〈今ここ〉にだけあるあなた自身の体験を味わい、その瞬間瞬間を楽しんでください。


そして、人生に起こる出来事はあなた自身の思考や感情の投影です。
不安のエネルギーを振動させていればそのエネルギーと共振した現実を生み出し、恐怖のエネルギーを振動させていればそのエネルギーと共振した現実を生み出します。
いつだってあなたの意識が最初にあり、現実はその結果であるということを忘れないでください。
 
 
 
◎恐怖感・不安感を感じた時の宣言
「私はこの不安(または恐怖感)を手放します。ありがとう。」(目を閉じて繰り返す)
 
◎パラレルを選び直す宣言
「私は不安(または恐怖、寂しさ、悲しみなど)のない幸せなパラレルを選択します。」(目を閉じて繰り返す)




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