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初めてのPCゲームに何を勧めるか(FPS中心に)

Steamサマーセールが7/13 10AMまで開催中だ。初めてPCゲームをやるときのおすすめ、特にFPSを初めてやるときのおすすめを聞かれたので、自分の欲しいものの整理がてら、サマーセール対象のFPSを中心にいろいろ見なおすことにした。尚この記事では、

・とにかくジャンルにとっつき易く、プレイするだけで操作が覚えられるような敷居の低いゲームであること
・FPSとしてのアクションの魅力だけでなく、それ以外の要素も充実していて、単純にエンターテインメントとしての質が高いこと
・FPSで採用されがちなハードコアな世界観よりも、より一般的で馴染みやすいモチーフを採用していること
・UI/UXに優れていて初心者が入るうえで余計なストレスをかけないこと

を基準としてピックアップしてみた。

Steam; 万人向けの傑作

Gunfire Reborn

FPS + Roguelite + RPGでビルドを作りながらダンジョンに潜るシレン系Coop
とにかくFPSとしての完成度が高く、操作性の良さ、ヒット時のフィードバック、キャラコントロールの軽快さが気持ち良い(動かしてて爽快、はFPSにおいて極めて重要な要素)。
しかも難易度の上がり方が極めて丁寧に設計されており、最初の最初は今FPSを始めたばかりの人でも敵を倒せるようなマップと難易度になっていて、小さな山場を繰り返して最終的にはハードコアなゲームになっていくカーブの作り方が素晴らしい。ケモキャラもカワイイので誰にでもおすすめできる。しかも経験者も一緒に遊んでて楽しい。FPSというジャンルのチュートリアルとしてはこれ以上のものはないと思う。
※後述するサブスクのPC Game Passにも収録

Bioshock Infinite

ストーリーリッチなシングルプレイFPSの金字塔
ストーリーに演劇とメタフィクションの要素を取り入れたシングルプレイFPSの名作。テーマパーク的な見た目も相まって入りやすく、ApexやValorantにも通じる能力型FPSなので基礎教養によさそう。しかしそんなことよりも、「プレイヤー」であることを逆手に取られる驚異のストーリーを通じて、FPSでしか味わえない没入感を味わってほしい。前作1と2も安くなっているので、シングルプレイのストーリーテリングに革命をもたらしたシリーズを是非。

Ghostwire: Tokyo

渋谷の百鬼夜行を南無三パワーで解決する心霊シティアドベンチャー
悪霊や怨念が実体化した渋谷で、人の恨みを解き、神社を浄化しながら九字切りファイアーボールで口裂け女や牛鬼などの妖怪や怪異を撃退するアクションアドベンチャー。日本人なら誰でもスッと馴染めるモチーフを維持しながらも、抜群のデザインセンスとグラフィックで映像作品としても一級品。ストーリーも初期のBLEACHやシャーマンキングを彷彿とさせる王道少年漫画展開で最後まで熱く盛り上げてくれる。
アクション部分はシューター(銃撃戦がメインの精密なアクション)よりもアドベンチャー(調査・探索・育成)寄りの設計になっており、FPS慣れしていない人にむしろ向いている。

F2P(基本プレイ無料)のゲーム

Apex Legends

覇権バトロワFPSはバトロワというジャンルとの相性次第
Apexは据え置き機を通じて普段ゲームしない層にもリーチしたモンスターバトロワFPS。バトロワの良いところは、勝利にこだわらなければ必ずしもFPSがうまい必要がなく、サポートキャラをピックすればチーム内で役割を持って貢献できるところ。また広大なオープンワールドで探索を楽しめるし、慎重にプレイすればそれなりに一つの試合を長く遊べる。悪いところは、オープンワールドゆえにどうしても敵チームとの接触が運次第なところがあり、無駄死にも多いところ。良くも悪くも状況がコントロールできないバトロワというジャンルを気軽にできるととるか、何もわからずやられるととるかによって印象は分かれるだろう。

Call of Duty: Modern Warfare 2 (WARZONE)

現代戦FPSのスタンダード。日本では人気が薄いが・・・
CoDのバトロワモード、Warzoneと、PvPvE(対戦とNPC狩りが共存しているモード)モードのDMZは無償でプレイできる(シングルプレイやその他のモードは有償)。現代の戦争を忠実に再現しつつ、操作は軽快に、ゲームの作りはカジュアルに寄せることで遊びやすく仕上げた名シリーズがModern Warfare。Apexよりも少ない弾数で倒れるので緊張感のあるリアルな銃撃戦が楽しめる。
自分はDMZモードをひたすらやっている。MORPGのように自分がやりたいクエストを消化しながら、NPC相手でもメリハリのある展開が毎回楽しめるのが◎。またこうした脱出系ジャンルの定番であるEscape from Tarkovよりもカジュアルな設計になっているので、気軽にできて素人でも入りやすいのがポイント。
いかんせんApexとジャンルが被っており、日本ではヒーローシューターのほうが人気があるのでMW2はあまり人気がないが、それでも人口は多い。リアル系、ミリタリー路線がやりたければ是非。

Counter-Strike: Global Offensive

元祖リアルFPS。捻りのないシンプルかつハードコアな作りのFPS基礎教養
CoDよりもさらにシンプルかつハードに現代戦を楽しむならCS:GO。銃とグレネードしかアイテムがなく、頭に当たれば即死の世界で、銃の反動もリアルに再現されているため、まともに弾を当てるまでが少し大変。一方でスキルや広大なフィールドなどがなく、基本を覚えるだけのシンプルなつくりなので、一度慣れてしまうと病みつきになる奥深さがある。独特の命のかかったヒリヒリ感は他ではそうそう味わえない。
バトルパスなどの課金回りの設計がイケてないので、日本ではあまり人気が出ていないが、世界では不動の人気を誇る。国内の競技系FPSではValorantのほうが人気が高いが、難易度はこちらのほうが低いので初心者が無料でコツをつかむのにはこちらをお勧めしたい。尚、間もなく2が出る様子。

Xbox PC Game Passを検討しよう

ゲーミングPCを買ったならデフォルトでXboxアプリがインストールされていて、そこから月額$9.99で遊び放題のサブスクリプションサービス PC Game Passを契約することができる。
名作が新旧入り乱れる今日日はSteamで個別にゲームを買うよりもサブスクで軽率につまみ食いするほうが合う合わないが見つけやすく、コスパが圧倒的に良い。PC Game Passは新作リリースとサブスク解禁を揃えていることも多く、ラインナップが異常に豪華なので、カタログから気になったものはとりあえずダウンロードしてしまうのがよい。
ただし、サブスクなのでゲームが取り扱い終了になるリスクがある。クリアしても気に入ったものはSteamで買おう。

Fallout シリーズ(4, 76)

核戦争後のポストアポカリプス世界を放浪し、集落を作って自分だけのストーリーを紡ぐオープンワールドFPS
米中の核戦争によって荒廃した大地で過去の記憶を辿ったり、生き残り新たな社会を築こうとしている人々と交わって新世界を作ることを目指したり、目指さなかったりする自由なオープンワールドFPS。
第二次世界大戦以前、原子力に過剰な信頼を置いていたアメリカを中心としたブラックジョーク満載のレトロフューチャーな世界観が特徴だが、それよりも人間のねじれた感性や暗い欲望を笑える形で表現する卓越したストーリー・プロットと、「環境ストーリーテリング」と呼ばれる、特別な物語やクエストがないのに、その場に遺されたモノだけで核が落ちる前の様子をリアルに伝えてくる素晴らしい世界のディティールが唯一無二の作品。
また最近の作品ではどうぶつの森よろしく廃材で家や街を作ることができる。シングルプレイの4なら集落を作り、NPCを住まわせることも可能。
MMORPGの76も遊びやすく楽しいが、秀逸なストーリーとオープンワールドを探索する楽しさをじっくり楽しみたいなら4を。

Titanfall 2

Apex Legendsを生んだ世界のロボアクション/ハイスピードアクションFPS
Apexと世界観を同じくするTitanfall。人とロボットの共闘がメインになっており、人間としては壁走りや二段ジャンプなどの高い機動性で戦うハイスピードアクションと、ロボットに乗り込んでの重厚かつド派手な戦いが楽しめる。2は1の反省を生かしてシングルプレイに力を入れており、極めて完成度の高いアクション部分よりも、AIとの絆が結ばれていく過程を丁寧に描いたプロットのほうがプレイヤーの反響を呼んだというほどの素晴らしい作品になっている。
FPSとしては操作の自由度が高くステージ自体のアクション性が高いので慣れていないと死にまくるはず。それでもプレイする価値のあるストーリーがある。

HALOシリーズ

XBOXの看板タイトル。王道スペースSF×オープンワールドで車にハコ乗りが楽しい大暴れFPS
ビームやプラズマが飛び交うエイリアンとの戦争を描いた、オープンワールドのFPS。スターウォーズがその知名度と裏腹に意外と人を選ぶように、「スペースSFの独特な世界観にハマれるなら」という条件をクリアできれば間違いなく最高のFPSの一つ。最初期からオープンワールドをベースにしており、ヘリから戦車、ジープまで様々な乗り物を乗りこなして人間の兵士とともに戦線を切り開ける。最新作のInfiniteや、やや古いが3などは遊びやすいのでおすすめ。

そのほかのGame Passおすすめ:Far Cryシリーズ、Hi-Fi Rush、Quantum Break、Dead Spaceシリーズ、Gears of Warシリーズ、Battlefieldシリーズ、Mass Effectシリーズ、No Man's Sky、Star Wars: JEDI Fallen Order、Star Wars Battlefront 2、TMNT: Shredder's Revenge、龍が如くシリーズ、Wolfensteinシリーズ、ペルソナシリーズ、戦場のフーガシリーズ、二ノ国シリーズ など

Steam; 慣れてきたら遊んでもらいたいその他のゲーム

TOMB RAIDERシリーズ

名作アクションパズルのリメイク三部作はTPSとしても一級品
孤島やジャングルを探索するトゥームレイダーの新リメイクはTPS(三人称視点)のゲームとしても極めて洗練された作りになっており、ステルスプレイにも派手な銃撃戦にもどちらのスタイルにも対応している。特別癖があるゲームでもないし、何より三本とも驚異的なグラフィックとスリルのある演出が楽しめるのでおすすめ。

Cyberpunk 2077

PCゲームとSF史に残るディストピアンオープンワールドFPSRPG
サイバーパンクの都市とその内に渦巻く暗くハードボイルドな世界観を最高のシナリオと狂気的な作りこみによるディティールで再現した、近年のシングルプレイFPSを代表する化け物タイトル。眩しいネオンの溢れる病的な都市の中で、全身を義体に改造したりしながら気の向くままに裏仕事やドライブを楽しもう。没入感を失わないためにカットシーンもFPSのままであることにこだわったというだけあって、本編やサイドのシナリオも記憶に残る出来なので、ぜひやっておきたい。頭の中にキアヌ・リーヴスが住んでしまうというWeb漫画の展開みたいなおまけつき。

BIOHAZARD 7/VILLAGE

FPSのバイオならこの二本
バイオハザードをプレイするなら最近のリメイク系のREシリーズも悪くないが、より一般的なFPSに近い内容を求めるならこの二つのほうが素晴らしい出来なのでREよりもお勧め。

押さえておくべき名作は多々あれど、入りやすいものはこれぐらいだろうか。よきFPSライフを!

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