【第5章】感謝の心①
2023年10月出版『日月神示に学ぶ ひふみの生き方』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。
今回は、第5章『感謝の心』前編を掲載します。
◎「感謝」を忘れ、世界の支配者となった人類
何も知らずに上に登りて、
神を見下ろしているようで、
何でこの世が治まるものぞ。
天と地のご恩ということが
神の国の守護神にわかりておらんから
難儀なことがいよいよ
どうにもならんことになるのぞ (キの巻・第九帖)
起きたらその日の命いただいたのざぞ。
感謝せよ、大親に感謝、親に感謝せよ、
感謝すればその日の仕事与えられるぞ。
我出すと曇り出るぞ。
曇ると仕事わからなくなるぞ。(風の巻・第一帖)
かつて私たち日本人は、大自然を敬い、動植物を慈しみ、日々無尽蔵の恵みを与えてくださる天地の神々の恩恵に感謝し、すべての存在たちと共にあなない、まつり合うことの大切さをよく知っていました。
しかし、いつからか他者に対する敬意と感謝の心を忘れ、自分の力だけで生きていると思い込み、人間が快適であれば良い、人間が幸せであれば良いという人間中心の社会を作り上げて来ました。
そして、その傲慢さによって宇宙の原理原則を踏み外し、自然界の調和を乱しては、人間としての本当の幸せすら見失ってしまったのです。
この世界にあらゆる苦しみや争いが生まれたのは、私たち自身のこの傲慢さ、身勝手さゆえであり、その貪欲と奪い合いの果てに私たちは今、世界を自滅の道に導こうとしています。
人間中心の生き方を終わらせ、共に生き、生かされている存在たちとの調和の心を取り戻さなければ、この先私たち人類が生き長らえる道はないでしょう。
反対に、私たちが今こそ宇宙の理に立ち返り、自然や神々への懺悔と感謝の心を取り戻せば、「九分九厘」まで進んだ悪の世の所業は残り「一厘」でひっくり返り、世界に地上天国たる「ミロクの世」が訪れるのだと神示は言います。
◎人間は「神性」を失った神
地のヒツグの神とは人民の事であるぞ、
今の人民も掃除すれば(中略)神様となるのざぞ、
自分いやしめるでないぞ、皆々神々様ざぞ。
ものいただく時は柏手打ちていただけよ、
神への感謝ばかりでないぞ (光の巻・第一帖)
一方で、人間の傲慢さを語る時、つい私たちは自分を貶め、卑下してしまいがちです。
あらゆる宗教には「原罪」という概念が根付き、私たち人間は生まれながらに罪深い存在であり、神や聖人とは違う劣った存在なのだという自虐的な観念が染み付いているのです。
しかし、神示では「今の人民も掃除すれば/神様となるのざぞ/皆々神々様ざぞ」、あるいは「人、神とまつわればうれしうれしぞ、まつわれば人でなく神となるのぞ」(日の出の巻・第九帖)とあるように、私たちは皆、創造主から分かたれた神の分身なのであり、本来は神そのものなのだと言っています。
しかし、私たちは〈闇の時代〉の中にあって宇宙の原理原則を見失い、私利私欲に生き続けて来たがゆえに、もともと備えていた神性をなくしてしまったのです。
そして、本来は人間も神なのだから、自分と神とを区別して、神ばかり拝むのは間違っているのだと神示は言います。
「釈迦もキリストも立派な神でござるなれど、今の仏教やキリスト教はニセの仏教やキリスト教ざぞ。同じ神二つあると申してあろうがな」(岩の巻・第一帖)とあるように、宗教の教えには本来の正しい部分と、悪神、悪霊たちによって後から捻じ曲げられ、悪の世に都合の良いロジックに変えられているものがごちゃまぜに混在しているのだと言います。(神示には「悪平等」「悪自由」といった表現も多く登場し、この世の様々な美辞麗句には悪意によるミスリードがなされているのだと言っています)
「地獄説く宗教は亡びるぞ。地獄と思うもの、地獄作って地獄に住むぞ」(黄金の巻・第二十六帖)ともあるように、人間の罪や堕落をセンセーショナルに説いて深い罪悪感を抱かせたり、「地獄」の概念を植え付けて恐怖心を煽るような宗教は悪の宗教であり、私たちを不安と恐怖の想念に閉じ込めておきたい闇の存在たちの所業なのです。
神示では何度となく、「神人合一」こそが私たち人類の目指すべきところであると言っています。
「神は人に依り神となり、人は神に依って人となるのざぞ」(夜明けの巻・第一帖)とあるように、神と人が共にあなない、まつり合うことが人間の本来の姿なのであり、神と人を分け隔て、人が自らを貶めて頭上の神ばかり拝むような関係性こそを終わらせなければならないのだと言います。
また、「人間は罪の子でないぞ。喜びの子ぞ。神の子ぞ。神の子なればこそ悔い改めねばならんぞ」(黒金の巻・第十一帖)ともあり、人間は「原罪」という罪悪感にかられて苦しみ悶えながら生きるべきではなく、すべての存在の本質は「大歓喜」であり、喜びにこそ生きるべきなのだから、そのためにこれまでの生き方を改め、本来の神の子の姿に戻らなければならないのだと言います。
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