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Pianoteq研究レポート(Voicing/Design)

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんです。

最近ピアノ曲を作ってみようと思ってましてPianoteqのピアノ音源を購入しました。
ただ、
分かったことを備忘録として残しておこうかと思います。


Pianoteqにはパラメータが膨大にあるので一日でどうにかできるような量ではないのですが、
今回の研究ではVoicingとDesignのパラメータを見ておくことにしておきます。Tuningは得意分野ですのでパスとしましょう。

こいつらを開けてみますと、このようになります。
今回触っているのはピアノですので、エレピだとパラメータが変わってたりしますね

ユーザーマニュアルを参照しながら、音色をチェックしていきましたが
結構ボリュームがあります。


Voicing

◆Hammer hardness

これはピアノのハンマーの固さを調整します。
右にいくほど硬く、左に行くほど柔らかい というわけです。

左すぎると、アタックが弱すぎてエレピのような音になります。
右すぎると、響きがなくなって薄っぺらくなるので注意です。

Piano,Mezo,Forteの強さ3段階で硬さを変えられるわけです。
デフォルトの位置のように、弱音ほど柔らかい音にしておくのがいいですよね。

MIDIのヴェロシティの値でキッチリ区分けされてるようですね。
3段階のヴェロシティの硬さにどれくらい差を出すのかってのも曲想によって使いわけたいところですね。

◆Spectrum profile

倍音をいじれる、というパラメータですね。
Pianoteq Proの場合は1000倍音まで設定できるようです。

僕が考えた捉え方としては
①基音と倍音
②偶数倍音と奇数倍音
③3倍音と5倍音と7倍音
の対立で考えるといいですね。


人間の耳は基音を聞いている場合と、2倍音を聞いている場合があります。
(どういう条件で切り替わってるのかは分かりませんが…)
2倍音を聞いている場合は、基音は下げておいた方がスッキリしますね。


偶数倍音は温かみ、奇数倍音はエッジ と良く呼ばれます。
僕の所感では、偶数倍音はオルガン的、奇数倍音はベル的な音に変わります。上げすぎはシンセの様な雰囲気に変わっていくので要注意ですね。


③は音律の特性を強調する際(あるいは悪いところを軟化する)に使えるかなって思いました。

31平均律の場合は3倍音を下げる、5倍音を上げる、7倍音を上げる
24平均律の場合は3倍音を上げる、5倍音を下げる、7倍音を下げる
という風に、苦手な倍音をそもそも下げてごまかします。

◆Hammer Noise

ハンマーノイズは打撃音(低域)や弦のビビり(高域)などが付加されます。
打点が強調されてパーカッシブになります。


◆StrikePoint


弦のどの部分をハンマーで叩くかを指定できます。
1/64~1/2まで指定できまして、
通常のピアノでは7倍音が出ないように1/7の地点を叩くらしいです。

弦の根本に近い方が高音域が強く出て
弦の真ん中に近い方が低音が出てきます。
1/10~1/7あたりはアタックが際立っていいのですが、それよりも根本に近いところで叩くと安っぽい音になります、低音が減っていますし。

このパラメータはヒューマナイズもできるようで、確率分布まで操作できるといった代物。

ここも倍音の出方に関わってきそうなので
音律の特性に合わせて考えた方がいいかもしれませんね。

◆Soft Pedal

ソフトペダル(ウナコルダペダル)を踏むと、ピアノの鍵盤がずれて叩く弦の数が減ります。
そうすると、音が柔らくなります。
Hammer Hardnessと何となく似てますがこのパラメータは
ソフトペダルを踏んだ時用のサウンドメイクです。

左にするとソフトペダルを踏んだ時の効果はなくなり
右にするほど柔らかい音になります。


Design

◆Sound board

ここの項目はEQ調整に似ていますが
厳密には、弦そのものではなく響板の調整になるので増幅のさせ方になるわけですね。

Impedance
これは弦の振動が響板への伝わりやすさを調整できるようです。
右に行くほどサステインが伸び、左に行けば音が短く、デッドになります。

Cutoff 
ハイカットフィルターのカットオフ周波数で、
右に行くほど高音域が増え、左側にいくと高音域が減り地味になります。
フィルターのはずですが、左側に行くほど音が短くなります。

Q Factor
これはフィルターの傾きですね。(要するにQ)
右に行くほど急になり、左に行くほど緩かになります。

◆String Length

これは弦の長さを指定するのですが、インハーモニシティという倍音のズレを調整できます。
弦が長いほど、理想的な弦に近づくのでインハーモニシティは減っていきます。

減ったからといって電子音ぽくなるので、完全になくすと味気なくなりますね。
弦が短いほど、倍音が吊り上がっていくので、金属的な音になっていきます。


このパラメータでは10mが最長となります。
マニュアルに書いてたことですが、ピアノメーカーはインハーモニシティを減らしたくてピアノをデカくしたいっていう思いがあるらしいです。

◆Sympathetic Resonanse

弦の干渉のことらしく、打鍵時にダンパーが効いてない音が連動するそうです。
例えば、ドが伸びてる状態で、ミを打鍵するとドが連動してちょっと鳴るので、響きが豊かになっていいですね。

結構繊細な効果なので、扱いが難しいパラメータですね。
和音やピアノの響きをうまく作りこみたいときには重要な項目になってきますね。

◆Duplex Scale

ピアノの弦の根本~駒 駒~反対側の根本 の部分の長さを変えるというものです。
この部分が増えると倍音が増えてきらびやかになりますね。

この絵でいうなら、ピン~駒のところ


この倍音はおそらく固定の周波数で、鍵盤とは関係のない音程のようですね。高すぎて音程は認知できませんでしたが。

このきらびやかさを足す機構をスタンウェイが開発したらしいです。

◆Blooming

本来はスチールパン用のパラメータらしく、
低音から高音にエネルギーが移っていく様をシュミレートしているとのことです。
そのため下手に弄るとスチールパンになってしまいます。

ピアノの場合はシンセのようになってしまうので、あえて触る必要のないところです。
サウンドが劇的に変わる結構攻めたパラメータですね。

Energy この値が低いと、エネルギーの移動が少ないので音色の変化は少ないですが、高いとより高音域にピークが移っていきます。

Inertia は移っていくスピードを調整できます。
速いでワウのようにみょん!ってなりますね。


◆〆


というわけで、今回調べたパラメータは以上です。
他にもパラメータはわんさかありますのでまだまだ開拓し甲斐がありますね。

ImpedanceやBloomingは結構シンセの様な挙動しますので、これってピアノなのか???って思ってしまうような場面は多々ありました。

パラメータの中でも
Strike Point、Duplex Scale、String Lengthは効果が分かりやすく曲調にあわせてサウンドメイクできそうな値ですね。

大体のパラメータは高域/低域といった印象なのですが
そのアプローチが異なるといった印象です。
どう使い分けるべきかも考えたいところですね。

また、他のパラメータもチェックしていこうかと思います!




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