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この大峠で生き残るのは身魂の磨けた者ばかり。神が勝手に選ぶのではない。

*本記事は『よひとやむみな』(2021年・ナチュラルスピリット社)本文より一部を抜粋して掲載したものです。読みやすさを優先し、文章の割愛、レイアウトの調整、独自のルビや注釈を施していることをご了承ください。


富士の巻「大峠を迎えた人間」より


いよいよとなったら、地震、雷ばかりでない。
人々みな、頭が真っ白になり、
「これはなんとした事ぞ」と口を開けたまま、
どうする事も出来んようになる。


四つん這いになって、着る物も無く、
けものとなって、身動きできん者、
自ら死を選ぶ者と二つにはっきり分かれる。
けもののようなわれよしの者は、
けものの本性を隠しておったが、
いよいよ現われるのじゃ。


火と水の災難がどんなに恐ろしいか、
今度は、大なり小なり知らせねばならん。
一時は、天も地もひとつに混ぜこぜにするのだから、
人は生きてはおれん。


それが済んでから、
身魂みたま磨けた人間だけを、神が拾い上げて、
弥勒みろくの世の民とする。
この大峠おおとうげで生き残るのは、身魂みたまの磨けた者ばかり。
神が勝手に選ぶのではない。
身魂みたまを磨いたら、波動が変わるのぞ。
その波動が、出来事を引き寄せるのぞ。


どこへ逃げても、逃げる所は御座ござらん。
地下に逃げ場所を作っている者たちもおるが、
役に立たんぞ。
高い所から水が流れるように、
時に従ってくれよ。
身をゆだねる気持ちになってくだされよ。


いざという時には、神が知らせて、
一時は天界へ吊り上げる人間もおるであろう。
人間のいくさけものの喧嘩ぐらいでは、
この世の掃除など何もできん。



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